三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2021年8月8日

2020年4月に放送した、津市久居で誰もが気軽に立ち寄れて楽しめる居場所を提供している『ひびうた』のその後を紹介!
『ひびうた』は、2015年から「本とコーヒーのある、居場所」として運営を開始。
誰もが自由に交流できる場づくりに取り組んでいます!
前回放送時は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の直前に取材。
コロナ禍を経て、「人が集まる」場所の意義を再確認したひびうたのみなさんは新たな事業に取り組みました!
4月に本屋・ブックハウスひびうたをオープンし、7月には、障がい者専用グループホームであるシェアハウスひびうたをスタート!
「目の前のひとりから居場所をつくる」ことを目指す『ひびうた』のその後を紹介します!

津市久居にある、こちらの建物を覚えていますか?
昨年2020年4月にこの番組でご紹介した『本とコーヒーのある居場所ひびうた』さんです。
1年半ぶりに、またお邪魔しました!

 

誰もが気軽に立ち寄れて楽しめるコミュニティスペース。
そんな居場所を津市久居で提供しているのが、『コミュニティハウスひびうた』。
2015年、「本とコーヒーのある居場所」として運営スタート。
利用者は入場料を支払って、思い思いの場所で自由に過ごします。
管理や指導はできる限りせず、応援をするのがこちらの方針。

 

また『コミュニティハウスひびうた』の隣には、就労支援施設の『コーヒーハウスひびうた』があり、自家焙煎のコーヒーを製造、販売しています。

 

そんな人と人が触れ合い、つながるコミュニケーションの場所は、このコロナ禍でどんな影響を受け、どのような対応を迫られたのでしょうか。
『ひびうた』代表の大東悠二さんにお話を伺いました。

「前回の番組以降すぐに、1回目の緊急事態宣言が出まして、それを受けて、あこの居場所を続けていくかどうかと悩みました。
しかし利用者さんから、緊急事態宣言下で、普段行っていたお店が閉まっていたりして行く場所がないと聞きました。
家しか居場所がなくて息詰まっているということで、ここが開いていたことでとても助かったって声もたくさんいただき、続けてきて良かったなと思っています。
そんな中、今年の4月には本屋『ブックハウスひびうた』を、そしてこの7月には障がい者の方の共同生活ができる住居である場所、『シェアハウスひびうた』をオープンさせました」

すごいエネルギーですね。
その原動力はどこからきているのでしょうか。

 

「そうですね、コロナ禍があったことで、改めて『ひびうた』が目指す目的とは何だろうかと考えました。
やはり最初から今まで大切にしてきたことは、『目の前の一人から、居場所をつくる』ということでした。
どんな時代になっても状況がどれだけ変わっても、それは変わらない原点だと思い、ブックハウスもシェアハウスも、目の前の一人の出会いという、今まで通りの目的をもって取り組みました」

 

ノンカフェインの玄米コーヒーや大麦コーヒーを製造販売しているお隣の『コーヒーハウスひびうた』もコロナ禍に負けずゲンキに営業。
新しいコーヒーの販売もはじまっていました。

 

それでは、4月にスタートした新しい事業をご紹介いただきましょう。
こちらは『ひびうた文庫』、『コミュニティハウスひびうた』内にある図書館です。

「去年の『ひびうた文庫』は、こちらのスペースだけだったかもしれないんですけれども、緊急事態宣言になってからすごく本の寄贈してくださる方がなぜか増えまして、一気に1000冊ぐらい寄贈本が増えました」

と、『ブックハウスひびうた』の村田菜穂さん。
奥のスペースにも本棚が並び、かなり充実したそうです。

 

そして階段を上がった2階に、4月23日に新しくスタートした事業『本屋ブックハウスひびうた』があります。
1階は図書館、2階は本の販売を行っています。

 

「こちらは大きな出版社ではなく、独立して独特の魅力を持った小さい出版社が発売されている本と、さらにもっと小さい単位で個人で雑誌などを作ってらっしゃるリトルプレスの方の本を主に取り扱っております。
こちらはどんな方でも利用できます。
図書館に力を入れていく中で、それまで『ひびうた』にご縁のなかった方もたくさん集まってこられました。
『本が人を集める力』というのを、とても実感しました」

なるほど。
本の力の大きさを感じますね。

 

それではもう一つの新事業を紹介してもらいましょう。
こちらは『ひびうた』から自転車で10分ほどにある一軒家。
障がいのある方が共同で生活をするためのグループホーム、シェアハウスだそうです。
一軒家というのが嬉しいですね。

 

「1階のリビングでは、世話人と言われるスタッフが調理をしまして夕食と朝食を作り、こちらのスペースで入居者の方達が一緒に食事をするとかち、くつろぎスペースになっています」

と、大東さん。

 

2階には居室が2部屋。
1階にも居室が2部屋あるので、全部で4部屋になります。
現在は1つ空き部屋がり、体験利用もできるそうです。

「今までの生活から新しい環境に一気に移行すると慣れないこともあると思いますので、まずは実際に生活を体験してもらうようにしています」

『ひびうた』では、他にも事業や企画が新たにスタートしていました。
4月からは時代のニーズに応える形で子ども食堂を開催。
そして夜6時から9時まで、おとなのための「夜の図書館」もはじまりました。

 

この日も、『ひびうた』では小さな催しが開かれていました。
グリーンブーケづくり体験。
これからの季節にぴったり!
涼しげなアクセサリーの完成です!

これらのイベントは利用者のみなさんの発案をサポートして開催。
みんなの『ひびうた』なのです。

 

参加するだけではなく、自分で考え、誰かを楽しませる場所。
そして夢を形にする場所。
みんなの居場所はこれからもどんどん広がります・・・

 

「コロナ禍で、とても息苦しく生きづらいという思いが強くなってきた方も多いと思います。
『ブックハウスひびうた』とは、生きづらさを抱えた方に寄り添うような心の居場所になるような本を届けていきたいと思っています」

と、村田さん。

「『ひびうた』に今求められていることは、人と対面して会うことでしか感じられないぬくもりや、人の笑い声…そういった対面しか得られないようなことがここにはあると思っていますので、そうした人と人とが出会ってつながるという部分は、コロナ禍においても、ますます必要とされているのではないかと思っています」

と、大東さん。

『ひびうた』は誰でも利用することができます。
興味のある方は、ぜひ一度、足を運んでみてください。
人と人とのぬくもりを感じることができますよ。