FM三重『ウィークエンドカフェ』2022年10月22日放送

津市香良洲町。静かな住宅街の中にハーブガーデンとかわいいお店があります。
『うさぎ専門店マシュ・マロウ』。
今回はオーナーの新井美奈さんがお客様です。

さぎのブリーダーとうさぎのお手入れの店

うさぎさんの新しい家族を迎えるお手伝いと販売…お譲りをさせていただいているのと、あとはケア。
ブラッシング、爪切り、飼育相談に力を入れています。
ペットとして19年前にミニウサギを迎え、それからうさぎの魅力にハマって、会社員をしながらうさぎを飼っていたのですが、けっこう介護が必要なんですね。
今はうさぎさんの世界も高齢化なので、介護が必要になってきて、会社員を続けていると家にいる時間が少なく、どうしようかなと思っていました。
今まで、ラビットショーに出るために、細々とショーブリードをしていたので、これを機にどっぷりうさぎさんとの生活にしようと思いまして、会社員をやめました。
私は『ミニレッキス』という種類のブリーダーなのですが、よりスタンダードに近いミニレッキスのブリードを細々と続けていき、うさぎちゃんのお譲りに関しても、どんどん買ってくださいというお店ではなく、本乙にウサギさんに興味を持って、しっかり勉強していただける飼い主さんのためにお譲りをしています。
ヨーロッパではこれがスタンダードなんですが、展示販売はしていません。
ホームページで気に入った子を見ていただいて、お会いしていただくというシステムとなっています。

 

さぎを飼うことのデメリットから伝えている

まずはデメリットからお話しています。
まず問い合わせいただくのは、「犬猫よりも簡単に飼えるか」ということ。
散歩に行かなくていい、鳴かない、猫のように家を傷つけない…など。
でも、まったく違っていて、鳴かないのは鳴かないですが、家をボロボロにする性質で、とにかく病気、病院にかかるのが犬や猫より多いです。
そしてふとしたことで命を落としやすい。
とても繊細な動物なので、そのあたりのデメリットからお話して、しっかりと飼育書を読んでいただいて、そこからお迎えに向かってお話させていただいているのが、このお店です。
うさぎさんはしつけは正直できません。
おトイレの悩みなどをみなさん持っていらっしゃって、いろいろ工夫をされている方はいますが、実際には、私もトイレトレーニングは推奨していません。
とにかく可愛がる。
うさぎさんは愛されるために生まれてきたと思っているので、可愛がっていただくよう、お願いしています。
日々のお世話はもちろんのこと、話しかけて、なでて。
抱っこは難しいのですが、抱っこについては『抱っこトレーニング』教室などもしていますので、とにかく『愛でる』ことをお願いしています。

 

墓に捨てられていた保護うさぎが店長

今、店長をしているうさぎさんは、生後半年のとき、真夏にお寺に捨てられていた子なんです。
ふとしたことから保護しまして、警察の保護期間を経て、ここで店長さんとしてみなさんに可愛がってもらっているうちに、おだやかで人の話を聞く良い子になりました。
最初は手を入れただけで、噛み付いてきたりしました。
とてもつらい目にあってきたんだと思います。
お客様の力でタンポポちゃん、ポポちゃんと声をかけてもらっているうちに、こんなに穏やかになりました。
最初は本当に、正直見た目もボロボロでした。
本当に激しい子でした。
トイレも破壊するし、そういうので飼うのが難しくなって捨てられたのでは、と思います。
推測ですけど。
私も毎日噛まれていました。
でも、うさぎさんはお客様のことも覚えるんですよ。
うさぎさんは3歳児くらいの知能があり、とても覚えます。
この人はいつも僕が好きな牧草を買ってくれる人だな、とか。
賢いです。

 

動的にウサギを飼う人が多い。最後まで看取ることを伝えている

うさぎを飼う人が多くなってきました。
そのため、保護犬や保護猫と同じように悲しい境遇になってしまううさぎも少なくありません。
今力を入れているのが、第二のタンポポちゃんを作らないということ。
来年は兎年です。
メディアなどで可愛いうさぎの姿だけを取り上げることが多くなり、そうすると衝動的にお迎えをされる方が増えます。
それを防ぐためにSNSなどを使って、うさぎさんを飼うのは大変だということ、でも大変の先に幸せがあるので、一緒にうさぎライフを送っていきましょうという活動をしています。
SNSだけでなく、学校などの教育現場にも呼びかけて、来年に向けてそのような話をする場を作っていただこうと、動き始めているところです。
悲しい兎年にしないために、ということで。
家族として迎え入れた以上、そして今のうさぎは10年以上生きることが多いので、最期まで看取ってほしいということ。
それから大変だということを承知でお迎えしてほしいです。
でも大変の先には、本当に幸せなことが待っているんです。

自分が良いと思っていることは曲げずにやってきているので、それに賛同してくださるお客様がとてもたくさんいるのが、励みとなっています。