三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2023年8月20日

紀北町の夏の風物詩、そして、最大のお祭り『きほく燈籠祭』、今年4年ぶりの通常開催として完全復活!
7月22日土曜日に開催された『2023きほく燈籠祭』には、今年も例年同様、地元の有志を中心に構成される『紀北町燈籠祭実行委員会』が準備、そして、当日の運営まで関わってきました。
100年近い歴史を持つ地域の一大行事『きほく燈籠祭』の4年ぶりの復活に関わったみなさんの活動の様子、そして、その活動への思いを紹介します!

紀北町の夏の風物詩、そして、最大のお祭り『きほく燈籠祭』。
4年ぶりに通常開催として完全復活しました!

『きほく燈籠祭』の始まりは1928年。
地元・赤羽川(あかばがわ)の川開き行事として、青年団が、“ミヤコドリ”型(がた)の燈籠を流したのが始まりといわれています。
担い手不足などを理由に中断した期間はありますが、100年近く続く、地元の一大行事。
現在は、地元の有志を中心に構成される『紀北町燈籠祭実行委員会』によって、運営されています。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、この3年は、いつもと違う“静かな夏”が続いていました。

 

「『きほく燈籠祭』は、その年の1月頃から準備をします。
そして5月にやりますよと発表して、メンバーが毎晩集まるんです。
この数年、そういうのがなかったのがとても寂しく、「今年は何をしていいのかな」みたいな感じになっていましたね」

と、『紀北町燈籠祭実行委員会』第17代実行委員長の東城さん。

 

「“コロナへの恐怖感”を持つ方が、都市部から訪れていただくことに対して、少し抵抗があるとは思います。
その中で最初に通常開催に踏み切ったのが『きほく燈籠祭』です。
紀北町にとっては “無くてはならい夏の風物詩”ということで、絶対に絶やしてはいけない
お祭りだと思っています」

と、紀北町の尾上壽一町長。

絶対に絶やしてはいけない“町(まち)の誇り”。
『きほく燈籠祭』を復活させた、地元紀北町のみなさんの姿を追いました。

 

『きほく燈籠祭』を2日後に控えた、7月20日・木曜日。
花火筒をトラックから降ろすスタッフのみなさん。
花火の筒を『打ち上げ会場』である堤防に運搬する作業になります。

 

「いま動いてくれているのは、実行委員会と有志の方、役場の方もいます。
それぞれ役目があり、会場設営であったりとか、私は花火の担当になっています。
それぞれの担当が自分たちの役目を行っています。
久しぶりの通常開催で、たくさんの方も見に来られると思うので、その方に満足していただけるような花火を打ち上げるように準備しています」

と、花火室室長の濱口智之さん。

 

花火の打ち上げ場所は、港から離れた堤防。
猛暑の中、粛々と準備が進められます。

 

そして、きほく燈籠祭の主役『大燈籠(だいとうろう)』が運ばれてきました。
実行委員やボランティアによって、3か月かけて作られたもの。
高さ6メートルを超える大燈籠(だいとうろう)、例年、こうして、いくつかのパーツに分かれて運ばれてきます。

 

「今年、製作した大燈籠の『フクロウ』です。
現場で組み立てるという作業で、今回は大きく6パーツあります。
ゴールデンウィーク明けに決起大会があり、決起大会の翌日から組み立て作業、製作作業に入りました。
5月、6月、7月と約3カ月、ほぼ毎晩作業を行いました。
みなさん仕事あるので、作業は主に夜です。
期間が迫ってくると、日曜日に、みんな集まって、朝から夕方まで。
『フクロウ』になったのは“縁起がいい”“福を呼ぶ”ですね。
そして、先を見通す。
あと首が回る、よく回るので、お金の回りがいいとか。
そういう縁起がいいということで選びました」

と、燈籠製作室室長の松本泰明さん。

「5月からの連休明けから、毎日毎日ほぼ休まずに来ています。
あとは組み立てるだけなので、海に浮かぶ瞬間が楽しみです」

と、副実行委員長の北村孝史さん。

大燈籠は、実行委員会メンバーが中心となり、地元ボランティアも手伝う形で毎年5月上旬から『ふれあい広場マンドロ』を作業場に製作されました。

 

準備は、会場となる長島港一帯で進められ、案内板の設置や駐車場の整備など、多岐に渡ります。

 

「今日は、朝イチから『土嚢の製作』と『駐車場のライン引き』と『転落防止用の網やロープ』を、会場各所に張ったり、道路への看板の設置を予定しています。
港全部と、場合によっては、会場の外まで整備箇所は広がっています。
やっぱり年に1回の『きほく燈籠祭』は、僕らも楽しみにしていたので、できない期間はやるせない気持ちというか、早くやりたいなというのが、一番大きかったですね。
だから今日は特に、朝イチから『やっと始まるんや』っていう気持ちでいっぱいです」

と、会場設営室室長の東和志さん。

 

4年ぶりの完全復活に向けて、準備する実行委員とボランティアのみなさん。
関わる人数も多いので、お弁当の手配だけでも大変。
祭りは、2日後。あとは、当日の天気だけです。

 

そして7月22日・土曜日、『きほく燈籠祭』当日は見事に晴れ渡りました!
体験イベントなどの開催は、午後2時から。
しかし、4年ぶりの通常開催ということもあってか、例年よりも、早い時間から人が集まり始めました。
午後5時のステージイベントが始まる前で、ご覧の状況。

 

「想定していた以上のにぎわいで、ちょっとびっくりしています。
準備している時は、まだ順調にいっていましたが、お客さんの数が想定以上だったんで、ちょっと苦労しました。
今はドキドキワクワクで、楽しんでやれたらなと思います」

と、『紀北町燈籠祭実行委員会』実行委員長の北出陽介さん。

 

『大燈籠(だいとうろう)・フクロウ』が見下ろす、メインステージ。
いよいよ、イベントがスタート!
イベントステージでは三重高校ダンス部『SERIOUS FLAVOR』、紀北健康スポーツクラブダンススクールによるダンス、『KIHOKU戦隊アババイン』によるショーが開催されました。

 

そして、午後8時。
海に浮かぶ大燈籠(だいとうろう)の灯りが、いっそう際立ち始めると・・・待ちに待った、花火です!

 

「毎年、場所を取って見てるんですけども、素敵でした。
ワクワク感もいっぱいで良かったです」

「地元の紀北町です。
この数年ずっと、見たいなと思いながら夏を過ごしてきてた分、楽しめました」

お客さんたちも感慨深げです。

 

「終わってみれば、いい祭りやったなっていう、安堵感。適度な疲れ。
ここからまた、片付けがすごい忙しいんですけど、でも本当に良かったと思います。
やったらやった分だけのものが返ってくるのが、『きほく燈籠祭』です。、
これからも、若い人らと一緒に続けていければ本当にいいなと思います」

と、『紀北町燈籠祭実行委員会』第22代実行委員長の東征彦さん。

「小さな力、大きな力、たくさんあるんですけど、その力のおかげで成り立っているお祭りだと思います」

と、『紀北町燈籠祭実行委員会』事務局局長の井谷雅さん。

「今年も、若い子が入ってくれて活気づきました。
実行委員会だけではなく、町全体で祭りを支えていくというか、町の人たちが自分事に思ってくれて、そういう気持ちが、未来へと繋がっていくのではないかなと思うので、もっと燈籠ファンを増やしていきたいという気持ちがあります」

と、話すのは、『紀北町燈籠祭実行委員会』委員長の北出さん。

来年も『きほく燈籠祭』は続きます!!