FM三重『ウィークエンドカフェ』2023年9月9日

名張、赤目四十八滝。
渓流沿いには緩やかな歩道が続き、入り口には『日本サンショウウオセンター』があります。
今回はこちらの飼育主任である朝田光祐さんがお客様です。

とんどのサンショウウオは小型の生き物

サンショウはオオサンショウウオのイメージが強い人が多いと思います。
でも実はそんなことはなく、オオサンショウウオが特殊なんです。
ほとんどのサンショウウオは小型のものばかりです。
隠れる性質の強い生き物なので、こうして展示していてもなかなか姿を現しません。
そういう生き物です。
色は種類によっても個体によっても全然違います。
お客さんに見えるようにと展示するのですが、神経質な生き物なので、隠れる部分も必要です。
お客さんが見て楽しい部分と、生体にとってストレスにならないようにというバランスを考えています。
それでもやはり隠れてしまう。
実際に自分がお客さんのことを考えて、どうしたら楽しくサンショウウオを見られるかな、と思う部分と、サンショウウオにとってストレスのかからない環境で展示するという部分を併せて考えたときに、実際とても難しいと感じますね。

川に生息している魚を入れて、その魚をオオサンショウウオが食べる。
実際に行っているサンショウウオの行動が見える水槽として、展示しています。

 

ライストチャーチの自然や生き物も自身に大きな影響を与えた

私は現在22歳です、
パイプオルガン奏者として中学生の頃から海外で活動をしてきました。
さまざまな経験の中で今、改めて生き物が好きということを感じています。

幼い頃から生き物に対して『好き』という思いはありましたが、ずっとというわけではありません。
中学生くらいのときセミなど、虫が苦手になった時期があります。
しかし成長してからふと思いかえしてみると、「自分は生き物が好きなのかな」と思って、そこから勉強を始めました。
中学生の頃からニュージーランドのクライストチャーチという土地で、いろいろやらせてもらいました。
ニュージーランドも自然が豊かなので、日本では見られないような生き物をいろいろ見て、やっぱり生き物が好きなんだな、と思うきっかけになりました。
本来僕は爬虫類、蛇やトカゲが好きで、興味深く調べていました。
サンショウウオに関わるきっかけになったのは、サンショウウオを研究されていた先生にお声がけいただいたことです。
今の自分の置かれた環境ではおそらく、サンショウウオを研究することが、自分にとって良い方向に進ものかなと。
サンショウウオが特段好きで、サンショウウオに携わろうと思ったわけではないんです。
爬虫類の魅力は、安直な答えになりますが、カッコいい。
カッコいい。
その一言に尽きますね

 

カハライモリの生態を調べている

時間の許す限りいろいろ、赤目の生態を調べているんですけど。
例えば沼には、『アカハライモリ』がけっこういるので、そこのイモリを捕まえて、お腹の柄をすべて写真に撮って記録しています。
それからまた沼に放って。
ここには何個体いるのかな、と調べたりしています。
柄は個体によってみんな違うんですけど、アカハライモリというくらいなので、みんなお腹が赤くて、黒い斑紋がチラホラしています。
個体によって違うので、個体識別ができるので、記録しています。
現段階では32個体くらい見つけています。
しょっちゅう、こいつおるなというのはマヌケなんでしょうね。
人の前にすぐ出てきちゃうというか。
そういう子もいます。
オスとメスの違いは、アカハライモリはすぐにわかります。
尻尾の形が丸く葉っぱ状になっているのがオスで、対してメスはナイフのようにまっすぐになっている。
あと、繁殖期になるとオスの尻尾に婚姻色といって、とても青白く綺麗になります。
そういうのを見ると、すぐにオスだなとわかります。

 

事前に滝行をすることも。すっきりして仕事に取り組むことができる

僕の仕事は、子どもたちを自然ツアーに連れていったり、忍者修行のお手伝いをすることもあります。
ここでしか体験できないことを楽しんでいます。
滝に関しては、いろいろお話を聞いています。
四十八滝と言いますが、実際は48はありません。
僕は全然知らないのですが、聞いた話だと48は仏教の中では『とても多い』という意味なんだそうです。
実際には二十いくつしかなかったと思うんですけど。
今は特別展示展で、その中の不動滝から、赤目五瀑と言われている滝の模型を展示しています。
僕は『布引滝』がお気に入りですね。
岩が削れている、一本線が特徴の滝なんですよ。
カッコいいですね。
真っ直ぐで。
僕の性格的には、布引滝が一番面白いな、と思います。
滝行は赤目五瀑とは違う、『大日滝』というところまで上がって行って行います。
お客さんも滝行されますが、この前は、僕も朝に起きて、出勤する前の6時すぎに数人で来て、大日滝まで来て、滝に打たれました。
そこから戻って仕事をスタートさせる、なんてこともしています。
一日、なんだか違う気がします。
さっぱりすると言うか、気分が上がります。
滝行なんてなかなかできることではないので、それをしたあとに仕事をできるというのは、すごい環境だな、と思います。