FM三重「ウィークエンドカフェ」2012年11月24日放送

今回のお客様は、愛媛県大洲市出身の一宮嘉仁さん。
大学時代、長期インターンシップで『夢古道おわせ』に来ていました。
そしてまた、Iターン就職で、この場所に戻って来ました。

潮のかおり、山の空気、そして人のやさしさ・・・会いたい人たちがいる場所。
故郷を離れて、自分が成長する場所。

それが尾鷲の町でした。

一宮さんはインターン時代に『夢古道おわせ』の店長であった伊東将志さんを大尊敬!
伊東さんがアドバイザーとなった今も、日々、その姿を見て、学んでいます。

■横浜の塾講師を捨てて『夢古道おわせ』へ!

就職の時に、一時は横浜の塾で内定をいただいていたんです。
大学の4年間、塾でアルバイトをしていたため、塾というものがとても魅力的に見えて。
また、子どもが好きで、勉強を教えているのも好きで、子どもたちの成長に関わっているのが好きだったので、内定をいただいた時は嬉しかったです。

希望していた塾で嬉しいし、これから都会での生活が始まると思ったら、ちょっとウキウキドキドキしていたんですけど・・・なんかこう心に引っかかる部分があって。

そもそも僕が大学時代に、ここ『夢古道おわせ』にインターンで来たのは、自分の故郷の町を元気にしたい、出身の愛媛県大洲市を元気にしたいと思い、それを尾鷲で勉強するためだったんです。

その気持ちが、いつの間にか抜けてしまっていたんですね。
伊東さんに「塾に内定が決まりました」と報告をした時に、
「あれ、お前、町づくりがしたいんじゃないの?」
と言われて、ハッとなって。
そうだ、僕は町づくりをしたいんだ!と。

もちろん塾も好きなんだけど、それが心に引っかかっていたものだと気づいて。
そして気づいた時に、「じゃあどこだ?」と考えて即座に浮かんだのが『尾鷲』。

自分の町づくりを考えた原点の『尾鷲』です。


■町づくりをしていくという夢を勉強できる場所

一宮

そもそもは、尾鷲を選んだというより、インターンするにあたって一番に考えていたのは『プログラム』と『そこにいる人』。
だから、例えば人口100万人の都会であっても、中国とかアメリカとかの海外で会っても、場所はあまり関係なくて。
自分のしたいことと『町づくり』がしたいという思い、それを叶えられる場所はどこかを探した時に、尾鷲だったんです。

尾鷲を選んだ理由は、『夢古道おわせ』の当時店長だった、伊東将志さん。

インターンする前には正直、尾鷲という町自体には全然興味がなかったのですが、全国のインターンシップの情報を載せているサイトがあり、そこに、『夢古道おわせ』の当時の店長、伊東さんが、
「町づくりをするなら、ウチに来い!」
みたいなことを載せていたんです。
他にも、全国のインターンシップの情報を見たんですが、その言葉だけが強く心に残っていて。
ここに来たい、と。


伊東
そんなこと言っていたっけ、覚えてないなあ(笑)
最初にインターンシップに申し込んできたのが、女の子だったんですよ。
「へ~、女の子も来るんだ、イイなあ」って思っていて。
で、次に申し込んできたのが、男子の一宮君だったんです。
「え?男かあ」って(笑)
どっちかというと女の子のほうがチャレンジ精神が強いんですよ。
でも男の子で、しかも愛媛からって聞き、さすがにビックリしましたね。

インターンするには2~3ヶ月、住み込みになるわけです。
お互いにとっていいようにならなかったら、やめたほうが良いですから、最終面談で、直接会って採るか採らないかを決めるんです。

でもよく考えてみたら、愛媛から来ているわけですよ。
断れないですよね、基本(笑)

けどね、今でこそちゃんとできてますけど、彼は最初、正座ができなかったんですよ。
面接の時に、30秒くらいで「足崩していいですか?」と訊かれたのが、忘れらないですね(笑)


一宮
愛媛と尾鷲・・・最初はけっこう違和感がありましたね。
僕のところは基本、山と川の町。
人間的に大人しいんですよ。
尾鷲は海の町なので、60歳を越えたようなおっちゃんとかが、夜、へべれけになって歩いているのを見て、元気だなあ、と。
それから、とても言葉遣いが荒いので、最初は戸惑いました。
みなさん、お風呂とかでも気安く話してかけてくれるんだけど、最初はホントに怒られているのかと思いました。
内容的には普通なんですけどね。
今、やっとわかってきところです(笑)



■伊東さんが教えてくれたもの

一宮
伊東さんから学んだもので一番大きいのは、「人を大切にする」であるとか、「出会いに感謝する」とか・・・そういうことだと思うんですよ。
で、実際に僕が夢古道に入社し、今年インターン生を受け入れて、自分が大切に思っていることを伝えようとしたら、最初は、「え?なにそれ」みたいな感じで受け取られたんです。

今回受け入れたのは女の子2人だったのですが、その子たちが帰る時に、手紙をくれたんですね。
そこに「言っていた意味がわかりました」と書かれていたのが、すごく嬉しかったな~・・・。

でも、今年入って、いきなりのインターン生の受け入れ。
立場が変わったので、ドキドキでした(笑)


伊東
僕も今でも、相当コワイです。
何だかんだ言って、来る子はみんな真面目で優秀なんですね。
真っ直ぐな子が多い。
そうなると、本当にごまかしがきかない。

一日の半分以上横についていて、
「今のは、どうしてこう考えるんですか?」
「素晴らしい考え方だと思うんですけど、いつからどういう風に考え始めたんですか?」
とか、いっぱい質問を聞かれるわけですよ。
で、スゴイスゴイと言われ続けるその毎日。
まったく息が抜けませんよ。
本当に(インターンの子たちに)育ててもらっています(笑)


一宮
とは言っても、インターン生も楽なわけではなく、それはそれで大変です。
ついていくので一生懸命。
今までは大学生で好きな時に寝て、好きな時に遊んで、明日は何にもないから深夜まで遊んじゃおう・・・みたいな生活をしていたのが、いきなり『仕事』っていう場に、ガラっと変わってくるわけですよ。
就職の内定をいただいて、とか、入社式に出て・・・とか、覚悟をする間もないですからね。
やっぱりついていくのに精一杯。
やっている側は大変だと思います。



■学生たちを幻滅させてはならない!

伊東
プログラムや人に魅力を感じて、インターン生は飛び込んでくるわけですよ。
アメリカであろうが東京であろうが沖縄であろうが・・・場所はどこでも良いんです。
自分に合ったプログラムとかミッションとか、面白いなと思った企業や経営者に会いに来るわけですよね。
で、自分はそこで1~2月弟子入りしたい・・・。
そう思うと、僕らは彼らから見られている、逆の立場なんですよ。
彼らは少なからずこちらに惚れて来るわけなので、こちらとしては、ずっと惚れさせ続けなければならない。
ちょっと恋愛チックですよね。

そうすると、「幻滅させてはいけない」ということを、自分で意識するようになるんです。
つまり、彼らから見られて恥ずかしい行動というのを、しなくなるんですね。
もしくは、普段はあまり言わないような、仕事に対する情熱や思いを言葉にするようになる。
実はそれって、普段の生活ではあまりないことなんですよね。
そして気づくと、自分自身が成長している。
そういう意味では、僕をすごく成長させてくれた一宮くんには、非常に感謝をしています。

それはイコール、会社にとっても良い影響を与えてくれると思うので、インターン生というのは、教える方にとっても、非常に重要な存在だと言えますね。