三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2023年6月11日

伊勢市小俣町にある『えほんと童話の店 みやがわ書店』は、子どもたちに素敵な絵本、童話、そして、紙芝居を届けたいと20年前に一般的な本屋だったお店を『絵本・童話の専門店』としてリニューアルオープン!
以降、スタッフ推奨の絵本・童話の紹介、そして、読み聞かせイベントを行うなど、幅広い世代に向けて、読書推進活動を長年継続しています。
子どもたちに“良質な本”を、たくさん読んでもらいたいという思いをもって、活動を続けるみなさんを紹介します!

伊勢市小俣町、JR宮川駅の駅前にあるのが『えほんと童話の店 みやがわ書店』です。
活字離れ、本離れと言われる昨今ですが、こちらのお店はいつも大人気!
その秘密を探ってみましょう。

 

『えほんと童話の店 みやがわ書店』店長の橋村孝子さん。

「こちらは絵本と童話の専門店です。
絵本も新しいのがどんどん出続けていますから、新刊コーナーは、常に私たちが目を光らせてないと。
いっぱい出てくるから『新刊』は」

と、橋村さん。

 

『昔話コーナー』には赤羽末吉さんの絵のものが多く置かれています。

「赤羽末吉さんは、昔話の素晴らしい絵を描く人なので、基本的に、赤羽末吉さんの作品は
置いています」

『スーホの白い馬』は名作中の名作です。

 

『エリック・カール』コーナーには、世界に1枚しかない落書きが。
有名な『はらぺこあおむし』の作家である、エリック・カールさんが描いたもの。
エリック・カールさんの来店は、『はらぺこあおむし』を出版する偕成社に橋村さんの息子が勤めていたことなどがきっかけで実現しました。

 

1992年に来日した際、伊勢神宮へ案内したあとに、『みやがわ書店』にてサイン会を開催。
その時に来ていた子どもたちに好きな動物を聞き、その動物の特徴をすべて足したものが、この落書きだそうです。

 

「私は現在86歳で、戦争で家が焼けるという体験をしています。
ですから、こちらは『平和が大事だ』ということのメッセージをおくるための『平和』のコーナーとなっています。
私の生きている間は、このコーナーでみなさんにメッセージを送り続けます」

 

「絵本は、誰にでも心の中に入って行くことができます。
だから、心豊かにするためには、絵本が一番いいかなと。
年寄りも若い人も赤ちゃんも心豊かにする『心の栄養』というのを、私はうちの言葉にしています。
20歳の時に、母や父と一緒に本屋を開いたのですが、私はその後、結婚して名古屋に暮らしていました」

 

昨年65周年を迎えた『みやがわ書店』。
結婚して名古屋で暮らしていた橋村さんは、45年前、親から、この書店を引き継ぎました。
その20年後に、『絵本・童話の専門店』としてリニューアルオープン。
子どもたちに、“良質な本”を、たくさん読んでもらいたいという思いを、この店に託しました。

 

『みやがわ書店』では0歳児から、絵本で楽しんでもらう取り組みとして、『みやがわブッククラブ』を立ち上げました。
0歳児から小学6年生までの各年齢を対象にした定期購読コース。
『みやがわ書店』が推奨する絵本・童話が、毎月1~2冊配本されます。

 

そして、『みやがわ書店』の人気の秘密。
それは定期的に開催される絵本の読み聞かせ会や紙芝居イベントです。
この日も小さなお子さんを対象にした会が開催されていました。
最初は橋村さんによる、おはなし会(絵本の読み聞かせ)。

 

次は紙芝居。
子どもたちも興味津々で見入っています。

 

参加者にお話を聞きました。

「この子が小さいころから、来られる時は土曜日のこの会に来させてもらっています」

「『おはなし会』に参加するのは3回目ぐらいですね。
この子に良い本を教えてくれたり、その時に誰もいなかったから、読み聞かせもしてくれたりとか、親切にしてもらっているので、いつもここで絵本を買っています」

 

紙芝居を見ながら、橋村さんとやり取りをするのは、伊勢市在住で絵本作家・紙芝居作家である二見正直さん。
橋村さんは二見さんと新しい取り組みをスタートさせています。

「今から4年ほど前かな、初めて出会ったのは」

と、橋村さん。

 

「二見さんがこの本の作者ということで、『こういう作品を描くんだ』と思って。
そして、二見さんのコーナーを早速作りました。
地元に住んでいるからということで、急速に親しくなって」

 

「一緒の思いを持っている部分があるということがわかり、2年前に私が『絵本ばあば』というニックネームで『ふたみくん』と2人のユニットを作り、読み聞かせ会や講演会などの活動を始めました。
私一人では無理だけど、二人でならできるかなって」

と、橋村さん。

「橋村さんに出会う前から、子どもの前で絵本を読むという機会は、大切にしてきました。
『おはなし会』は、一人よりも複数で出掛けることが多いので、橋村さんが二人でやろうかという感じで言ってくれたのが始まりかな。
デコボココンビで、年齢も性別も違うし、身長も違うし。
ユニークで、そういうところも、面白がってくれたらいいなと思っています」

と、二見さん。

「彼の場合は、絵のワークショップもできるので、プログラムの中にワークショップを入れようかとか、あるいは、絵本作家としての、作品が出来るまでの話をしようかなど、多彩なプログラムができるので、私も助かります」

と、橋村さん。

「『おはなし会』という1時間弱の時間の中で、どういう本を選び、どういう紙芝居を入れてという、全体のプログラムに起承転結、波をつけるというやり方など、一緒にやらせていただくことで、身に染みて勉強させていただいています」

と、二見さん。

 

「原動力は、やっぱり、若い人と出会っているということ。
毎日、子どもたちがここへ来て、私にエキスをくれます。
いつも思っているのは、生涯現役。
元気な間は現役でいたい、この看板を掲げていたいですね。
でも、いつか看板を下ろさないといけない時が来た時に、私がやると名乗りを上げてくれる人が現れてくれたら…そういう夢を見ています」

と、橋村さん。

『えほんと童話の店 みやがわ書店』のイベント開催など詳しくは、ウェブサイトへ!