三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2021年6月20日

伊賀市でアスパラガスの農園を営む中井奈緒美さんは「日本一のアスパラガスを作る!」という夢を掲げながら2016年に志半ばで亡くなった義父の跡を継いで専業主婦から農家に転身!
未経験者ながら持ち前のバイタリティと行動力でアスパラガス栽培に取り組み、今では地元を始め、全国に中井さんのアスパラガスを待ちわびる消費者さんがいます!
そんな中、息子の一言をきっかけにアスパラガスの茎を利用したお茶を開発。
同時に伊賀市の「伊賀観光まちづくり企画塾」にも参加し、『明日晴茶(アスパラ茶)』の名前で商品化しました!

こちらは伊賀市、新天地商店街前です。
昔ながらの、ちょっとレトロなアーケード商店街ですが、ここ数年、新しいお店が続々オープン!
若い世代にも人気でエネルギッシュな場所となっています。

 

今日のゲンキさんにとっても深い縁のある「おむすび」専門店『伊賀上野 お結び屋おおもり』に来ました。
『お結び屋おおもり』は2020年6月にオープンしたおむすび専門店。
伊賀米コシヒカリを使用し、メニューは10種類以上!
一番人気はオーソドックスな鮭、変わり種としては明太クリームチーズなどもあるそうです。

 

そんな『お結び屋おおもり』の店内に並べられているのは、『明日晴茶(あすぱらちゃ)』。
なんとアスパラ農家さんが作っているアスパラのお茶なんです。
その生産現場へと行ってみましょう!

 

というわけで来たのがこちら。
伊賀市比自岐でアスパラとアスパラ茶を生産している『瑞雲ファーム』です。
このビニールハウスでアスパラを育てているんですね!

 

『瑞雲ファーム』の代表・中井奈緒美さん。
農家さんとは思えないポップないで立ちですね。
それにしてもアスパラはこんなに背が高いものなのですか?

「今は春採りアスパラから夏採りアスパラに変わる時で、夏採りアスパラの準備のための『立茎』という作業に入っています。
大体2mから3mぐらいにはなっていますね」

 

「このように下から生えてくるのですが、春採りアスパラは4月上旬〜5月中旬で、だんだんと細くなってきます。
そのタイミングで親を育てるために養分を使っているので、今は下から生えてくるアスパラはほとんどありません。
夏採りアスパラは6月下旬〜10月までとなります」

 

こちらの作業小屋では主に出荷作業を行っています。
この日は地元の地場産コーナーに出品するアスパラの梱包をしていました。
実は中井さん、もともとはアスパラ農家ではありませんでした。

『日本一のアスパラを作る』という高い志を持ってアスパラ栽培に取り組んでいた義父さんが2016年に急逝。

 

当時、専業主婦で農業未経験だった中井さんが一念発起。
農家に転身し義父の農園を受け継ぎました。
『瑞雲』は義父さんの戒名から取ったもの。

「さらに『瑞雲』には、『良いことが起こるような前兆の時に出る雲』という意味もあったので、そういう意味も込めて再出発しました。
右も左も本当にわからなくって、農家の知り合いもいなかったので、まずはSNSで全国のアスパラ農家さんをフォローさせてもらって、そこでいろいろな質問をさせてもらいました。
それから地元のJAの営農指導員の方にすごくお世話になったり…自ら動いてお友だちになってもらいました」

と、中井さん。

 

家族の明日(あす)のために、アスパラガス農園を継いだ中井さん。
そんな中井さんが精魂込めて育てたアスパラから生まれた『明日晴茶(アスパラ茶)』でした。

 

「6次化商品を作ろうと、スープやジャムなど色々サンプルを作ったりしましたが、今回『明日晴茶』となりました。
長さを揃えるために切って残ったアスパラの茎を、乾燥させて焙煎しました」

 

器に3〜6本入れて、熱湯を注いで待つこと5分。
アスパラガスの甘みが出た優しい味わいのお茶になります。
さらに10〜15分待つと甘みが増し、塩を少し入れて飲むとスープのような味わいになるそうです。
これは美味しいですね。

 

パッケージのデザインは、伊賀市在住のイラストレーター田槙奈緒さんに依頼。
パッケージには手にした人だけがわかる秘密の仕掛けがあるそうですよ。

 

実はこの『明日晴茶』のアイデアをひらめいたのは、中井さんの息子さん!
小さな開発部長さんですね。

「農作業の手伝いをしているときに、お母さんが下の部分で何かできないか困っていたので、乾燥してお茶にしてみたら?と言いました」

しかし奈緒美さんは子どもの考えだと取り合わず。
息子さんが実験的にアスパラ茶を試作し、その美味しさに驚いたそうです。

「ママに一回飲んでもらって、そうしたら『うまいやん!』と言って何回も飲んでくれました。
バカにすんなよって思いました(笑)」

と、息子さん。

「子どもの発想力には本当に驚かされました。
大人の発想ではありえないと思っていましたから」

と、松井さん。

 

中井さんはこのアスパラガスのお茶のアイデアを持って、伊賀市の市民参加型プロジェクト『観光まちづくり企画塾』に参加。
『伊賀のあたらしいおみやげ』として、『明日晴茶(アスパラ茶)』のネーミングやパッケージデザインに取り組み、販売に至りました。

 

現在は自社のウェブサイトで販売する他、先程の新天地商店街のおむすび屋さんや、ドライブインなどで販売。
6次産業化の成功例となりつつあります。

 

「明日晴茶は、6次化商品を作りたかったので、いろいろなことにこだわって商品が出来上がった時は、とても嬉しかったです。
全国展開はもちろんのこと、海外にも持っていきたいなと考えています。
アスパラに関しては今年度中に、今の規模の倍の25アール増設して、来年苗を植えるっていうことがすでに決まっています。
さらに農業体験のスペース作り、農作業着のブランドプロデュースもしたいと考えています。
農家になってやりたいことが沢山あるので、思っていることは全部叶えていきたいなと思っています!」

頼もしいです、中井さん!!

『瑞雲ファーム』のアスパラガス、『明日晴茶(アスパラ茶)』はいかがですか!?
関心のある方は、ウェブサイトへ!