三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2023年5月7日

櫛田川上流域にあたる松阪市飯高町波瀬地区では、天然のクレソンを特産品として、クレソン料理店『はぜの風』 で提供するなど地域の活性化につなげています!
その『はぜの風』は、現在、週末カフェとしての顔を持っています!
カフェを営むのは市外から移り住んだ移住者!
新しくオープンしたカフェをはじめ、『はぜの風』を中心に波瀬地区は、新たな地域活性化の動きをみせています!

伊勢自動車道・松阪インターから、車でおよそ1時間。松阪市飯高町の波瀬。
櫛田川上流の自然豊かなここ波瀬では、きれいな天然水生かして、クレソンが育てられ、特産品として売り出されています。

 

自然に繁殖していたクレソンを、積極的に栽培。
地域を盛り上げようと立ち上がったのが、『波瀬むらづくり協議会』のみなさん。
天然水で育ち、程よい辛味・苦味の『波瀬のクレソン』を、クレソン鍋をはじめ、“クレソン尽くし”の料理で提供したのが『はぜの風』。
遠方からお客さんが来るほどの人気店になりました。
番組で紹介して14年、今、どうなっているのでしょうか。

 

お店はありますが、看板が変わっていますね。
『はぜの風』と『カフェ・ドゥ・ハゼール』と書かれています。

 

店内にいたのは『カフェ・ドゥ・ハゼール』の店主、横山陽子さん。

『カフェ・ドゥ・ハゼール』は、金曜・土曜・日曜のみ営業の週末カフェ。
『はぜの風』を借りて営業しています。
名古屋で暮らしていた横山さん、田舎暮らしを考えていた時に、松阪市の『地域おこし協力隊』に着任、飯高地区での活動で、『はぜの風』の北川京子さんと出会いました。
昨年、地域おこし協力隊を卒業した横山さん、今は、飯南地区で暮らしながら、波瀬に通っています。

 

「店内はそのままで、外の看板だけ変えています。
お菓子やコーヒーなど、軽食、ご用意しています。
地元の食材を使って、体に安全なものを使いたいと思っているので、そういう農家さんから仕入れさせてもらっています」

画像の『ダルと野菜のスパイスカレー』は1000円。
カレーの内容・提供は時期によって変わります。

 

『カフェ・ドゥ・ハゼール』のオススメは『スープとパンのセット』900円。
パンは玄米ご飯を練り込んだ『天然酵母パン』、もちろん横山さんの手作りです。

「玉ねぎのスープはなるべく素材の味を活かして、シンプルに作っています」

 

オムレツとサラダのプレートには有機野菜サラダ、キノコのマリネ、人参のラペ、そしてスパニッシュオムレツが。

 

ジャガイモなど、たくさんの具材が入っています。
卵も地元の『平飼いの有精卵』を使用。

「私が名古屋で生活していた時に体調を崩して、その時に『食の見直し』をしました。
身体にとって“安心安全なもの”を、自分も摂りたいし、お客さんにも季節のもので、この飯高・飯南のものを食べてもらいたいです」

と、横山さん。

 

この日は『はぜの風』の北川さんも来店!

「松阪市で初めての『『地域おこし協力隊』となり、最初は空き家バンクの紹介や飯南高校の魅力をなどをSNSで発信していました。
あるとき、『波瀬に、すごいカワイイ優しいお母さんがいるよ』ということで、役所の人と一緒に『はぜの風』に来て、初めて北川さんにお会いしました」

と、横山さん。

「姪っ子みたいな感じでしたね。
とてもおっとりした感じなので、本当に田舎向きというか、好感が持てました。
陽子ちゃんが『こんなことしたいんだけど』とか『こんな行事したいんだけど』と相談に来たら『いいよ~!みんな寄せるわね』とか言って。そんな感じで、気軽に。
ちょっと、お母さん気分で相談に乗っていました」

と、北川さん。

横山さんに週末カフェを開店した理由をお聞きしました。

「もともと食に興味があって、いつかカフェをしたいという気持ちはありました。
京子さんと出会って、『ここを週末使ったらどう?』という話をいただいて、私も是非やりたいですということで」

「話を受けてくれたのでうれしかったです。
後継人ができたような感じで、喜んでいます」

と、北川さん。

 

こちらの『常連さん』、実は、お2人とも移住者。
近年、飯高地域には、横山さんと同世代の移住者が増え、カフェは、その交流の場にもなっているそうです。

「空き家バンクで空き家を見つけて、たまたまここに住んでいるという感じです。
結構、地元の人とか、他の移住者の人も来たりするので、お話したりとかして、楽しい時間を過ごさせてもらっています」

と、3年前に移住してきた角館宏幸さん。

「ここでは食事もしますし。ここのお手伝いもさせてもらっています。
看板も付けました。
イベントを開催したらこの地域が盛り上がると思い、その企画もしたりしています。
波瀬はほとんどが高齢者なので、僕らも良い年ですけど若手として、波瀬の元気をもう1回作るお手伝いをしているつもりでやっています」

と、2年前に移住してきた大島圭太さん。

 

現在北川さんは、こちらのログハウスで『はぜの風』として、少人数向けのクレソン料理を提供しています。
室内は天井が高く、素敵な空間です!

 

お待ちかねの『クレソン鍋』です!
具材はクレソン、玉城町産の豚肉、きのこ類。

「よくお肉料理に付いているクレソンは小さいですが、ここではもっと長く育てることで、こんなに大きくなるんです」

と、北川さん。

 

クレソンのシャキシャキ感は鍋で煮てもなくなりません!
そして豚肉の脂とよく合います。
これは完全にクレソンが主役のお料理ですね!

 

料理内容は時期によっても変わります。
この日は前日、山や畑から採ってきた山菜や野菜、そしてあまごの甘露煮でした。

 

この隠れ家的なログハウスも、移住者の集いの場になっています。
もはや、北川さんは、移住者の“母親的な存在”。
高齢化する地域で、活動の風を絶やさず、そして、また新しい風を起こそうと頑張っています。

 

「4年前にこちらに来た時から、波瀬とはすごく御縁があって。
ハゼールを中心にたくさんの人が来て、みんなでワイワイ交流できて、お年寄りの方から子どもの方からも、みんなが楽しく、そこで過ごせていけたらいいなと、いつも思っています」

と、横山さん。

「やはりとても高齢化が進んでいるので、その高齢者が元気なうちに波瀬の良さを、みなさんに継承していただきたいです。
波瀬の色と波瀬の匂い…波瀬のことをゴロっと変えず、昔の良い所をいっぱい引き出してもらって、またいい波瀬を作っていただきたいと思います」

と、北川さん。

『カフェ・ドゥ・ハゼール』、営業は、土曜・日曜の週末のみ。
『はぜの風』は予約限定です!

 

カフェ・ドゥ・ハゼール
住所 三重県松阪市飯高町波瀬565(国道166号沿い)
営業日 金・土・日曜日
営業時間 11:00~16:00
※イベント等で休業の場合あり

はぜの風
TEL 0598-47-0825
※完全予約制・季節限定