今回は玉城町にある『紙の昆虫館』館長・見並俊博さんがお客様です。
見並さんが経営している梨の直売所の中に昆虫館があり、紙で作った昆虫たちが1500種類以上展示されています。
紙
きりを始めて50年。実物大の昆虫を作っている
基本的には立体で実物大で本物そっくりに作っています。
特に昆虫館に行って、実物を見ます。
実物を見ると厚さとか格好とかわかるので、それで実物をじっくりと見て作ります。
はじめたのは20歳から。
最初は芸人さんがよくやる『紙きり』をやっていたのですが、ウチが果樹園なので、昆虫がたくさんいるんです。
そこで昆虫が面白いな、と。
昆虫の良いところはまず、種類が多い。
一番の肝心なところは実物大でできるのと、色が美しい。
それで昆虫に興味を持って、紙で昆虫を作るようになりました。
なるべく小さいものにも挑戦しようということで、アリまでは作ることができるようになりました。
見た瞬間にハサミを入れます。
ハサミは家にあるし、紙もいくらでもあるので、一番ラクでした。
最初の紙切れから初めて50年。
昆虫になってから40年ですね。
蝶
々は30秒、トンボは1分で完成
平面だと、蝶だと30秒、クワガタで1分で切ることができます。
立体となると蝶で1時間から1時間半という時間になってきます。
アリなど一番小さい昆虫がい一番時間がかかります。
ただ、紙が問題です。
普通の昆虫は色画用紙を切りますが、小さいものは折り紙用の薄い紙を使って切ります。
足が1mm以下と細いのでハサミを入れるためです。
大きいものから小さいものまで、裁ちばさみ1本で作ります。
作品ができ、だんだんレベルアップするごとに昆虫も綺麗になってきたので、昆虫館を作ってみんなに見てもらおうかなとなりました。
梨の直売所ができたときに、半分を直売所、半分を昆虫館にしました。
35年くらいになりますかね。
本物と間違うというか、だいたい2m離れると本物と間違えます。
最初は標本のように針で刺して…と思ったんですけど、やっぱり偽物でも針でさすと死ぬという感じになるのは嫌なので、針はやめました。
い
ろいろな場所に展示に行っている
一番遠いところは北海道。
教えるのと展示ですね。
名古屋の三越も行きました。
このあたりもだいたい行っています。
鳥羽水族館とか。
最初から先生がいなかったので、自分でやってきたので教えるのが下手です。
基本的には作って、それでやっていきます。
そうじゃないとなかなかできません。
昆虫は左右対称ですから、半分に折って切っていく…これが基本です。
親
子教室では子どもの横顔をお母さんに切ってもらう。とても上手
最初はいいんだけど、最終的には線を頼りにしません。
線が書いてあったらそのとおりに切れば良いから、必ずうまくできます。
でも、何もないと、どこが良くて良くないのかがわかるので、こちらも教えやすいんです。
集中力も付きます。
作るときは、みんながシーンとなるんですよ。
面白いのは、子どもたちに教えているのに、お母さんたちが集中していること。
紙きりは親子で来てもらうのが一番良いです。
最後に子どもの横顔を親に切ってもらうんです。
上手に切れるもんです。
そうすると今度は、子どもも親の横顔を切らせてと言ってくるんです。
会話ができる。
そんなんが面白いし、勉強になります。
最初はお母さんは無理だと言うんだけど、一生懸命切って、上手にできます。
子どもも上手だけど、お母さんも上手。
子どものを見ているからかなあ。
10人切っても、10人、みんな似ています。
どこか特徴を捉えていて、似ていますね。
いつかは絵を描きたいと思っています、昆虫で。
景色にするか人物にするか、どうかわからないけど。
最後に都会で個展をしたいと思っています。