三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2022年1月16日

地域共生社会をテーマとし、障がい者の社会的な役割や価値を創出する場所としてのSHOPとCAFEの運営を開始!
「実践を通じた障がい者雇用モデルの創出」「福祉事業所の作品展示・発信・販売」「県内・市内企業への障がい者雇用への取組の拡大と理解促進」を主に定期的にイベントなども開催していきます!

鳥羽市松尾町。
近鉄・松尾駅から徒歩数分、第二伊勢道路、鳥羽南・白木ICを出てすぐ。
2021年にオープンしたばかりの、コンテナを利用した白いお店『IPPO(いっぽ)カフェ』です。
こちらはいったい、どんなお店なんでしょうか。

 

「障がいのある方の就労支援の会社で『五っぽ』という会社がしているカフェになります。
最初はみんなドリップも初めてだったので、まったくできなかったりお湯をこぼしたり、ぬるかったりと失敗はありましたが、自分なりに一生懸命毎日努力してくれて。
いまはもう立派に、一人でやってくれています」

と、障がい福祉サービス多機能型事業所『五っぽ』の岩崎悦子さん。

 

伊勢市内の『なかむら珈房』でブレンドした『五っぽ』オリジナルの豆を使用し、鳥羽市内の数店舗からスイーツを仕入れてカフェで提供するなど、メニューにもこだわりが。
日替わりで様々なスイーツを楽しむことができます。

 

『IPPO オリジナルブレンドコーヒー(HOT)』はレギュラーで400円。
この日のスイーツ『マラサダ』は220円。
マラサダはさっぱりしたドーナッツのような味わいでコーヒーに良く合います!

 

『IPPOカフェ』をはじめ、『障がい福祉サービス多機能型事業所 五っぽ』を運営する『株式会社アスリードプラス』の谷水洋介さん。

福祉施設で、このようにおしゃれな外観は珍しいですよね。
なにか考えがあってのことなのでしょうか?

「福祉サービスというのは、どうしても暗いイメージがありがちです。
そういったマイナスイメージをプラスに転換し、明るくおしゃれにしたかったので、このような外観にしました」

 

「道沿いから作業している姿が見えるのも、その一環です。
障がい者の方が仕事をしたり暮らしている場所は、人里離れた所という先入観があります。
しかしそれでは共生社会を目指していくことができないので、そういう部分も解消するために、あえて見える場所に作りました」

と、谷水さん。

 

『IPPO WORKPLACE ANTENNASHOP&CAFÉ(いっぽ ワークプレイス・アンテナショップ&カフェ)』は、障がいのある人たちが就労訓練する作業場と作業場で作られた商品を展示・販売するアンテナショップ。
建物自体がアンテナショップにいて、半分は障がい者の方たちがを仕事をするスペース。
もう半分のスペースで、作ったものを展示・販売しています。

 

販売しているのは『さをり織り』のコースターやランチョンマット、カバンなど。
さをり織りは織り図がなく、色や織り方、素材等に制約がないため、均一性やパターン化から抜け出した自由な発想の織物です。

「こういう色合いで作って欲しいっていう注文があれば、利用者さんが丁寧に一つ一つ織っていきます」

と、谷水さん。

 

利用者である野村浩志さんが描く絵がカラフルでとても良いと好評で、それらをデザインしたカバンやエプロン、マスク等の商品も製作、販売しています。

 

谷水さんはもともと鳥羽市社会福祉協議会の職員で、社会福祉士。
閉所が決まった就労継続支援B型事業所を引き継ぐ形で独立、2019年『株式会社アスリードプラス』を設立し、障がい福祉サービス事業や、余暇支援事業、企画・スポーツ事業の3つの事業を軸に、障がい者と健常者の共生を目指し、活動を進めてきました。
そして2021年、更なるチャレンジとして、『IPPO WORKPLACE ANTENNASHOP&CAFÉ』をオープンさせました。

 

『障がい福祉サービス多機能事業所 五っぽ』。
作業場での1日は、朝礼から始まり、掃除ももちろん自分たちで。
できることはなるべく利用者さんにやってもらうのがこちらのモットーです。

 

障がい者の方のイメージを一般の方にも少し変えてもらうべく、髪の毛や身だしなみを整えることも重要です。
利用者さん自身も、鏡を見る回数が増えてきたということです。

 

一人一人の「出来ること」を伸ばし、「見てもらうこと」で価値のある社会的な役割を得る、それが『五っぽ(いっぽ)』の目指す姿。

「見られることに対して、今までは『嫌だな』とか『恥ずかしいな』という気持ちがあったと思いますが、見られることで『すごいね』と評価してもらえるんです。
評価してもらったことで嬉しい気持ちになって、もっと頑張ろうという意欲にも繋がるので、そういった部分も意識してもらっています」

 

こちらはさをり織りの作業中の利用者さん。

「完成するとカバンやコースター、ランチョンマットになります。
一般のお客様の他、ホテルの方でランチョンマットの注文をいただいています」

と、『五っぽ』の濱田さん。

「人気があると知り、うれしいです」

と、利用者の中村さん。

 

作業所の隣のカフェにはお客さんが来ていました。

「こちらには時々来ています。
本を読んだりするのにちょうど良い感じです」

「昨日・今日の2日続けて寄らせてもらっています。
旅行でこちらに来たのですがおしゃれなカフェやなと思って寄らせてもらいました。
コーヒーも美味しくて、障がい者の人がしていると知ったので、広げるのに協力しようと思い、2回お邪魔させてもらいました」

 

また五っぽでは、鳥羽市内5ヶ所に自動販売機を設置。
飲み物や自分たちの作品も販売しています。
その補給や管理も利用者さんが中心となって行い、外に出て働いてもらう機会を積極的に増やして、社会との接点をつくっています。

「事業所を目立つ場所に作ったことで、障がい者の方たちがどんなふうに仕事をして、どんなものを作っているかを知ってもらえたことはとても大きいです。
手に取って、良いものとわかると買ってくださる方もたくさんいます。
買ってもらえることがみなさんの給料に繋がるので、とても手ごたえを感じています。

今後の課題としては、僕はみなさんの強みや特化した部分を地域に見せたいので、事業所の中でお仕事をするだけではなく、地域に出て仕事をしてもらう機会をつくりたいと思っています。
農園さんで畑の仕事をする、牡蠣業者さんに直接行ってお仕事をさせてもらう…外にどんどん出ていけるような販路を作っていくことを心がけていきたいですね」

と、谷水さん。

まずは1杯のコーヒーからスタートしませんか!?
『PPO WORKPLACE ANTENNA SHOP/IPPO Cafe』でお待ちしています!

 

障がい福祉サービス多機能型事業所『五っぽ(いっぽ)』
三重県鳥羽市松尾町937-34
0599-26-6878
FAX:0599-26-6886