FM三重『ウィークエンドカフェ』2021年10月9日放送

今回は玉城町にある『紙の昆虫館』館長・見並俊博さんがお客様です。
見並さんが経営している梨の直売所の中に昆虫館があり、紙で作った昆虫たちが1500種類以上展示されています。

きりを始めて50年。実物大の昆虫を作っている

基本的には立体で実物大で本物そっくりに作っています。
特に昆虫館に行って、実物を見ます。
実物を見ると厚さとか格好とかわかるので、それで実物をじっくりと見て作ります。
はじめたのは20歳から。
最初は芸人さんがよくやる『紙きり』をやっていたのですが、ウチが果樹園なので、昆虫がたくさんいるんです。
そこで昆虫が面白いな、と。
昆虫の良いところはまず、種類が多い。
一番の肝心なところは実物大でできるのと、色が美しい。
それで昆虫に興味を持って、紙で昆虫を作るようになりました。
なるべく小さいものにも挑戦しようということで、アリまでは作ることができるようになりました。
見た瞬間にハサミを入れます。
ハサミは家にあるし、紙もいくらでもあるので、一番ラクでした。
最初の紙切れから初めて50年。
昆虫になってから40年ですね。

 

々は30秒、トンボは1分で完成

平面だと、蝶だと30秒、クワガタで1分で切ることができます。
立体となると蝶で1時間から1時間半という時間になってきます。
アリなど一番小さい昆虫がい一番時間がかかります。
ただ、紙が問題です。
普通の昆虫は色画用紙を切りますが、小さいものは折り紙用の薄い紙を使って切ります。
足が1mm以下と細いのでハサミを入れるためです。
大きいものから小さいものまで、裁ちばさみ1本で作ります。
作品ができ、だんだんレベルアップするごとに昆虫も綺麗になってきたので、昆虫館を作ってみんなに見てもらおうかなとなりました。
梨の直売所ができたときに、半分を直売所、半分を昆虫館にしました。
35年くらいになりますかね。
本物と間違うというか、だいたい2m離れると本物と間違えます。
最初は標本のように針で刺して…と思ったんですけど、やっぱり偽物でも針でさすと死ぬという感じになるのは嫌なので、針はやめました。

 

ろいろな場所に展示に行っている

一番遠いところは北海道。
教えるのと展示ですね。
名古屋の三越も行きました。
このあたりもだいたい行っています。
鳥羽水族館とか。
最初から先生がいなかったので、自分でやってきたので教えるのが下手です。
基本的には作って、それでやっていきます。
そうじゃないとなかなかできません。
昆虫は左右対称ですから、半分に折って切っていく…これが基本です。

 

子教室では子どもの横顔をお母さんに切ってもらう。とても上手

最初はいいんだけど、最終的には線を頼りにしません。
線が書いてあったらそのとおりに切れば良いから、必ずうまくできます。
でも、何もないと、どこが良くて良くないのかがわかるので、こちらも教えやすいんです。
集中力も付きます。
作るときは、みんながシーンとなるんですよ。
面白いのは、子どもたちに教えているのに、お母さんたちが集中していること。
紙きりは親子で来てもらうのが一番良いです。
最後に子どもの横顔を親に切ってもらうんです。
上手に切れるもんです。
そうすると今度は、子どもも親の横顔を切らせてと言ってくるんです。
会話ができる。
そんなんが面白いし、勉強になります。
最初はお母さんは無理だと言うんだけど、一生懸命切って、上手にできます。
子どもも上手だけど、お母さんも上手。
子どものを見ているからかなあ。
10人切っても、10人、みんな似ています。
どこか特徴を捉えていて、似ていますね。

いつかは絵を描きたいと思っています、昆虫で。
景色にするか人物にするか、どうかわからないけど。
最後に都会で個展をしたいと思っています。