FM三重『ウィークエンドカフェ』2023年4月1日放送

津市庄田町。
静かなアトリエには淡い色のガラスで作られたステンドグラスの作品が並びます。
今回は『アトリエ・アミーゴ』の青山静子さんがお客様。
ステンドグラスを始めたのは20年前。
大正型押しガラスとの出会いがきっかけです。
去年の12月には4年ぶりに作品展を行いました。
青山さんの生徒さんたちの作品も並び1000人を超えるお客様が来場しました。

だちと骨董店へ行って型押しガラスを見つけたことが始まり

友だちと骨董店へ行ったときに、古いガラスが嵌っているのもあるし、欠片が無造作に置いてあったのを見つけました。
光にかざすと、とても綺麗なんですよ。
だからこの、欠片をこのまま置いておいたら可哀想で、なんとかできないかなと思ったのが最初でした。
そこでステンドグラスの先生を探して…そこから自分のステンドグラス人生が始まりました。
骨董店で出会ったのが『大正型押しガラス』でした。
それが忘れられなくて、それを使って作品を作るようにしています。
花だったり凸凹だったり、いろいろな押し手というか。
今あるガラスで同じ模様も復刻しているのですが、でも、屈折が違うんです。
私たちの目に届くのには、やはりこのガラスが一番優しくって、ほのぼのとすると、私自身は思っています。

 

董品屋さんにお願いして譲ってもらった。いろんなガラスを集めないとできない。

西洋の建物の窓とかに入っていたのを骨董品屋さんが集めてらして、そこで譲っていただきました。
でも、なかなか譲ってもらえなかったんですよ。
そのままの戸はあるのですが、欠片はなかなか譲ってもらえなくて、何度もお願いに行って、理由を話して、やっと手に入れることができました。
もう手に入りませんね。
その骨董屋さんもお店を閉められました。
名古屋にも一軒ありましたが、そこもお店が閉まってしまって…もう手に入る道はありません。
でも私も年齢的に、丁度よい区切りだったかな、と。
憧れは十二単をステンドグラスで表現することでした。
優しい色合いの十二単シリーズは全部で七作品になりました。
このへんで十二単の大きいのはやめて、小さいので、ガラスの許す限り、有効に使っていきたいなと思っています。
色のついたガラスです。
いろいろなガラスの種類を集めないと、できないですね。
ブルーとか緑、全部そうです。
今となっては、大正型押しガラスというのは、貴重だと思います。
私はこれが好きで、これを追い求めてきました。
いつか十二単を作りたいという自分の思いと、ガラスとがピッタリあったと、今は思っています。

 

ザインを決めて、そのあとハンダで固定。作品を見ていると愛着がわく

まずはデザインで、作りたい大きさに設定して、型紙をとって一枚ずつ。
それからガラスを切ります。
ハンダで目は合わせます。
色の感じが平面で下に置いて見るのと、立てて光を通したときに良かった悪かったがありますね。
光を通して、「やった!」となるときと「ここまずいなあ」となるときがあります。
でももう変えられないので、そこは妥協という感じで。
こんなふうにしています。
思い通りに発色しない場合もありますが、でも出来上がってしまえば、その子は好きにならないといけないから。
まあ、ずっと見ているとやっぱり愛着を感じますので、これはこれで良かったんだ…と思います。
私はもともと好きだったから、こんなに根を詰めて大丈夫なの、と心配されることもありましたが、私は疲れは感じません、でした!

 

徒さんたちとの時間が楽しく、みなさんの成長が青山さんの支え

今は生徒さんは35人くらいです。
火・木・土・日。
それが二組です。
以前は10時から17時までで、お弁当を持って。
食事の時間もとても大切にして、お喋りして。
そしてパッと作業に切り替える。
そんなふうにしていましたが、さすがに体力的に一日中はキツくなってきて、午後1時から5時までに今はしています。
私自身というか、毎回作品展を見に来てくださる方がいて、その方が「今回の作品展では、みなさんの成長がすごいですね」と言ってくださいました。
それがとっても嬉しくって!
それが私の支えかな。
みなさんが一生懸にしてくれて、良い作品を作ることができて、人様に認められるというのは、教室のみなさんの努力だと思います。
知っている人だけのクラスではなく、みんなここに集まった人たちのクラスなんですが、何年かするうちに、良いサークルに成長しました。
その中にいつも私を入れてくれるから、とても嬉しいですね。
私の今の生きがいかもしれないですね。

ガラスの出会いがなかったら、私のステンドグラス人生はなかったんじゃないかと。
そのとき一緒に行った友だちに感謝しないと。
そんな風に思っています。