三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート!」2012年8月12日放送

漁業体験希望者の受け入れで、漁業の未来を!
大海原で、大漁の感動を通して、漁業の素晴らしさを知ろう!

尾鷲市や尾鷲漁協で構成する『尾鷲港産地協議会』は、今年、他地域のマグロ漁船の誘致、受け入れを積極的に開始。
その結果、マグロの水揚げが急激に増え、尾鷲の港、町に活気がみなぎっています。

そんな状況の中、漁業の新しい担い手を育てていこうという取り組みが、今回ご紹介する、『尾鷲市漁業体験教室』です。


尾鷲市魚まち推進課水産振興係係長 平山始さん

平山「尾鷲市は、元々漁業の盛んな町ですが、後継者不足・担い手不足がかなり深刻になっています。行政としても後継者づくりに対して、取り組もうと」

今回の『尾鷲市漁業体験教室』は尾鷲市の主催で行われ、早田で開催。
期間は3泊4日。
体験希望者に、実際に船で海に出てもらい、網おこしや水揚げ作業などを体験してもらいます。

今回、体験者を受け入れたのは、地元、定置網漁の早田大敷(はいだおおしき)のみなさんです。

体験学習を始めたところ、若者が来るようになり、大変期待しているそうです。


今回の体験者は出身も経歴も異なる、この3人。
学校を卒業した18歳のフリーターであったり、現役の高校生であったり・・・。
しかし「漁師になりたい!」「海の仕事につきたい!」という思いで来たという点では、みな同じです。


漁業体験のスタートは、なんと早朝4時前から!
この日の漁業体験は、定置網漁体験の2日目。
あいにくの雨で、風もあって、海はかなりうねっています。
しかし、常に天候との勝負であるのもこの仕事。
雨の中、先輩たちの厳しい指導を受けつつ、実習にはげみます。


いよいよ定置網漁の引き上げ。
大きな網を取り囲むように船をつけ、ロープをどんどん、たぐり寄せて、網を少しずつしぼっていきます。
最後は、全員総出で網上げ。
濡れた網は重く、大変な力仕事です。
網の中には、新鮮な魚が!


この日は特別に、獲れた魚をその場でお刺身に。
体験者のみなさんは、自分たちで揚げた魚を食べることが出来ました。



港に戻っても、作業は、まだまだ続きます。
まずは、水揚げされた魚の仕分け。
体験参加者も、魚を種類ごと、大きさごとに分ける作業を手伝います。


水揚げが終わり、ひと息入れると、次の漁に備えての準備が始まります。
定置網漁は、通常、『朝もち』と『夕もち』と呼ばれる網上げ作業が、1日2回。
こうして網を陸にあげての点検、補修作業も欠かせません。

そしてなんと、この早田に、『漁業体験教室』に参加して漁師となる決心をし、実際にここで働いている人がいました。

㈱早田大敷 粂 弘明さん

粂「もともと海で仕事をしたかったのですが、この体験教室がなかったら、僕は今、ここにいません」

漁業体験教室は実を結びつつあるようです。

さらに今年10月下旬、本気で漁師になりたい人のために、これまで以上に、多種多様な漁業体験・研修ができる『早田漁師塾』が開催されます。
漁業実習、座学講習など4週間におよぶプログラムです!

三重県で漁師として生きてみたい!
漁業の未来を築いていきたいという方を大募集!



5年後、10年後の三重県の漁業の担い手を求めて。
そして、厳しい今だからこそ、やれることをやる。

漁業関係者の懸命な努力、挑戦によって、新たな可能性を見出そうとがんばっています。

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■早田漁師塾 第一期生募集

実習・講習内容:定置網漁・刺網漁・操船・ロープワーク
         網の修繕・漁村の暮らし など
開始:平成24年10月下旬~
期間:4週間
場所:尾鷲市早田町
講習費用:無料 〆切り:9月10日
※早田町までの交通費、研修期間中の食費などは自己負担
※期間中の住まいの用意有り

問:三重県水産協議会 水産振興室
  TEL 059-228-6670