三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2012年09月16日放送

剣術の流派の源流のひとつ『愛洲影流』の始祖はなんと五ヶ所浦出身!
その功績をたたえ、後世に残そうとする『愛洲氏顕彰祭・剣祖祭』には、日本中から選りすぐりの剣士が集います!

南伊勢町『愛洲の館』の主である『愛洲移香斎久忠』は、今から560年ほど前の室町時代に五ヶ所浦に生を受け、剣術の源流を築いた剣術の始祖です。。
剣術がもっとも盛んだった江戸時代、600もの流派があったと言われ、その道筋を辿ると、3つの流派に集約されます。
そのひとつが愛洲移香斎が起こした『愛洲影流』なのです。


そんな愛洲氏の功績をたたえ、後世に伝えようとしているのが、『愛洲氏顕彰祭・剣祖祭実行委員会』のみなさん。

会長の城者勝さんにお話をうかがいました。

城者「剣祖・愛洲移香斎は、地元でもあまり知られていなかったのですが、古い文献を掘り起こしたところ、これは顕彰せねばと発足したのが始まりです。町おこしに繋がってほしいですね」

年に一度開催される『愛洲氏顕彰祭・剣祖祭』には日本全国から選りすぐりの剣士たちが集まり、厳かな空気の中、日々の鍛錬の技を披露します。


剣祖祭当日の朝。
会場となる愛洲の館に、剣士のみなさんがぞくぞくとやってきます。
この日、全国から駆けつけた剣士は130人。
地域を越え、流派を越えて、愛洲氏のもとへと集まったのです。


会場となるのは、愛洲の館の上にある中世の山城、五ヶ所城跡。
まずは厳かな式典と、南伊勢町の小山巧町長による挨拶。



奉納演武では、さまざまな流派の剣士が日頃の鍛錬の技を披露し、奉納します。
真剣を使った演武もあり、会場は緊張に包まれます。


最近では世代を越えて、ときには国境を越えての交流が進んでいます。
広く、人に楽しんでもらえる祭りへと発展しつつあるようです。


こちらは剣祖祭の会場に通じる『鍛錬の段』。
参加者は、この、急で長い階段を登ることになっているんだそう。
鍛錬の場であり、技を見せる場であり、そして剣祖を称える場。
敷居は決して高くありませんが、階段は高いのです!


一方、『愛洲の館』では、女性スタッフのみなさんが、ふるまいのそうめんの準備。
器の材料である竹は、地元の方が毎年山でが採ってきて、器の形に整え、食べやすく怪我をしないよう、削ってくれるのだそう。
地元の人の協力が大きいのですね。


お昼時は、演武を終えた剣士のみなさんと、一般の参加者で大賑わい。
スタッフのみなさんも大忙しです。

「毎年これが楽しみ!」
「これを食べに毎年来ているようなもの(笑)」

そうめんも毎年大人気なんですね。


午後は『愛洲の館』で、少年剣道大会。
地域の偉人を次の世代へ伝えていきたい、そして地域の活力にしていきたいという主催者の思いです。


剣祖祭実行委員会事務局長 中世古一芳さん

「全国各地からたくさんの剣士の方が奉納演舞をしにきてくださいます。
彼らのためにも、この地域の者が顕彰していかねばと思いますので、若い人に協力してもらい、もっとこの地域を活性化したいですね」


正泉寺元住職・愛洲氏の研究家 中世古祥道さん

「武術というものが十分でなかった時代にこれを切り開いた人・・・いわば道のないところへ道をつけ、そして自分の武術の体系を示されたというのが偉いと思います。
夢を見るだけなく、夢を切り開いていった方なんですよ」

夢を見るだけでなく、切り開く・・・・。
これが愛洲移香斎から現代へのメッセージです。