FM三重「ウィークエンドカフェ」2012年9月29日放送

今回のお客様は、大紀町野原で『NOSS』という健康づくり運動のインストラクターをされている、染川都子さん。
愛称は『いっちゃん』。
『NOSS』は日本舞踊の流れを組んだ体操なんだそうです。
今回は筋肉や姿勢について、お話をうかがいました。

■『NOSS』との出会い

私が『NOSS』を始めたのは3年前です。
それまでも日本舞踊を習っていたのですが、地域で踊る催しがあったりすると、
「ちょっといっちゃん教えてくれへん?」と言われるんですよ。

けれど私は家元でもないし、習った踊りなら教えられるんですが、「簡単な踊りを教えて」と言われても、創作するのはなかなか難しいんです。

さらにそれプラス、人に教えるということは、自分自身に資格がなかったら、「これでいいのかな?」と悩みますよね。
やっぱり教えるのには肩書きがいるんですよ。
今は一応『NOSS』のインストラクターなので、教える方もまあまあ自信があるし、教えられる側も「ああ、インストラクターさんなんやな」と安心してもらえますし。

ある日、新聞に、(日本舞踊の)西川流が体操を始めたと掲載されていまして、実はそれに飛びつきました(笑)
これだったら私もできるかな、と、なんの気兼ねもなく、すっと入って行けたんです。

『NOSS』とは『日本・踊り・スポーツ・サイエンス』をローマ字読みした時の頭文字。
元々の踊りは、名古屋踊りで有名な、日本舞踊の西川流家元の西川右近さんが考えられたものなんです。
そして健康体操ながら、『サイエンス』が入っているということは、科学も入っているんですね。
中京大学の体育学部部長の湯浅景元先生の検証を得て、この『NOSS』が作られたので、科学的な見地からも良くできているんでしょうね。


■『NOSS』で身体と気持ちを若く!

今は大紀町野原と阿曽、大台町栃原の3つの地域で教室を開講しています。
二胡が奏でる音楽にあわせゆっくりと体を動かして体操するんですよ。

栃原教室のメンバーは60歳前後。阿曽は、もうちょっとおねえさんですね。
逆に野原はもっと若い!現役で働いている人もいます。
その中で73~4歳の人がいらっしゃるのですが、この人はみんなの手本にしたい!
若いです、気持ちが!
飲み込みが早いし、頭の回転も良いんです!

これは意識の違いなんですね。

『NOSS』をするにあたって、「私も参加したいわ!」という人は腰や足が辛くても、前向きに取り組んでくれます。
でも、同じく声をかけても「もう私も年やもんなあ」という人もいるんですね。
「年やなあ」という人は、やっぱり弱っていきます。
あまりにも抵抗なしで、自分の年を受け入れ過ぎるんです。
本当はそこまで受け入れたらあかんのよ、と言いたいのですが、そこまでは立ち入れませんし、ましてや強制するものではないし。

『NOSS』は身体の中心の幹をとても大事にするので、自分で姿勢を正します。
ということは、他の関節とか、筋肉とか内臓とかを正常に動かすことができるということ。
逆に言うと、正常に動かすためには姿勢が良くなければいけません・・・ということを最初からだんだんと勉強して来ているわけです。

背骨ってS字型に曲がっているでしょ。
なぜS字型に曲がっているのかというと、身体にかかる色々な衝撃を分散するからなんですよ。
だから背筋がちゃんとしていると、膝や股関節や足首や腰などの負担が少なくなる。
ということは痛みも少なくなる。
腰痛が治ったって人もいますが、それには姿勢を正すとともに、腹筋や背筋がしっかりしてきたからなんです。

他にも例えば、膝が痛いという人は、年をとるにつれ、膝と膝の間の軟骨が磨り減ってきてしまったわけです。
なのでその痛みを減らすには、筋肉でしっかりと支えることが必要なんですよ。


■人間の体は鍛えれば応えてくれる!

人間の体は賢くできていて、鍛えればちゃんと応えてくれるんです。

でも人間ってどうしてもさぼってしまい、楽な方に行ってしまうでしょう?
姿勢を崩していると、自分は楽だけど、実は身体は楽じゃないんですよ。

筋肉について、よく、増やすとか減らすとか言うけども、筋肉自体の量は変わりません。
ただ、何もしないと筋肉が細くなって衰えてきます。
それをストレッチで柔らかくして、筋トレで鍛えることが必要なんです。
ストレッチは柔軟性を作り、関節の動けるところを大きくして可動域を増やします。

私も最初は、筋肉がどうの言われても「ふ~ん」みたいな感じだったんですが、『NOSS』をするにあたって、だんだん関心が出てきて。
今までは「あの人が膝が悪い」というのを聞いたら「え?何でだろ」と思っていたのが、『NOSS』を始めてからは、「ここ鍛えなあかん」と言ってあげられる。

それでもどうしても人間は楽してしまうので、『NOSS』に来た時だけでもちゃんとして、普段も「ちょっと足あげとこかな」とかしてくれると嬉しいですね。

あとはちょっと新しい動きを入れたりして、工夫しています。
『NOSS』自体は歌もあって変えられない上、動きが今のところ2種類なんですね。
なので、なんというかまあ、ずっと同じことをしていても飽きてくるというか(笑)
変化も欲しいので、準備体操に『花笠音頭』なんかを入れてみたりしています。

キレイに踊ろうと考える必要はありません。

意識して筋肉を動かす。
そうするとそこの筋力がアップする、アップするということは体温が上がる、体温が上がるということは免疫力が付く。
免疫力がつくということは病気になりにくい。
病院に行く事も少なくなり、町が元気になる!
そうすると自分も嬉しい!

この循環ができたら、素晴らしいですよね(笑)


■出会うことで仲間を見つけ、地域の輪を広げよう!

まずは外に出ないと!
出ることによっていろんなことを吸収できますよね。
そしてみんなのお話を聞くことによって、自分の話や考えが小さかったな、ということに気づきます。
そこで初めて世界が広がるんです!
そういう意味で、積極的に外に出て、同じ目的を持った仲間を見つけるのは、とても良いことだと思いますね。

私は、『NOSS』以外にも今もまだ踊りを続けているんです。
踊りは自分の元だと思っていますから。
『NOSS』をするにあたっての、自分の根本です。
だけど、今までは踊りのことだけ考えていれば良かったんですけど、おかげで、インストラクターをさしてもらっていると、「せっかく来てもらったんだから、楽しんでもらいたい!」と思うんですよ。

習っているだけの立場と覚えてもらう立場って、全然違うんですね。
だからこれからもいろんなことを知り、知識を得たいです。
そして参加してくれるメンバーの人たちにも、もっと楽しんで欲しいです。

10月は教室に通うメンバーさんたちのお披露目の機会もあるんですよ。
7日は栃原教室のみなさんが大台町生涯学習フェスティバルで、14日は野原と阿曽教室のみなさんが元気づくり大運動会で『NOSS』を披露します。

メンバーが楽しく参加することで、地域を盛り上げていけると嬉しいですね!