FM三重『ウィークエンドカフェ』2023年9月2日

松阪市飯高町波瀬地区。
奈良県境に近いこの場所は、四季折々の美しい花が咲きます。
今回は、松阪市『波瀬植物園』施設長の福本博行さんがお客様。
自然の地形を生かし、四季折々の草花が咲く場所です。

瀬は花の種類が多い場所。植物園は昭和63年にオープン

このあたりは、緑と川の水、それが売りですかね。
ここは地元で山林経営をされている田中さんという方が、従業員の最後の働き口として、さらに地域おこしを兼ねて、昭和63年に植物園をオープンしました。
約2ヘクタール強の広さがあります。
主に地元に生えている山野草花木などを集め、そしてまた石を並べてあります。
春先が花の種類が多いですね。
芽吹きの春、という感じですね。
春は春らしく、夏は新緑というのかな。
秋は紅葉の季節、冬は雪が降るので、雪景色を見られます。
みなさん足を運ばれるのは、花の種類が多い春先ですね。
写真家、マニアの方、高齢の方が多いかな。
松阪市内から1時間20分ほどかかるので、ちょっと遠いかなと思いますが、関西方面からも来てくれます。
奈良・大阪・京都方面からね。
特に桜や水芭蕉の時期は、観光バスで来ていただいています。

 

の七草や桔梗がはかなくて良い

山野草の中でも、桔梗や、まだ咲いていないですが、トリカブト。
あとは秋の七草。
アサギマダラが飛んでくるフジバカマの花もあります。
私も五匹くらい群がっているのを見ました。
あと、秋はもみじの紅葉がきれいなんですわ。
波瀬地域の中でも、この近辺が一番紅葉がきれいなところかな。
もっと上流に行くと原生林みたいな場所もあります。
車では簡単に行けません。
紅葉してくる移り変わりが目に見えますが、やはり意識して見ないとわかりませんね。
落ちる寸前が一番色が濃いかな。
もみじなどでも、色がたくさんありますからね。
赤いのや黄色いのや、この中でも外来種は殆ど入っていませんが、日本の紅葉の代表など・・・イチョウ、もみじ、かえで、そういうのはたくさんあります。
特にドウダンツツジの紅葉が赤いですね。

 

の草刈りなどとても大変。冬になると大きな手入れをしている

夏は他の草の管理が大変です。
刈ってもすぐに生えてきますし。
管理を徹底してするのは、落葉が終わってから冬の間です。
1〜2月は休園にして、剪定などをします。
台風が来ると、枯れ枝が折れたり、水が止まったり・・・自然には逆らえません。
地球温暖化の影響で、花の咲く時期が10日ほど早くなってきています。
どんな花でもそうですね。
冬は逆に、雪の量が少なくなったかな。
桜にしても、この地域と、60km離れた松阪市内と、桜の咲く時期が変わりません。
どうかするとこちらの方が早い時があります。
彼岸花は草を刈ったあとの方が出やすいのかな。
白い彼岸花と赤い彼岸花があるのですが、今年は赤いのがまだ出てきませんね。
草を刈らなかったからかな。
時期的には出てくる頃なんですけどね。
赤白、同じように毎年咲くんですけどね。
ちょっと赤いのが遅いですね。

 

芭蕉は清楚で可憐な花

特に春の水芭蕉は、花の期間が長くて楽しめるので好きです。
あとは四季折々にいろいろありますが、人の好みもあります。
水芭蕉は可憐で清楚な感じがするので、好きです。
花が咲いたあとの姿を見ると、とても大きな葉っぱになり、驚きますけどね。
みんな花がそれぞれ特徴があります。
絶滅危惧種にされている植物、花が盗掘されることがたまにあります。
それが一番困ります。
取る人も「悪いなあ」と思いながら取っているんでしょうけど、希少な花なので、やっぱりほしいという気持ちになってしまうのかな。
欲しいからと取って、都会に持って行っても、気候が違うので育ちません。
それでも好きな人は欲しいんでしょうね。
この地域には『ヤマユリ』があります。
大きな花で、学名が『ヤマユリ』で、この地域では『波瀬ユリ』と呼ばれています。
この地域には咲かないのです。
他に持って行っても根が付きません。
松阪市では、あとはうきさと地区にありますね。
そのあたりでしか咲きませんし、希少な花です。
『松阪市の花』にも指定されています。

自然とふれあいながら生活する、という意味では、ここはとても優れていると思います。