FM三重『ウィークエンドカフェ』2023年5月6日放送

和歌山県との県境、紀宝町。
今回はあまごと岩清水豚を使った料理を提供する『kokoro食堂の尾崎亜紀さんがお客様です。
東京で生まれ千葉で育った尾崎さんが田舎での暮らしに憧れ、旅の途中で見つけた場所が熊野でした。
この地に住んで20年。
3年前にお店をオープンしました。

舎暮らしにあこがれ、沖縄からの帰り道、ここの場所が気に入った

はじめは沖縄に行きたかったので、沖縄に行って、石垣島で住み込みの仕事を見つけて。
住んでみて沖縄じゃない方が良いかなとフェリーで鹿児島まで戻ってきて、鹿児島から車を走らせながら千葉に帰るまでに、住みたいところを探しながら帰ろうと。
そのときにたまたまこのあたりが良いなあと思い、ここにしました。
いろいろな違いがあって面白かったし、たくさんの人たちとの出会いもありました。
自然も多く環境がとても良いので、体調とかも良くなって、良いこと尽くしでした。
熊野に移住してきたときに、あまごの養殖をしている中平さんに出会い、しばらく何年か、そこで働かせていただきました。
そのときにあまごを初めて知って、なんて美味しい魚なんだろうと感動しました。
でも熊野にはあまごを出しているお店がないということで、じゃあそれを作りましょうと提案し、あまごの養殖をしている場所で『あまごや』というお店をしばらくさせていただきました。
結婚して子どもができたのを機に引退させてもらったんですけど、次に自分がお店を出すときもあまごを出したいという気持ちがあり、いま『kokoro食堂』でもあまごをお出ししています。

 

元の食材を使った料理を出したかった

郷土料理であるめはり寿司とあまごを、どういうふうにコラボしたら美味しいかな、と考えて、『あまごめはり定食』になりました。
一夜干しを使っているのですが、適度に水分が抜けて旨味が凝縮しているので、カラッと揚げるには好都合です。
見た目もめはり寿司からあまごの頭がニョキッと出ているのは、みなさんけっこう驚かれます。
「うわあ!」って。
スゴイねと言われます。
岩清水豚の生産者さんともたまたまご縁があって、とても情熱をかけてこだわって作っていらっしゃる生産者さんを間近で見たときに、もっとこの美味しさを伝えたいという気持ちが湧いてきました。
もっともっといっぱい地元の食材を使いたいのですが、とりあえず今は、あまごと岩清水豚を使っています。

 

まごの一夜干しや岩清水豚のトロトロ軟骨煮などが購入できる

普通にジュースやコーヒーもありますが、物販もできる自動販売機を導入しました。
あまごは一夜干しをドリンクボトルに入れて、普通にジュースみたいな感じでパコンと出てきます。
あとは今、メニューに出ている岩清水豚のトロトロ軟骨とか…岩清水豚に関してはメニューをいろいろローテーションして出したりしています。
その他にも『サラダポーク』という、サラダチキンのポーク版があります。
低温調理でじっくり火を入れた、シンプルな味の豚肉です。
あとはそぼろ煮などをローテーションで出したり、また、岩清水豚の脂だけを仕入れて、ゆっくり煮溶かして濾して固めたラードも販売しています。
炒め物に使うととても美味しいので、じわじわ人気が出てきています。
自販機だったら24時間購入できます。
前を通り過ぎた人でもちょっと味を見てみようかな、ということができると思い、買ってくれたらうれしいかなと。
ちょこちょこ広がっていってくれたら良いですね。

 

害時には、高齢者の人たちが泊まってもらえる準備もしている

私たちももともとこの家に住んでいたので、家がそのままお店という感じです。
私も働いていて落ち着くというか。
お風呂もあるので、なんなら泊まっていけますし。
災害時とかにお風呂を使っていただいたり、避難する場所として使っていただいても良いかな、と思っています。
けっこう年配のお客様もいらっしゃいます。
ウチのお店の料理はけっこうボリュームがある方なので、『少なめおまかせランチ』というのもご用意していて、年配の方でも食べられるよう、少なめに提供しています。
自分の子どもが小さいときに、なかなか子連れで外食できないような印象だったので、自分がお店をするときはそういう場所を作りたいと思っていました。
カーテンで隠してオムツ替えや授乳もできるような、ちょっとそういうスペースがあると助かるかなと思い、思いつくところは配慮しています。

継続が大切ですね。
今もメニューが増えていますが、まだまだ試したい料理もたくさんあるので、いろいろ可能性を広げていきたいなというのもあるし、まだなにか、いろいろな展開があるかなと思っています。

料理に関しては、手間を掛けることしかできないというか、私にできることは手間を掛けることだけなんですね。