FM三重『ウィークエンドカフェ』2021年8月14日放送

心癒されるクラシックギターの音。
演奏は、松阪ギター音楽協会 会長の中西幸男さんです。
中西さんのギター教室には10歳から82歳まで幅広い年代の人たちが習いに来ています。

格的にギターを始めたのは大学生の頃

本格的に始めたのは大学の頃。
その後、教員になって松阪商業高校でギターを教えておりました。
それは好みだと思いますが、ギターの柔らかい控えめな音色に惹かれました。
それから友達の音色に惹かれたという感じです。
そのころ『禁じられた遊び』というフランス映画がありまして、主題歌のその曲を、みんなが弾きたくて…という感じでしたね。
僕もそれが弾きたくてやりはじめました。
楽器を買ってみたものの全然弾けなくて、レコードから流れる音を聞いて必死で覚えました。
僕はギターは『癒やし』の楽器だと思っています。
非常に年配の方が多いです。
この頃は子供も増えてきましたが、最初は介護の傍らにギター教室をやっていたため、50才以上限定ではじめました。
十数年やってきて、なかなか難しい楽器ですから、なかなかうまくならないんです。
いつかは自分もいなくなるわけですから、次につなげていきたいと思い、子供に挑戦しました。

 

阪出身の中出阪蔵は現代ギターを日本で初めて作った人

20世紀以降使っている現代ギターを初めて作った人が、松阪出身の中出阪蔵さん。
日沢小学校を出て、松阪のシモタコジというところが出身の方です。
この人の功績は日本のギター界にとても貢献しているんです。
演奏家ではないので、どちらかというと縁の下の力持ちという感じ。
そういう松坂の地に縁があるということで、少しずつ松坂の地にギターを膨らませていく、広げていくきっかけにはなっていると、僕は思っています。
松阪ギター音楽協会の大きな活動は、中出阪蔵さんを紹介する『阪蔵展』を毎年4月にやっています。
それから『松阪市民ギター音楽祭』を毎年開催しています。
後はこれからの子どもたちを育てる講習会。
その3本柱が協会の主な役割です。
そんなふうにしてボチボチ広がっていくと良いなあと思っています。

 

奏は人と合わせていくことを独奏は勇気と自信を持つことを教えている

僕が合奏で一番大切にしているのは、合奏は集団生活。
集団の競技ですから、人間環境能力を高めていくことが大事。
基本は挨拶ができること、そこからです。
それから時間の厳守。
音楽は一緒に入って、一緒に休んで、一緒に終わらないと曲になりません。
集団活動と同じだと思うので、社会生活を送っていく中で必要なことが学ばれているんですよ。
もちろんその中で、人の音をよく聴くということは人の話を聞くことにも繋がります。
いろいろな能力が付いてくると思います。
相手のことを思いやったり、相手がどんな気持ちでいるかを考えたり…だから、想像力は付きますね!
イメージの世界でしょ、音楽って。
楽譜を見てどんな曲になるかイメージして…イメージ化というか想像力は付きます。
独奏は独奏で、人の前で力を発揮できる精神力を身につけることができます。
良いと思います。
ここではどちらもできるコースを目標としています。

 

阪がギターの聖地になるように

たくさんのひとにギターを知ってほしいです。
そして松阪が、日本で一番ギターが盛んな街だと言われるようになったら良いなと思います。
それが徐々にですが、できつつあるんじゃないかあ。
そのためにはやっぱり子どももそうだし、それを支援する親御さんも協力してほしいです。
応援団をいかに付けるかに尽きると思います。
子どもたちが育って、親が喜べば、親が応援してくれるし。
なかなか大変な部分はありますが、やりがいがあります。
楽しいですし、
僕はもう70代で後期高齢者の域に入っていていますが、でも、子どもたちと一緒に年齢関係なく楽しめるのが幸せですね。

大家族のような教室にしたかったですね。
老いも若きも楽しんでもらえるような、幅広い層にギターを知ってほしかったし、楽しんでもらいたいと思っていました。
だいぶ、理想的な形になってきていると思います。