FM三重『ウィークエンドカフェ』2021年7月10日放送

今回は志摩市大王町にある『Dog&Cafeノアール』の小泉優美さんがお客さまです。
サロンをオープンしたのは今から2年前。
その中で、地域猫の問題を考えるようになりました。
そして、今年『しまねこプロジェクト』という活動を始めています。

良猫を支援する動き

地域の猫ちゃんをケアするという形になります。
いわゆる『野良猫』と呼ばれるような、地域に住んでいる誰からも飼われていない猫ちゃんが病気をしたり怪我をしたり、弱っていて健康管理が必要な子に支援したり、子猫が生まれたらその子たちを保護する…そういったことが主な活動になります。
怪我をしても飼い猫じゃないと誰からも救ってもらえない子がいるので、そういう子たちを見つけてケアするということをボランティアでしています。
TNR(つかまえて、不妊手術をして、元の場所へ帰すこと)をしなければならないのですが、順番にしていかないととても繁殖してしまって、そのことで子猫が命を落とすということにつながっているので、そのあたりの活動も保健所や志摩市との連携のもとに行っています。
開業してサロンを経営していく中で、ワンちゃんがメインのお客さんになります。
ワンちゃんを好きな方ってだいたい猫ちゃんも好きという方も多く、近所で弱っている猫を見かけたなどの相談も、数多くいただくようになりました。
さらに自身でも1匹子猫を保護したというのもきっかけになっています。
以前はお客様がメインになってきていたので、うちに通ってもらっているお客様からお電話をいただいていましたが、それでも100件以上ありまして、そこから他の方にもお話をいただいて、お友だちからのお電話というのも徐々に広がっていきました。
「こんな子見つけたよ」という連絡が入ってくようになりました
今は特にシーズンなので、2日に1回くらいのペースでお電話をいただきます。
もちろんすべてに対応はできないので、私のできる範囲を超えてしまうこともあるんですけど、なるべく多くの猫ちゃんを救いたいと思い、活動しています。

 

々な業種の人が支援してくれている

業種を限らず、飲食業や建設業の方など、いろいろな方から声をかけてもらいますので、地域猫はやはり問題で、なんとかしなきゃいけないかなと、気づいてくださった方が多いです。
猫のことを犬のことを大切に思う、動物を大切にしたいという気持ちの方が多いと実感しています。
プロジェクトは個人的な活動になるので、公のところで力を貸していただけることは、とても大事になってきます。
動物愛護法の改正もあり、遺棄が犯罪になります。
猫が増えてくると虐待も多くなりますので、そういうところも広報で発信していただくようにお願いしました。
近所にいた猫ちゃんも手術したよ〜、とか、可哀想だからペットにしたんだよ、という声をとてもたくさん聞きます。
そんなにいるんだ、と活動を始めてから気づいたことも多くあります。
それってみなさんが個人的に時間とお金を使ってやってくださっているだと気づきました。
プロジェクトの意味がそこにもあるなと、新しく発見したところではあります。
個人的には、みなさんががんばっているのを集約する窓口になっていけないかなと考えています。
みなさんが個々に動いているのを、ひとつのチラシなどにまとめて、譲渡したいよ、里親さがしたいよという情報を貼り出しすることで、譲渡率が上がるということも、実際に動きかけてありましたので、そういった個人ボランティアさんからの連絡もとても増えてきました。

 

をあげているから猫が増えるのではない

『しまねこプロジェクト』は、里親さがしや啓もう活動も行っています。
きちんとした情報を伝えていくことも必要です。

保護しているとかボランティアしていて、地域の猫ちゃんにご飯をあげているというと、悪者に捉えられてしまいがちです。
難しいところです。
みんな優しい気持ちで動いているのですが、エサをやるから増えるんやわという言われ方をされることが多いです。
でも実際は、エサをあげたから増えるということではなく、手術をしていないからどんどん増えてしまうんです。
猫ちゃんて1年間に2〜3回出産できるんです。
その2〜3回のうちに5匹ずつ生んでいったら、すごい数になりますよね。
1匹の子猫が半年くらい経つと生殖機能が発達して繁殖していくので、本当にあっという間に何十匹になります。
ですから最初に手術をするということが、とても重要になってきます。
しかし、目の前の子を手術しただけではなんともなりません。
エリアごとに集中して一斉に手術するという計画的なことも必要だし、単発ではなく継続的に集中してやらないと、まったく減りません。
ともやまや横山など、観光客が多く見えるようなところに猫ちゃんが集まっている状況です。
なぜかというとエサをもらえると考えたり、あそこに連れていけば他の猫ちゃんがいるから生活できると考えるんですね。
私たちボランティア含め、行政の方もたくさんの時間とお金を費やして、みんなを手術しているというエリアになります。
100%手術が終わった猫に『さくらみみ』という印を付けています。
その印のある子しかいないという状態に個体管理しています。
新しい子が入るとすぐに分かるし、わたしたちもパトロールに行っているので、その子たちをすぐに保護する…イタチごっこのようになっていますが。
「みんながいるからそこに捨てていい」というのは遺棄になり、犯罪行為です。
ですから、そういうことをせずに、まずは相談してほしいですね。

 

域猫を増やさない活動

増えすぎる個体を抑制するということと、増えすぎると餌場の取り合いで喧嘩も増えますし、怪我する子が多くなったりします。
エサを食べられなかった子が餓死することもあります。
個体が増えることで交通事故に巻き揉まれる件数も増えてしまうということで、手術しない猫が勝手に増えていくということは、地域住民の方にも迷惑を掛ける問題点となります。
手術するメリットとしては生殖本能が軽減されるので、鳴き声がうるさいとかおしっこが臭いといったことが、かなり軽減されます。
猫が嫌いという方の中で、迷惑行為として挙げられる鳴き声の問題や糞尿の問題がかなり軽減され、清潔な街になると思います。

たくさんの人間が命を守ろうとして活動しているということを、知ってもらえたらなと思います。