開館15周年記念企画展「未来へ~子どもたちと伝える熊野古道」

■内容

開催期間 企画展示室:令和3年12月18日(土)~令和4年1月30日(日)、特別展示室:令和3年12月4日(土)~令和4年1月16日(日)
休館期間 12月31日、1月1日
開催場所 企画展示室・特別展示室
入場料 入場無料

 2004年7月7日、三重県を通る熊野古道伊勢路が「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録され、17年が経ちました。
 伊勢から熊野三山を目指し、多くの人が歩いたこの道は熊野古道伊勢路である以前から、地域の人々の生活の道でもありました。年間降水量約3000ミリと雨の多い東紀州地域では、地域と地域を結ぶ大切な道が激しい雨で崩れないよう住民が石を敷き詰めて頑丈な石畳道をつくりました。この石畳道が奈良県や和歌山県の道の性質と異なる伊勢路の特徴です。また、紀州徳川家による大規模な道の整備が行われて数百年、現在も往時のまま良好な状態で維持されています。古くから多くの人々や文化が行き交い、その上でこの地域の文化が育まれてきました。これは世界遺産登録の基準にもなった文化的景観の一つで、これからも守り続けていかなければならない地域の宝です。
 そして、2009年2月10日、世界遺産としての熊野古道伊勢路を守り伝えていっていただく多くの地域の人たちの活動拠点として利用していただくとともに、熊野古道を訪れる人々に情報発信していく拠点として、伊勢路の中心となるここ尾鷲市に、熊野古道センターは誕生しました。
 開館15周年を迎える今年度、当センターでは、世界遺産を人類共通の宝として将来にわたって守り、次の世代へ引き継いでいくため、これからの遺産保護の担い手となる子どもたちに、熊野古道伊勢路の価値を理解していただく取り組みとして、学習会やワークショップなどを開催します。そして、多くの人にその価値を伝えるため、これらの取り組みの成果発表として子どもたちが考え協力しあって制作した作品を展示紹介します。
 子どもたちの自由で表現豊かな作品を通して、熊野古道伊勢路の魅力を感じていただくとともに、当センターの活用について考えていただくきっかけづくりとなることを期待いたします。