FM三重「ウィークエンドカフェ」2022年5月21日放送

四日市西部。
茶畑が広がる水沢地区に四日市市ふれあい牧場があります。
今回は、この牧場で働く鈴木龍さんがお客様。
自然あふれるこの場所で、子牛たちがすくすく育っています。

種類の動物、子牛がメインの牧場

四日市市ふれあい牧場は高台にあり、景色と景観がとても良いところです。
茶畑と知多半島も見渡しながら動物と触れ合っていただけます。
種類でいうとヤギ、羊、豚、エミュー、うさぎ、モルモット、それから牛…それからポニーもいるので8種類ですね。
メインが牛になっています。
離乳したばかりの子牛たちを預かって育てているので、ふれあいやすく、牛との距離が近い、0距離という感じですね。
こっちに出して遊ばせるので、匂いも嗅いで触ってみて、牛のことも知ってもらえるよう、牛メインでやっています。
仕組み自体は離乳した子牛たちを預かって、牛の保育園みたいな感じで。
それで種をつけて農家さんにお返しします。
農家さんに返したあと、その子が子どもを生んで、ミルクを出して、そして牛乳を出荷するという形になります。
離乳したばかりの一番小さい時期がとても大事で、たくさん食べさせて胃を大きく丈夫に育てることで、母牛になったときにたくさん食べてたくさんミルクを出せるよう、健康づくりをしています。

 

さな頃の搾乳体験など牛に触れ合ったことが今につながっている

小さな頃から小動物が大好きでペットを飼っていて、牧場にもよく行っていました。
北海道の大学に行っていて、その後御縁があって三重に来ました。
もっとここよりも規模が大きく、こっちの山もこっちの山も全部放牧場という感じ。
東京から出たときも、学ぶのであれば最先端の一番大きな規模のところに行きたいと思い、北海道に行きました。
一番最先端で学んで、農家さんにも行ってきました。
この仕事についたきっかけは牛からです。
牧場での搾乳体験やバター作り体験を小さな頃にしたときに、牛について興味が湧きました。
どうして草ばかり食べているのにこんなに大きくなるんだろう、とか、草を食べているだけなのに、どうしてこんなにミルクが出るんだろうとか。
とても興味が出て、勉強していようと思ったのが、最初のきっかけです。
迷うことなく、牛の専門を学び、牛とともに働いてみたいと思いました。
毎日餌をあげてフンの掃除をして、ミルクを絞って出荷して…というローテーションをする農家さんをしようとも思いましたが、人も好きで人と関わりたいということもあり、牛のことを学んだ分、牛のことを伝えながら人とも関わりたいと、観光牧場に興味を持ちました。

 

て方で性格が変わる。それぞれにかわいい

ふれあい牧場には現在、およそ80頭の牛がいます。
いろいろな酪農家さんから子牛ちゃんを預かっています。
酪農家さんによって、子牛の性格が全然違います。
おっとりしている子もいれば、とても気性が激しかったり、逆に怖がりだったり。
牛の性格って育て方によって変わってくるんです。
性格の遺伝はだいたい6%くらいしかなく、あとの95%くらいは育て方で性格が変わっていきます。
ですから子牛も性格がさまざまです。
そういうところが一番驚きました。
そこから先、1年ちょっとくらい預かるのですが、丈夫な牛を育てるというテーマがあります。
その中で人にも慣れてもらって、小さい子に触ってもらうことで、酪農家さんのもとに帰ったときに、丈夫で人に慣れた牛になってくれればと、日々お世話をしています。
遊び場を開放しているのですが、人に興味を持って近寄っていって鼻を近づけて触ってもらったり、2〜3ヶ月すると人に慣れてきますし、僕らも見てわかります。
それだけ触れ合ってもらっているんだな、と。
牛たちにとっても良い環境だと思います。

 

精込めた分だけ、いい牛に育つ

育てている牛に対して、がんばった分だけ返ってきます。
丹精込めた分だけ、健康で良い子に育ってくれますし、酪農家さんのところに帰ったときに、たくさんミルクを出してくれます。
本当に健康な牛の生育ができるので、そういった思いを伝えたいですね。
どういう風に牛乳が生産されて、その背景にどういう風な人たちが携わっているのか。
原点にこういうことがあって、どんどん育っていくという、一連の流れを知ってもらえたらと思います。
来てもらい間近で見て、知っていってほしいですね。

一生懸命餌をあげている人がいて、泥んこでお世話をしている人がいることを知らない方もたくさんいらっしゃるので、ふれあい牧場としてそういう思いをつなげていけたらな、と思います。