三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2022年1月23日

『おわせむかい農園』は代表をつとめる岡文彦さんが中心となって、自分が育った向井地区で農業をやろうと2018年にオープン!
20品種300鉢もあるブルーベリーや、オリーブ・アボカドが育っているほか、大根の生産、そしてかつて甘夏の生産地であったここには、甘夏の木がそのまま残っています
また今話題の柑橘類・フィンガーライムの生産なども!
オンシーズンになるとブルーベリー狩りや、コンテナカフェを営業する一方で、生産した農産物を加工し、向井地区でしか収穫されない青唐辛子「虎の尾」を使った醤油(しょうゆ)などを販売しています
『おわせむかい農園』のすぐ近くには『夢古道おわせ』があり、現在連携を取りながら収穫された農産物を使った新しい商品開発などに取り組み中です!

こちらは尾鷲を代表するお立ち寄りスポット『夢古道おわせ』。
新型コロナウイルス感染拡大の影響からお休みをしていたお母ちゃんのランチバイキングも昨年11月から営業再開、かつてのにぎわいを取り戻しつつあります。

※現在休止中の可能性あり

 

ランチバイキングの定番カレーコーナーに尾鷲・向井地域で採れた『虎の尾』が使われているとか。
虎の尾ッポに似ていることから『虎の尾』という名前が付いた尾鷲特産の唐辛。
実は向井地区でしか生産されていない激レアかつ激辛なトンガラシなんです!

 

辛い…入れ過ぎ注意ですね。
後からカーッとやってきます
後を引き、そして喉に来る、気持ちいい痛みです。

 

その『虎の尾』をはじめ、ブルーベリーやフィンガーライムという柑橘類を作っているのが、こちら『おわせむかい農園』。
コンテナハウスなどがあり、おしゃれな雰囲気です!

 

『おわせむかい農園』の笠松千恵子さん。

「『おわせむかい農園』では『ブルーベリー農園』もしていまして、こちらはそこに併設された農園カフェになります。
ブルーベリーをスムージやアイスクリームにして提供していますが、今シーズンのブルーベリーはもう終わってますので、今はお休みとなっています」

 

営業再開は、6月初旬頃を予定。
時期が来ればおいしいブルーベリースムージーなどをいただけます!

 

ブルーベリー農園で、代表の岡文彦さんにお話を伺いました。
『おわせむかい農園』では、ブルーベリーとともに、オリーブやアボカドも栽培しています。

「今は終わっていますが、300本のブルーベリー育てています。
品種としては25種類。
大きさや味、実がなる時期が違います。
6月の中頃から実がなりだしますが、ちょっとずつ時期をずらした品種を育てています」

 

「ここは昔、甘夏を栽培していた場所ですが、お借りしたときは草ばかりの荒れた状態となっていました。
草刈りをしたところ石垣が見えてきたので、石垣を残してブルーベリー農園を作りました。
石垣を残したままのブルーベリー農園は、全国でも珍しいと思います」

 

石垣の残る農園では、オリーブも育てられています。
こちらはアボカトの木。
1個だけ、まだ実が残っていました!

 

そして少し離れたところにあるハウスでは、まだ日本では珍しい『フィンガーライム』という果実が育てられていました。

「フィンガーライムはオーストラリア原産の債務の一種です。
種類によって違いますが、完熟になって赤くなるもの、茶色くなるもの、黄色くなるのものなど、いろいろあります」

 

なかから色鮮やかな果実が。
フルーツの宝石と呼ばれる由縁です。
粒状の果肉とその食感から『キャビア・ライム』とも呼ばれています。

 

育てているものはおしゃれなものだけではなく、しっかりとした大根も!

さまざまな農作物を育てている『おわせむかい農園』ですが、農業をはじめたのは今から4年前、2018年のこと。
それまで岡さんは火力発電所に関わる会社を経営してきました。

「今まで続けてきたことと、新たに違うことに挑戦するというためらいはありましたが、みんなに相談した結果、地元に残って自然を生かした仕事をやろうと、農業をやることをを決めました。
農業の経験はまったくなく、イチからというよりも、ゼロからでした。
しかし、地元に残ろうと思ったとき、尾鷲には工場などがなく、農業・山・海しかないんです。
僕が生まれ育ったのはこの向井地区なので、残された自然を生かし、先代の人々がやってきたことを新たに復活させようと思い、はじめました」

と、岡さん。

「ブルーベリー農園ということでワクワクしながら来たのですが、社長につれてきてもらったこの場所、私の背丈よりも高いもう雑木がたくさん生えてたので、ちょっとひっくり返りました。
こんなところでできるのかと思ってすごくびっくりしました」

と、笠松さん。

 

岡さんは開業するにあたって、すぐ近くの『夢古道おわせ』の伊東将志さんに相談しました。

「向井地区での新しい動きということ、基本的には大歓迎です。
『素晴らしいですね』という話を最初にしました。
僕たちが十数年やってきたところと、とても近いので、何らかの形で一緒にやっていきたいという話がありました。
話をお聞きして、僕が何かお手伝いできることありますか…というようになりました」

 

地域に根ざした連携から、さまざまな商品が誕生。
先ほど紹介した大根は、昔から地域で食べられてきた『こまこいたくあん』として加工され、夢古道おわせでも販売。
また地元の特産である虎の尾を使った『虎の尾醤油』も開発。
手軽に尾鷲の食の文化を味わっていただけるように工夫しました。

 

さらにステーキにはフィンガーライム。
お肉はもちろん、魚料理、お刺身など、どんな料理にも合うそうです。

 

まだ商売として順調とはいえないそうですが、ひとつ、またひとつと、『おわせむかい農園』は、着実に地域に根ざした成果を実らせつつあります。

「やっぱり尾鷲の良さを知っていただきたいです。
ここに来て地元の人たちと触れ合って、美味しいものを食べれば、ほとんどの人がまた来たいと思ってくれるはずです。
そのために、この場所に来てもらうということをまずはしなければと思っています。
農業をやりながら、体験型の農業もしくは、いろいろな体験をすることができる場所を作っていきたいですね」

と、岡さん。

『おわせむかい農園』、今シーズンの予定は、ホームページでご確認ください。