FM三重『ウィークエンドカフェ』2023年3月4日放送

今回は、四日市市にある『この味本舗』の秋田真幸さんがお客様。
創業は昭和28年。
業務用のうまみ調味料として70年愛されてきた味です。

さんの実家が70年前に創業 うどんやさんに使われてきた

もともとは家内の両親がはじめていまして、滋賀県のある化け学(化学)の先生に、最初にこの味を自分で開発した人が来られて、その方から指導を受けて。
実際は二代目で、私が三代目ということになります。
最初はうどん屋さんの出汁づくりの隠し味に使われていたので、営業用に一升瓶で配達して、うどん屋さんが出汁をとった後に1/00か1/200入れるだけで、味がぐんと引き立つので、非常に重宝されて使われていました。
ほぼ営業しなくても、うどん屋さんからうどん屋さんへの口コミで広まったり、バブルのときに御弟子さんがいっぱい来られて、暖簾分けしてお店がいっぱいできたときに同じこの味を使うような形になり、自然に広まっていって、一時は愛知、岐阜、三重、全部で100軒くらいになりました。
ですから三重県の人でもほとんど知らない人の方が多かったんですけど、私が跡を継いだのが17年前ですが、その頃にはうどん屋さんも後継者不足だったりリーマンショックだったりの時期がありましたので、だんだんうどん屋さん自体少なくなってきました。
そんなとき、たまたま主婦の方が使ったところ、非常にいろいろな家庭料理にも使えるということで、評判が聞こえてきました。
そこで家庭でも使うことができるようなペットボトルの商品を作り始めました。
それで少しずつ今、広まっています。
四日市出身の人が東京に行き、こんなのがあるんだと問い合わせに来る方もいらっしゃいます。
ですから四日市ではみなさん知っているというよりも、今から広めていくというような調味料です。
知る人ぞ知る調味料ですね。

 

布、かつお、しいたけに塩がプラスされている

一番は昆布。
昆布というのは池田菊苗さんという方が、グルタミン酸という旨味成分を初めて発見されて、世界中に『旨味』という言葉を共通で使えるようになっったほど、日本の池田さんの功績は大きいのですが、そのグルタミン酸を中心として、かつお節のイノシン酸、しいたけのグアニル酸、これを黄金比の比率で混ぜ合わせて使うと、より相乗効果が高まり旨味が増します。
そこに食塩を入れていますので、他にはない商品だと思います。
液体という旨味成分だけの調味料はないんですね。
ですからその、霧吹きで入れてシュッシュとかけるだけで、サラダなどにも使うことができます。
液体ということで、馴染む使い方ができる調味料です。
出汁を取る代わりに、お水にこれを入れるだけで、鍋そのままの出汁になりますし、野菜やお肉の旨味がぐっと引き立ちます。
一番手軽なのは卵かけご飯。
よく醤油をかけられると思いますけど、醤油と『この味』を半々にして好みの良をかけるだけで、みなさんハマりますね。
卵焼きだと、卵2つに『この味』小さじ1杯。
ちょうどこのキャップが1杯で5ccくらいなので、美味しい卵焼きができます。
子どもさんにも人気で、
「「お母さん、今日『この味』入ってなかった!」
と、わかるくらいです。

 

の味がなくなったら出汁を変えないといけない。変わる調味料がない

うちの調味料は他のものには変えられません。
うちの味を出せるものがない、変わるものがないと言われまして、もし変えるとしたら出汁から変えないといけないんで、これまで使っていたうどん屋さんには無理だな、という話がありました。
本当に、この味がなければ店が続かないといううどん屋さんが多かったものですから、私も思い切って、いままでやってきたこの味を継いでみようという、後押しになりましたね。
代を継いで、まず一番最初に取り掛かったのはホームページ。
その頃はまだあまりホームページが普及していなかった時代です。
平成17年頃。
でも、素人でもできる『ホームページビルダー』というソフトがあったので、自分でコツコツ作りました。当時は注文するカートみたいなものとかなかったので、結構苦労して作り上げました。
テレビや雑誌やネットで紹介されるようになりましたが、すべてはホームページから来てもらった人です。
東京の明治屋さんも代理店の社長が、ある出版本を見て問い合わせに来てもらったり。
発祥はすべてホームページになっています。

 

ピーターのお客様を大切にしていきたい

最初のうちはイベントなどを開催して、卵焼きを食べてもらったりすることが多かったです。
そこで反応を見ながら。
漬物にも合うんですよ。
塩だけで漬けるよりも、特に白菜は塩で漬けるんだけど、最後にこの味を入れると引き立つんですよ。
いろいろな企画をしながら、みなさんが作っているレシピを紹介していただいたり、アンケートに答えてもらったりしながら…本当にそういったみなさんからの意見だけでファイルが分厚くなったくらいです。
それを反映しているレシピもありますし、ホームページにも『お客様の声』をいくつか掲載しています。
それもお得意さんで、いつも使ってもらっているお客さんです。
リピーターを大切にしていますので、定期的にメールマガジンを発行したり、電話で注文来た方には、定期通信みたいな形で、いろいろなレシピを紹介したり、イベントや掲載情報などをかならず繋いでいっています。
最初はハガキにちょこっとレシピを付けて送ったり。
2〜3回注文が来る人には定期メールを出したりしています。
1回使って良かったと思ってくれた人が離れないように、リピーター対策というか、うちはそこが一番力を入れているところです。
新しい人を確保するのも大切ですが、これまで使ってきた人にずっと使ってもらえるように。
送料を払いながら郵送でネットや電話で、もう20回以上注文くださる方がけっこういます。

必ず小さなメモ用紙に、
『いつもありがとうございます』
『末永くよろしくお願いします』
と、手書きでメッセージを、1本でも買ってくれた人には必ず入れています。