FM三重『ウィークエンドカフェ』2022年11月5日放送

350年の伝統を誇る熊野大花火。
毎年8月17日、この花火を見ようと全国から人々が訪れます。
その花火大会も3年中止となりました。
しかし、多くの人の協力を得て今年は11月の金曜日、3回に分けて花火大会が行われています。
今回は『熊野市観光協会』会長であり、赤倉(あかぐら)地区であまごの養殖と民泊をしている中平孝之さんがお客様。
美しい水で育ったあまごの料理を楽しみに訪れるお客様。
そのあまごを育てる環境が、年々変わってきています。

番大変なのは花火業者さん。応援したい気持ちで花火大会を開催

いちばん大変なのが花火の業者さん。
3年間大会がないと、かなりの売上減になります。
伝統を残したいという思いと、地元の花火師さんを守りたい、応援したいという思いで私共が計画したというわけです。
市の方からもご協力いただき、予算もいただいて2回に渡って開催すると。
ウチとしても協会員である花火師さんを応援したいと同時に、350年続いている伝統ある花火大会をなんとか残していきたい。
その2つの思いで、今回開催することになりました。
地元の人を含めて、みなさん期待しておられるようです。
今回は15分という短い時間ですが、来年に向けて。
来年はなんとしてもやらないといけないので、その活力にしたいと思います。

 

温がコンマ7℃上がっている。昔は広葉樹があったが今の状況はよくない

だいたい川の水量が30%少なくなりましたし、水温が25年間でコンマ7℃上がっています。
ですから、低い水を好む魚たちにとっては住みにくい環境になっていますよね。
やはり山は広葉樹もないと良い水が出てきません。
戦後、広葉樹を全部伐採して、針葉樹に変えてしまったので山の保水力がなくなってしまいました。
水もとても少なくなっています。
ここで40年ほど経ちますが、30%ほど少なくなってしまいました。
その水が全部海に流れていっているということは、ここでコンマ7℃なら、海に行ったらもっと温度が上がっていっちゃうんですよね。
だから高水温で、海でも魚が獲れない状況になっています。
一次産業の人たちは誰しも同じですが、自然相手なので、人間の力でどうこうすることができません。
今の持続可能な開発目標は。まったくもって身に沁みて感じます。
昔の人たちはちゃんとそういう面を考えて木を植えていたし、伐採するにも計画的にしていたのだと思います。

 

があり山があり、川があり熊野は訪れるのに素晴らしいところ

海もあり、平野もあり山もあります。
三拍子揃っているので、観光に来ていただくには一番良い地域ではないかな、と私は思っています。
ここも熊野古道の伊勢道から本宮大社に向かう、本宮街道が通っていたんです。
そんなんで、祈りの道という感じだと思います。
自然信仰が残るのが熊野なので、信仰する対象が岩であったり滝であったり…。
熊野の比丘尼と言われる女性が教えを広げる中、伊勢神宮が150年くらい遷宮できない時代がありました。
それをなんとかしたいと浄財を集めて宇治橋の架替えなどをしたのが、熊野市出身の比丘尼、慶光院清順上人。
伊勢神宮の遷宮を復活させました。

 

然信仰が残る熊野

熊野の市街地から赤倉への道、御浜北山線は、七里御浜の獅子岩から熊野本宮へ向かう旧本宮道です。
江戸時代、祈りの道としてこの道も多くの人々が熊野三山を目指して歩いてきました。
その町で暮らしていることが私の誇りです。
赤倉神社は、参拝するのに下る神社なんです。
だいたい神社は上がって参拝するじゃないですか。
下って参拝する神社は、そこに祀られている神様が、「何人もいらっしゃい」という形で、大きく迎えてくれるということらしいです。
花の窟神社や産田神社など、日本のはじまりと言われる神社なので、本当にここから日本が始まっているので、私はそれを自慢したいと思います。
そのことも含めて、この懐の大きな熊野へお出かけいただけたらな、と思いますね。