三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2022年4月3日

四季折々の自然の移ろいが楽しめ、尾鷲市のシンボル的存在でもある『中村山(中村山公園)』。
この中村山の景観を次の世代に伝えていこうと、除草や雑木の伐採等、整備・保全に取り組む『中村山再生外プロジェクト』の活動を紹介します!
3月7日には中村山に隣接する尾鷲小学校の6年生の児童たちが、メンバーのサポートのもと、卒業記念行事として桜の植樹を行いました!

こちらに見えるのは、尾鷲市立天文科学館がある中村山(なかむらやま)。
標高わずか50m。 桜の名所として有名です。
その他にも四季折々の自然楽しむことが出来、尾鷲の子どもたちの遠足のスポットとして親しまれています。

 

ふるさとの山、中村山を市民の憩いの場所として守っていきたい。
そんな思いから、一帯の除草、枯れ木の撤去、植樹等、保全・整備活動に取り組んできたのが、『中村山再生外(そと)プロジェクト』のみなさん。
発足したのは2018年で、メンバーは現在15名。
月に1回程度集まって、活動しています。

 

中村山の麓にある、中央公民館の前にやってきました。
すでに駐車場には沢山の人が集まっていますね。
みなさん、プロジェクトのメンバーのようです。
今日はどんな活動をするのでしょうか。

 

「今日は、尾鷲小学校の6年生の方々の卒業記念で、中村山に桜の植樹を行うので、そのお手伝いをします」

と、『中村山再生外プロジェクト』の代表、可知景子さん。

「6年生2クラス、約80人くらいです。
僕たちが前もって穴を掘っておき、そこに児童たちに苗木を植えてもらって肥料と水やりをしてもらいます。
コロナ禍で例年のような思い出作りが少なかったかと思います。
卒業遠足も中止になってしまったそうなので、これがそれに代わって良い思い出になってほしいですね」

と、内山蒋文さん。

 

標高50メートルの中村山は、気軽な散歩コースです。
メンバーは、そのほとんどが尾鷲市在住のボランティア。
この日は、『尾鷲 藪漕(やぶこぎ)隊』という、トレイルコースを整備する団体も参加しています。

 

頂上に到着。
クマノザクラとヤマザクラの苗木、合わせて20本を植樹します。
そのため、穴も20個掘ります。
苗木は、活動支援として尾鷲ロータリークラブから寄付を受けました。

 

準備を済ませた頃、小学生たちが集合しました。
中村山は、尾鷲小学校を始め周辺住民の津波避難場所ともなっているので、児童たちにとっても馴染みの山なんですね。

 

代表の可知さんからの挨拶、樹木医の小倉光善さんから植樹の手順の説明ののち、植樹作業が行われます。

 

各班に分かれて、作業開始。
みんな苗木を植えるのは初めての体験。
とまどいつつも、懸命に作業を進めていきます。

 

子どもたちにとっては遠足などで親しんできた中村山。
そのふるさとの山に、今度は自分たちで植樹をし、次の時代のための景観を育てます。

 

土を入れて周りを固め、水をかけて、杭を打って、作業は完成!

 

「楽しい思い出になりました」

「元気に育って欲しいです」

「この先も私たちが植えた木が残っていくのが嬉しいなと思いました」

「何年か後の人らが見てくれるんだなと、嬉しい気持ちになりました」

と、参加した児童たち。

 

「一生懸命にやってくれて、良かったと思います。
大きくなって、花が咲いたのを早くこの子どもたちに見てもらいたいですね」

と、メンバーの内山佳和さん。

「高校を卒業するとみんな離れていきますので、もう一度戻って来た時にまた中村山にみんな遊びに来たり、また、結婚して子どもと一緒に中村山に遊びに来て、これはお母さんが植えた桜だよと言ってもらえるように育ってくれると嬉しいです」

と、石川郷子さん。

子どもたちが植えた桜は、5年後、10年後、どんな尾鷲の姿を見るのでしょうか。

「プロジェクトのきっかけは、前代表の方が、昔は賑わいを見せていた中村山を、また桜の名所として復活させたいという思いで始められたことです。
市民の方の憩いの場になるようにということで、毎月活動させていただいています。
夏場は、草を刈っても刈ってもすぐに茂ってきますが、綺麗になって見晴らしも良くなると、とても嬉しいです。
芝を貼った時は、昔に植えられていた木の根っこを除去するのに結構手間がかかって、大変でした。
けれど、以前よりも明るくなった、綺麗にしてくれているねという声をいただいたり、子どもさんが元気に遊んでいる姿を見ると、やっていてよかったと思います」

と、可知さん。

 

植樹が行われた日の午後も、メンバーのみなさんで整備作業。
絡まったツタや生い茂ったシダ等を取り除きます。
こつこつと定期的に、根気よくやることが大切なのです。
作業に使用するチェーンソーや草刈り機等も尾鷲ロータリークラブから提供を受けています。

 

「私は50年間、尾鷲にいませんでした。
戻ってきてこういう活動を行っている事を知り、一緒にさせてもらってから7年目になります。
自分の故郷は大事にしないといけない…今日参加してくれた子どもたちも、これから町を見直してくれるチャンスになるのかなと思います」

と、メンバーの楠裕次さん。

「どうしても生い茂ってくるので、間引きしないと薄暗い公園になってしまいます。
日当たりを良くしたり、手を入れたら入れただけ、結果が残りますから、やっていて楽しいです。
そんなにキツくもないですし、丁度いい散歩コースです。
そこにみんなで集えたらいいなという感じです」

と、メンバーの浜田哲さん。

 

「中村山は津波避難の時の、天然の避難タワーです。
これからも明るい場所に、大事な場所にしていきたいと考えています。
僕たちでこのプロジェクトが最後にならないように、今日参加してくれた子どもたちが、同じ思いをもって、いつかこの活動を手伝ってくれるようなことを夢見ています」

と、内山蒋文さん。

「2年前にも植えた桜と、今日植えた桜を、次の世代の方々が花見をして下さることを夢見ています。
桜の名所にふさわしいようにしていきたいですし、みなさんが楽しく遊んでもらえるような公園にしていきたいと思っています」

と、可知さん。

中村山再生外(そと)プロジェクト。
活動への参加も募集しています。
関心のある方はぜひご連絡を!