FM三重『ウィークエンドカフェ』2021年9月25日放送

今日のお客様は、鈴鹿市『NPO法人鈴花』の代表理事・石川智美さん。
鈴花の活動は、花をキーワードに様々なコミュニティ作りをしています。
NPO法人の立ち上げは2020年の7月。
コロナ禍でどんな活動ができるのか、いろいろ模索しながらチャレンジしています。

鹿の町を花でいっぱいにしたい

その名の通り、鈴鹿の街を花で一杯にしたいという思いから『鈴花』と名付けました。
花は人を元気にすると思っていて、それとプラスアルファで私は保育士をしていたのですが、子どもたちに支援することを保育士という立場を使うのでなく、保育園以外でも保育士として子育て支援ができるのではないかと思い、花を使って子どもたちの支援をしていきたいと思っています。
まちぐるみで花を生かしていくということ。
コンセプトとしては『一人一花運動』を推進しています。
人と同じく、お花も一つとして同じものはありません。
一人が一鉢植えていくことをしたいと思ったのがきっかけです。
お花屋さんに勤めていた経験から、花が癒やされるもの、自分に元気を与えてくれるものという実感したので、同じく他の人にも元気を与えることができるんじゃないかと、お花に携わるようになりました。

 

との関わりが薄くなっているからこそ『フラワースマイルプロジェクト』

コロナになって余計そうですが、『人との関わり』がとても希薄になってきていると思います。
イベントもほとんどなくなり、子どもたちが外にいないような、異様な状況になっています。
その中でできる活動がないかなと絶え間なく考えていて、今回『フラワースマイルプロジェクト』というのを夏に開催しました。
鈴鹿市在住の小学生に向けて、お花と笑顔の絵をテーマにポスターを募集しました。
チラシを配ったところ408枚集まりました。
一人ひとりぜんぜん違う笑顔と、花の絵を応募してくれました。
コロナ禍でもこうして、一人ひとりが絵をシェアすることで、みんなががんばっているということもシェアできたのではないかなと思います。
今までだったらポスター展示で発表会をしていたと思うのですが、今回はコロナ禍で展示会ができるかどうか難しかったこともあったので、それも含めてYouTubeで動画を作りました。
それで408枚を2秒ずつ、全部で15分くらいで一人ひとりの作品を見せる発表会をしました。
兄弟やおじいちゃんおばあちゃんなど、オンラインならみんなで見ることができます。
お母さんからURLを教えてもらってみたおばあちゃんから、「見たよ、上手に描けているね」と声をかけてもらったとか。
あとは参加賞を全員に配ったところ、それをもらえたというのがみんなにとっても嬉しかったという声ももらいました。
あとは鈴鹿市内で協力してもらったお花屋さんの名前の賞を作ったんです。
全部で16あるのですが、それが当たった子の自信につながったと聞いて、嬉しく思っています。

 

代を超えた人たちと芋ほりやガーデン作りを行う

自分が生まれ育った鈴鹿という場所に対して、子どもたちが元気じゃないと明るい未来が想像できないので、子どもたちが、
「俺たち子どもの頃こんなことやって楽しかったよなあ!」
「俺らもみんなでやっていこうよ!」
というのは、やはり経験ありきだと思うので、鈴鹿の街を花でいっぱいにすることや、子ども同士で交流する場を作ったりしています。
子どもだけではなく、地域全体…おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん…みんないっしょ。
結局子どもを支援するということは、父母につながって、そこから祖父母にという、世代を超えたつながりがあると思うので、あるイベントを開催するときに、おじいちゃんもおばあちゃんも来られるよとなれば、私も行っていいのかとなりますよね。
去年は焼き芋大会をしました。
芋の苗を植えて、それを育てて。
今の世代のお父さんお母さんは、小さな頃はやったことはあっても、大人になってからはおじいさんおばあさんに任していて、実際にすることはあまりないんですよね。
子どもたちがイベントで焼き芋大会しようとなれば、お父さんお母さんもドロドロになるまでやってくれます。
そういう姿ってなかなか子どもたちは見られないと思います。
どんなテーマパークに行くより、子どもの頃の思い出って、そっちのほうが大切だと思います。
一緒に作って食べるとか…そういう体験があれば心が豊かに育つのではないかと…大事なことだと思います。

 

育て真っ只中だから共感できることがたくさんあった

子育てがまだ一段落したわけではなく、まさに大変な最中なんですが、だからこそ同じ境遇のお母さんと一緒に寄り添うことができます。
「今大変だよね、オンライン授業もしているけどさ」
など、共感できる世代でもあります。
私たちも、今やりたいことを一段落してからにしようよ、ではなく、今やりたいのだから、今がんばろうと。
一人がすべてをするのではなく、みんなで連携して時間や役割を分担して協力し合う。
それが団体の良いところだと思います。
大変なことはありますが、いつ何が起こるかわかりません。
コロナの前だったら想定できなかったと思います。
状況ではなく、どうしたらコロナ禍の中でもやっていけるのかを考えるようにしています。
それでもやれることは充分にあると思います。
これからのこととしては、普段の活動はもちろん、第2日曜日を『鈴花の日』と設定していて、その日はなにかしらイベントを開催しています。
ホームページを見ていただけるとわかります。
今回は『フードパントリー』という形で、ひとり親家庭や子育て世代など食品配布が行き届かないところに届けるという活動を初めて行います。
『鈴花』だから花のことだけというのではなく、子育てしているみなさんに、必要なことを届けていけたらいいなと思っています。

コミュニティって人が会うだけではなく、声を掛け合うという根本的だと思います。
誰かが誰かを思うことでつながっている気がします。