三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2009年8月30日放送

日本薬草学の先駆者のふるさとで、薬草尽くし!
薬草の足湯、ハーブ入りクッキー、薬草公園、薬草の天ぷら・・・などなどで、身体も地域もゲンキに!

名物や特産品が何もない・・・と訪れる人たちに言われていたという、多気郡波多瀬地区。

実はここは、歴史上とても重要な人物である、『野呂元丈』のふるさと。
彼は江戸時代の八代将軍、徳川吉宗の御目付医師で、日本各地で薬草を採取した日本薬草学の先駆者。
さらにオランダ語を学んで『阿蘭陀本草和解』を完成させた偉人です。

そんな偉人の功績を称えつつ、『薬草・健康』をテーマに、地域の活性化を図るためにオープンしたのが『元丈の里』。

メインの施設でもある『元丈の館』には、地域の農産物や特産加工品が並ぶ販売コーナーがあり、週末ともなると、大勢の買い物客で賑わいます。
食堂では日替わりごはん定食や薬草メニューを楽しむことも。

『元丈の里』の一番人気。
薬草を生かした地域活性をめざし、地元のみなさんのアイデアで完成した『薬草入り足湯』。
今やこの足湯は大人気で、一日に200人、年間数万人のお客さんが訪れているとか。
足湯に浸かり、知らない人同士が談笑する光景・・・身体も心も癒されます。

足湯に使用する薬草。
乾燥させた薬草を袋に入れ、じっくりと煮出してエキスを抽出。
足湯の成分は、基本のヨモギやドクダミなどのほか、季節によって、ユズやビワ、ショウブなどが入るそう。
そんな細かい心配りも、人気の秘密です。

敷地内の『中山薬草薬樹公園』は四季を通して薬草やハーブを観察することができる、県内でも珍しいスポット。
散策しながら薬効を学ぶことができます。
なんと、薬樹は約100種類、薬草は70種類ほどあるそうです。

この公園の管理をしているのは、地域のボランティアの人たち。
草刈などの手入れや、薬草の植樹などを行っています。
名前や薬効を紹介する看板も手作り。
作業をするのは月1回ですが、公園のことが気になり、ひとり作業に来る人もいるとか。

地域の人の愛情が、元丈の里のハーブや薬草を育てているのが感じられます。

そして、ここで作られたハーブを使った製品を作るのもボランティア、『波多瀬ハーブの会』。
地域のお母さんたちのグループです。
使うのは自家製ハーブなので、無農薬で安全。

ハーブを使ったクッキーは『はたせっ娘』という名前で、『元丈の館』の販売コーナーで販売されています。
また、ラベンダーの入った香り袋も大人気。
もちろんすべて手作りです。

観光するところも特産品も何もない・・・そう言われてきた波多瀬が、試行錯誤の上につかんだ『薬草入り足湯』の成功。
来場者が増えた今、薬草が足りないときは、地域のみなさんが育てたものを持ち寄るなどして、足湯を支えています。
その足湯がまた人を呼び、人を集める・・・波多瀬のゲンキのシンボル、それが『元丈の里』なのです!