移動販売車で地元を巡り コミュニケーションで町をゲンキに!『まおちゃんのおつかい便』(ふれあい)

「ふれあい」Vol.37 2012年9月号

現役女子大生が軽トラを使った移動販売を起業。「やりたい仕事」を実現しながら、買い物に悩む地域のお年寄りの生活を支えています。
移動販売を始めたきっかけ、仕事のやりがいなど、仕事への熱い思いと地域への温かなまなざしをじっくりとお伺いすることができました。

東 真央さん

■自分の「やりたい仕事」で地域の力に

軽トラを使った移動販売を今年2月より始めました。
大学3年生になり就職活動を始めたのがきっかけです。
地元のコンビニでアルバイトを続ける中で接客業の楽しさを知りました。
将来、就く仕事として自分のやりたいことを考えた時、「お客さまに直接関わる仕事に就きたい」と思いました。
ところが接客業をしたくても企業や業種が正直ピンときません。
今にして思えば「やりたい仕事」よりも「入れる企業」を探していたのだと思います。

次第に「自分に合った仕事を自分で始めてみよう!」と思うようになり、日頃祖父母が買い物などに出かけることに苦労し、私がよく「おつかい」として送り迎えをしていたことが、移動販売を始める大きなきっかけとなりました。
祖父母と同じように困っている人がきっといる、そう考えた時、直接お客さまと関わりながらお役に立つことが出来る!そんな「移動販売」が受け入れられ、皆さんの力になれるんじゃないかと感じたのです。


■地域の皆さんとしっかりコミュニケーション

現在は食料品を中心に日用雑貨など約300アイテムを積み、一日20~30ヶ所を巡回しています。
仕入れは地元の方に協力をお願いし、惣菜や弁当などは知り合いの店に直接、お客さまの要望や声もいろいろお伝えしています。
最初の頃は何をどれぐらい仕入れれば良いのかも分からなかったものです。
ここまで来れたのも地元の方にも協力していただいたからです。

常連のお客さまには私の電話番号を伝えてあるので、通常扱っていない商品でも連絡をもらえば仕入れるようにしています。
さらに、最近では「うちの方にも来てくれへんの?」という要望をいただき、曜日毎に訪問ルートを変えています。
最初は、お店とお客さまという感じでしたが、最近では親戚のような情を感じています。
いつも顔を見せてくれる人が来ないと心配して家まで訪ねていくこともあるんですよ。
今では皆さんを家族のように親しく思え、「あんたが来てくれるから助かる」などと聞くと、やりがいを感じますね。
お客さまの近くへ出向き、顔を合わす。
この楽しみが大きいですね。


■家族の応援と地域とのふれあいを支えに

仕事は一人で出来ないことを実感しています。
この仕事を始めた時、社会人としての常識や心遣いを教えてくれた家族にも感謝していますし、今では何より日々、街角で私を待ってくれ声をかけてくださるお客さまに感謝しています。
モノの売り買いには当然、会話は必要ですが、顔を合わせる中で自分のゲンキを発信し、お客さまの望まれていることを感じる。
皆さんの家の軒先でそんなコミュニケーションを深めるうちに地域全体がゲンキになっていけば良いですね。皆さんが待ってくれている以上、これからも続け、もっと多くの人と関わっていきたいですね。
訪問ルートも紀伊長島だけでなく海山へも広げるなど、お客さまの満足をアップする工夫をしていきたいです。


**************************************************************

■インタビュー

◇買い物に出る手間が省けた

お客様 中川さん(大紀町在住)

いつも会社まで来てくれるので、1時間しかない昼休みに外へ買い物に出かける手間が省けとても助かっています。
今後もできるだけ利用したいと思っています。

◇魚市場のみんなで応援したい

お客様 東 広哉さん(紀伊長島区在住)
市場へ来てくれるので、便利です。
若い女性が頑張っているので、市場のみんなで応援しています。
今後は、弁当など手作りのもののレパートリーを増やしてもらえると嬉しいですね。

◇まおちゃんは癒しの存在

お客様 橋倉 太一さん(紀伊長島区在住)
いつも朝食をここで買っています。
魚市場ではみんな朝早くから働いているので、まおちゃんが直接販売に来てくれるのはありがたいですね。
また、市場は男ばかりの世界なので、まおちゃんは癒しの存在です。
今後も移動販売がどんどん大きくなって欲しいですね。

◇親子の様な親しみを感じる

お客様 奥川 純子さん(紀伊長島区在住)
商店が近くにないので、今まではスーパーに行った時に食料品など余分に買い込み、ムダにしてしまうことも多かったのですが、まおちゃんが来てくれるようになりムダが無くなり、経済的にも助かっています。
今ではまおちゃんと親しくなり、まるで親子のような感じ。
主人も来てくれるのを心待ちにしているんですよ。

◇お客様に喜ばれるものを

谷口 美奈子さん(仕入れ元の「山花灯」スタッフ)
惣菜、丼物、弁当などを納めています。
移動販売をまおちゃんがやると聞いてびっくりしました。
直接お客さまの顔が見えないので、まおちゃんから皆さんの声を聞かされると勉強になります。
今後もまおちゃんと相談しながら、お客さまに喜ばれるものを作っていきたいです。

◇楽しさとやりがいを感じる

仲本 あゆみさん(従業員の方)
ハローワークで従業員募集を見つけ、移動販売に興味を持ったので、今年の4月から働いています。
様々な人との出会いを通じて、常連さんの知り合いも増え、会話も楽しいのでやりがいを感じています。
これからもずっと続けていけられれば、いいなと思っています。