FM三重『ウィークエンドカフェ』2022年10月8日放送

明和町斎宮、伊勢街道沿い、竹神社の近くに『みのりや』というカフェが今年オープンしました。
神社をお参りしたあとくつろぎながら休憩ができる場所。
今回は『みのりや』のオーナー、秋山実愛さんがお客様です。

学館大学神道学科卒業、大学在学中から明和の活性化に関わった

もともとは大阪出身。
皇學館大学入学を機に伊勢に来まして、神道学科で学び、そこからずっと三重県です。
神職の道に進まずに、明和町の地域の活性化や地域との関わりを、学生の時から携わらせてもらって、卒業後も明和町で活動させてもらっています。
よく自分で言うのは、『なんちゃって神道学科卒』。
あまり神道のこととかも知らず、実家ももちろん神社ではありませんでした。
入学までお寺と神社の違いもわからないくらい、知らない世界に飛び込みました。
もともと日本の文化などには興味ありました。
まして『神道学科』は全国でも2ヶ所しかない珍しい学科だったので、それに惹かれて入学しました。
それこそ『古事記』とか、今までの学校で学んでこなかった歴史のこととかを学んだのと、神社や宮司さんのお仕事の内容とか…今まで知らない世界だったので、面白かったですね。

 

月会や竹神社の花手水、御朱印など地域も観光客も楽しめるように

今、取り組んでいることは、斎宮を訪れてから外宮、内宮へお参りをしてもらえるようになる仕組みづくり。
魅力あふれる場所になるように考えています。

竹神社さんは、地元の人が積極的にやってくれています。
お花とかもそうですし、土日に御朱印を頒布していたり、満月の夜に『満月参り』という特別なお参りを企画したり、地域の人がいろいろがんばってくれている神社となっています。
週末も賑やかになっていますが、取り組みとしては、まだ2年も経っていません。
去年1年間と今年と、1年間以上毎月『満月参り』を開催していますが、地域の人も「今日は満月会やなあ」と、言うような、満月の日には斎宮でなにかあるというイメージを持ってもらっています。
それから竹神社は花手水がとても人気で、そのお花も地域の方々から氏子さんたちがもらってきたものを生けているので、「私の庭で咲いてたお花を、こうして飾ってもらっているわ」という感じで、地域の人も何度も足を運んでくれるようになっています。
地域の人たちがあたたかい気持ちで関わってくれるのもそうなんですけど、週末になると県外からの観光の方が参拝に来てくれます。
名古屋や、それこそ東京からわざわざ、この竹神社に来てくれたり、伊勢神宮に行くまでにちょっと寄ってくれたり…少しずつお客さんが増えてきてくれるようになったので、とても嬉しいです。

 

革紙の御朱印帳!

『みのりや』が一つのメインになってくると思うのですが、竹神社と絡めて、観光をやっていくというのが、一番の取り組みです。
それに付随して、いろいろなイベントや企画を考えたり情報発信をしたりというのと、あともう一つ、明和町の業者さんと協力して作った地域ブランドがあるのですが、それをしっかり販売していくということもやっています。
明和町というか伊勢街道沿いは、かつて江戸時代はここがとても主要な道路でした。
今では電車や車を使うので、なかなか通らない道ですが、江戸時代はこの目の前の道が主要道路だったので、お茶屋さんやお土産屋さんもあって、とても賑わっていたとされています。
そのときに『擬革紙』という伝統工芸品がありました。
和紙を加工して革製品のようにする技術が江戸時代に発展しまして、江戸時代のお伊勢参りの定番のお土産といえば、擬革紙を使ったタバコ(キセル)入れ。
大流行したのですが、昭和の時代に、その技術が一度途切れてしまいました。
ですが、その子孫の方が技術を復活させ、現在は『伊勢擬革紙』として、伝統工芸品に関わる、いろいろな活動をされています。
そこを踏まえて、擬革紙の御朱印帳など、もうちょっと手にとってもらいやすいような、製品を今、擬革紙のみなさんと考えているところです。

 

勢茶と甘味、松阪牛の佃煮のお茶漬けなどを販売

『みのりや』がオープンして3か月たちました。
街道沿いの古民家で神社の前ということで、お茶をお出ししたいと思いました。
伊勢茶ですね。
昔のお伊勢参りは、ここでお茶を飲んでいたんだろうな、と。
伊勢茶と甘味をメインにして、メニューとしつつ、地域の和菓子屋さん…もうちょっと奥に行ったところに『つしまや』さんとう和菓子屋さんがあるので、ここでお出しする和菓子を作ってもらったりだとか、伊勢茶をゆっくり楽しんでもらったり。
明和町は実は松阪牛も名産なので、松阪牛を使ったお茶漬けをお出ししはじめました。
明和町はお米も美味しい地域なので、そちらも使っています。
地域性に富んだメニューを考えています。
日本酒もそうですね。
今まで明和町に来た人は、日本酒を手軽に販売できるようあ場所がありませんでし。
『神都の祈り』という日本酒なんですけど。
ここなら外からの人にも目に留まりやすいので、買いやすくなっていると思います。
『神都の祈り』も体験プログラムを作りやすいコンテンツなので、一緒に作るツアーなども、今後考えていきたいですね。

明和町は、今から観光で活性化していく余白がある場所ですね。
いろいろなチャレンジをしやすいのが魅力的だと思います。