三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2012年11月11日放送

養殖マグロのエサやり体験など、体験プログラムで地域を活性化していこう!
神前浦の漁業関係者に、農家のみなさん、そして、様々な企業や団体がひとつになって、立ち上がりました!!

南伊勢町神前浦は、天照大神(あまてらすおおみかみ)の鎮座する場所を求め、各地を巡っていた倭姫命(やまとひめのみこと)が、伊勢の地に辿り着くまえに、立ち寄ったとされているところです。


歴史と伝承が折り重なるこの地域で猿田彦命(さるたひこのみこと)を祀り
伊勢神宮の外宮とも関わりが深い『仙宮神社』。

海に面し、通称『奈津観音(なつかんのん)』で親しまれる『西方寺』。

そして、倭姫命(やまとひめのみこと)が腰を下ろして、休んだと言われる『倭姫命腰掛岩(やまとひめのみこと・こしかけいわ)』などが残されています。


そんな神前浦の漁業関係者や農家のみなさん、様々な企業や団体が、体験プログラムで地域を活性化していこう!と立ち上がったのが、『神前浦都市漁村交流プロジェクト』!
会長の加藤寛さんに、お話をうかがいました。

加藤「やはり地元の活性化を一番に考えています。まだ、今は手探り状態ですが、全国各地の活性化プロジェクトの視察などを交えつつ『イイトコどり』をしていきたいですね」

目指すのは漁業だけでなく、農業や商業を含めた地域の活性化。
現在は、受け入れ体制やプログラムを作り上げている状態で、まだ事業化はしていません。
そこで今回は、地元の小学生を試験的に受け入れました。


今回体験するのは、地元の南島西小学校の5年生と6年生の46人。
これだけの人数を、一度に受け入れるのは初めてのこと。

今回行うのは、マグロのエサやり体験と、タコのカゴ上げ、そして塩作りです。


まず向かった先は、神前漁港から、船で15分ほどの沖合にある養殖マグロのいけす。
この日の海は、少し波が高めなため、漁師のみなさんの手を借りながら、エサやり専用の船に乗り移ります。


マグロのエサとなるのは、新鮮なサバ。
マグロのエサやり体験の実施には、プロジェクトメンバーである『ブルーフィン三重』が全面協力しています。


「面白かった~!」
「本物は初めて見た!大きかった!」
「すごく大きくて、素早かった!」

巨大なマグロが、あっという間にエサを食べて消えていく様子に、子どもたちは大興奮です。


『ブルーフィン三重』の青木真一さんと、地元漁業者の掛橋潤也さん

青木「大きな魚が目の前でパクっとエサを食べるのを喜んでもらえて良かったです。色々な方に、こうした振興プロジェクトに、まず来てもらって、良さを知ってほしいですね」

掛橋「今回は地域の小学校の生徒さんですが、今度は三重県内の小学生とか、だんだん広げていきたいですね」



こちらは『魚カゴ漁体験』。
この日のために、2日前から漁師さんたちが海に仕掛けておいてくれた『魚カゴ』を、ひとりひとつずつ、海の中から引き上げました。


陸に上がってから行われた『塩作り体験』。
海水の3倍の濃度の塩水を土鍋に入れ、煮詰めていきます。

もともと、この神前地区には、平家の落人伝説(おちうどでんせつ)があり、この地に逃れてきた平家の一族が、塩を作り生計を立てた話から、今回の塩作り体験の企画も持ち上がったようです。
体験と地域の歴史を、上手く組み合せていますね!


南島西小学校 大藪茂喜校長に、今回の体験についてお聞きしました。

大藪「地元の産業や、漁業のある素晴らしい環境に恵まれたこの地域に誇りを持って、将来もこの町に住みたいと思う、地域を愛する気持ちを、子どもたちに持ってもらいたいですね」


『神前浦交流体験事業推進協議会』の浜地一久さんと加藤年夫さん

浜地「マグロの給餌に子どもたちが喜んでいたのが嬉しかった。
将来的にはこの事業を軌道に乗せ、他の地域からもお客さんが来て欲しいですね」

加藤「今回は段取りがうまくいきましたが、まだ2回目。反省会でみんなの意見を効いていろいろ改善していきたいね」

神前浦の海を、南伊勢の山を、そして、ふるさとの歴史を。
子どもたちに、そして県外の人たちにも、身体で感じてもらいたい。

『神前浦都市漁村交流プロジェクト』、みんなの思いを乗せ、事業化に向けて出港です!!