FM三重『ウィークエンドカフェ』2022年11月19日放送

伊勢高柳商店街。
歴史は古く、大正時代に夏の夜店が始まりました。
今回のお客様は『伊勢高柳商店街振興組合』理事長の奥田宗吾さん。
伝統ある商店街のお話を伺います。

   左:奥田宗吾さん          右:大内茂郎さん

さ400mの商店街に20数店の店舗

ウチの商店街は全長400mありまして、全部の店舗が開くと、60店舗ほどの商店街ですが、残念ながら現状では25店舗ほどしか営業していません。
大正から始まっていた夜店ですが、当時はアーケードもありませんでしたし、道路も舗装されていない状態からスタートしました。
先輩方が知恵を絞りながらいろいろな企画を開催していただき、100回以上続いています。
全国的にも珍しいんじゃないかな、と思います。
おかげさまで、新しく3店舗ほど入っていただきました。
1店舗は『ぎょうざの美鈴』の冷凍餃子の販売所が、ウチの商店街に入っていただきました。
非常に人気のあるお店なので、毎日のように行列ができています。
もう1店舗は20代の若い男の子が経営している、スポーツ・フイットネスジム。
それから北海道出身の方にうちの商店街に入っていただき、配送センター兼民芸品やギフト関係の商品を販売しています。
その3店舗、比較的お若い方が経営者なので、ありがたいと思っています。
その一人が北海道出身ということもあり、おそらく全国で初めてかもしれない、大規模な『北海道フェア』をうちの商店街で企画することになりました。
有名デパートに出店されているような名店が13店ほど来てくれるということで、非常に期待しています。

 

食業にもチャレンジしたかった。北海道フェアができる?と聞かれたのが始まり

北海道出身で北海道フェアをサポートするのが『株式会社グラシャス』の大内茂郎さんです。
高柳商店街にお店を開き、商店街の活性化にも取り組んでいます。

大内 私、もともとは観光業でした。
観光客に対しての商売を今までしてきました。
三重県伊勢市に来て、住んでみると、いろいろなことを知ることができ、感じることができるというか。
結局、観光客に対して商売することより、地元の人たちに喜んでもらえて、何か自分ができることがないのかを考えました。
私の出身が北海道ということ、たまたま飲んだ席で、北海道物産フェアみたいのをできないか、というお話がありました。
やっていいんですか、ということになり、私の取引先である物産展などの業者さんなどに声をかけ、今回こういう形で開催することになりました。
『北海道フェア』を第一回だけで終わらせるのではなく、今後も続けていけるイベントにしたいですね。
高柳商店街には『夜店』という大きな催しがあります。
6月は『高柳の夜店』、11月は『北海道物産展』という形で、イベントをしていきたいです。
私はもともと飲食店に挑戦したいという思いもあったので、そこのタイミングがちょうど合致したというか。
今後なにか、自分がやりたいことや挑戦できることをやってみたいな、と思っています。

 

店街に人がいない、店がない。それをもっと人が集まる場所にしたい

大内 北海道では民芸品屋さんを経営しています。
やはり観光地で商売をしているので、三重県は伊勢神宮のおかげ横丁など有名な観光地で商売させていただいている縁もあります。
三重県はちょうど、日本の中心に位置しています。
うちは今、物流会社…インターネット通販の発送の拠点とする場所を、三重県に置くことになりました。
三重県から発送すると、日本どこでも早く届きますし、送料も安いということもあり、『伊勢物流センター』を置かせてもらうことになりました。
そして今回、高柳商店街と商売させていただいていますが、ここの商店街を選んだ理由は、伊勢の中でこえから一番伸びていく、という印象を持ったからです。
商店街でなにかできるというのが大事だと思います。
今、商店街を歩いたり買い物をしたりする方が、とても少なくなってきています。
それはやはり、お店がやっていないからだと思うんです。
少しでもお店が開店していたり、商店街に関わってくれる人がどんどん増えれば、活性化されて、大きく変わっていくと思っています。

 

元民がよく行くお店を集めて観光客と地元の人が集えるエリアを作る

北海道居酒屋を今度オープンすることになり、それに向けてペンキ塗りなどの内装作業をしています。
テーブルや椅子などもDIYで一生懸命作っています。
イチから作るという楽しさもありますし、それに携わってくださった方の想いが、それに入っていくと考えていますので、いろいろな方に参画いただいて、新しい店舗を盛り上げていければな、と考えています。
若い経営者の方々に組合に入っていただき、お店を開いていただいています。
さらにまだ、新しい方々にお越しいただけるように、魅力ある商店街を作っていきたいと考えています。
今、伊勢市の観光地としては、内宮のおかげ横丁、伊勢市駅前の外宮参道さん。
外宮さんに『せんぐう館』ができてから、外宮参道商店街も非常に賑わうようになりました。
いま、私が考えている事業が一つあります。
それは、この高柳商店街周辺エリアに、新しい観光地の名前を付けていきたいなと。
このエリアは、地元の方々が足繁く通う、飲食店の名店が揃っています。
ですから、地元の方々とも交流していただけるように、観光客もこのエリアにお越しいただき、一緒に盛り上げていただけたらな、と思っています。
4年後にはまた、ご遷宮がはじまりますので、それに合わせて、新しい街の名称を考えながら盛り上げていきたいですね。

若い方々に、いかにこの商店街に来ていただき、いろいろなお店を開いていただけるかが、課題となっています。