三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2023年1月22日

玉城町にある、「身障者就労センター 上々(じょうじょう)」。
玉城町やその周辺の地域でとれた地場産の果物や野菜を使い、ドライフルーツや野菜チップス等の加工品を製造、その他にもうどんやスイーツなど様々なオリジナル商品を開発、地元の産直市場や地域のマルシェなどで販売中!
「栄養豊富」「天然素材」「お買い得」の三拍子が揃った商品は地元の人だけにとどまらず、玉城町のお土産品としても、広く愛される商品として注目されています
又、作業所の1階はコミュニティスペースとして開放。
地域の憩いの場として活用されています!

今回は、玉城町にある『身障者就労センター 上々』に来ています。
とても立派な建物ですね。
『さんておーる』とは、この施設の物販などのコーナーのことのようです。

 

中に入るとたくさんの方来ています。
よく見ると『麻雀』しています!
予想外です! 

 

「高齢になりましたので、『健康マージャン』というのをしています。
ボケ防止、出不精の抑制ということで、こういう会を行っているんです」

と、『ロンの会』の会長さん。

『健康麻雀』は「お金を賭けない・お酒を飲まない・タバコを吸わない」を徹底した、健康づくりや仲間づくりを目的とした健康的な麻雀。
地域の人たちが集まって健康麻雀を楽しむ『ロンの会』が、毎週月曜日に、『身障者就労センター 上々』のコミュニティスペースを利用しています。

 

『身障者就労センター 上々』について、上田美友紀さんにお聞きしました。

「こちらは『就労継続支援B型事業所』となっています。
障がいのある方が自立した生活が営めるように、就労の機会を提供したり支援する施設になっています。
施設の利用者さんはこちらの運営や、食事の提供などをしてもらっています」

 

施設の1階部分では、うどん等の軽食を提供。
地域の人たちのコミュニティスペースとしても開放しています。

 

販売ブースでは、地元の野菜や果物を使った加工品やうどん、お菓子等、様々な商品を製造・販売しています。
もちろん、製造・加工はこちらの施設で行われたもの。
干し柿やレーズンの他、梨やみかんを使ったドライフルーツ、干し芋など、主に地元産の農作物を使った商品を続々と開発中!

 

パッケージのデザインは利用者さんの描いたイラストをもとに、地元のデザイナーさんの協力を得て作成。
とても可愛いです!

 

『身障者就労センター上々(じょうじょう)』は、地域に根ざした就労継続支援施設。
飲食業と食品の製造加工業を、主な事業としています。
現在の利用者は26名。
18歳から、なんと90歳までのみなさんが通所しています。

 

「『上々』では、うどんの製造、お菓子の製造、また食堂の運営をしていますが、その他にも地元の食材を使った乾燥品の加工もしています。
ここでは明和町で作られた『菊芋』を乾燥して、パウダーにしています。
加工室で洗浄・加工・乾燥機に入れる所までしていただいて、乾燥されたものを取り出していくという形になっています」

 

「最初の洗浄などは水を使うので冷たいです。
農家さんから預かった物なので気をつけて洗うので、大変な部分はありますけども、お渡しする時に、ありがとうって言っていただけるので、やりがいのある仕事だと思います」

と、利用者さん。

菊芋は、最終的には『菊芋パウダー』として、明和町のふるさと納税や産直店などに置かれる商品となります。

「いろいろな障がいをお持ちの方がみえる中、それぞれ個性もたくさんあり、みなさん可能性を秘めています。
そういった所を見つけると私らも嬉しく感じます」

と、上田さん。

 

2階の作業場では、スイーツを作っている真っ最中。

「障がいも年齢もさまざまなので、作業を細分化することで、障がいがあっても活躍できる場を作れたらいいなと思いながら模索しています。
今日は『上々ケーキ』を作っています。
他にもクッキーとか、サブレとかいろいろなお菓子の商品を作っています。
地元の児童館から注文をいただいたり、他の事業所さんからも注文をいただいて、そちらも製造しています」

 

なんと、カップケーキのカップに生地を流し入れている女性は『上々』最高齢の90歳!

「仕事は楽しいです!
家にいて遊んでいるのが嫌やもんで。
そろそろ迷惑かけるから辞めなち言われそうですが、ハイハイ言うて来ますねん」

 

利用者さんの作業は製造加工だけではありません。
パッケージのラベル貼りなど、販売に至るまでの作業すべてに関わっています。
それは、自分たちの商品をよく知り、買い求めるお客さんがいるのだと理解するため。丁寧な仕事が認められ、最近では近隣の事業所とのコラボ商品も増えています

 

事務所の一角に売上の管理シートが。

「就労支援B型では、売上から経費を引いた部分が利用者さんの工賃に充てられます。
自分たちの商品が、どれだけ売れたのか、みなさんにも実感して頂きたくてこのように貼らせていただいています」

部門や商品別の売上、かかった経費やその月の工賃などを『見える化』し、商品の売れ行きなどを自分たち自身で実感することで、次の目標を立てていくモチベーションとなっているとのこと。

 

『上々』のみなさんが製造加工した商品は、近隣の産直市場や店舗でも販売中。
人気も上々!
イベントにも積極的に参加して、新たな販売先、お客さんとのつながりを増やしています。

 

ランチタイム。
健康麻雀を楽しんでいた地域のみなさんのお昼は、上々の『うどん』です。
もちもちしていて美味しいですよ!

「この施設のある玉城町は、農業が基幹の産業になっています。
この地域で就労支援をしていく中で、地域の方と密に関わりを持ちながら、農家さんの減少や高齢化など、地域の課題を解決できるような取り組みをしていきたいと思っています」

と、上田さん。

『上々』のみなさんがつくったスイーツやうどんを食べてみませんか。
興味なる方はウェブサイトをご覧ください!