三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2023年10月22日
津市栗真町屋町で耕作放棄地の再生に取り組みながら、かつて、地域の特産品だったサツマイモ栽培を行っている『町屋百菜』のみなさん!
育てるサツマイモを「町屋芋」としてブランド化した。さらに、スーパーなどに出荷できない規格外のサツマイモを加工品の材料として使用した“新たな特産品作り”にも取り組んでいます!

津市、三重大学近くにある『中村酒店』です。
創業45年!
開業当時は、買った酒や量り売りの酒を店内で飲む『角打ち』でしたが、現在は酒屋兼立ち飲み店となっています。
こちらに、今回ご紹介するゲンキさんにまつわる商品があるそうなんです。

 

それがこの本格芋焼酎『百菜』!

 

「町屋の有志が立ち上がり、作った芋で焼酎を造りました。
とてもフルーティーな香りで、サツマイモ独特な甘い味わいがします」

と、中村酒店の中村勝彦さん。

 

さらに今年発売したのが、焼酎に合う『町屋芋けんぴ』。
焼酎に合う味に仕上げるため、プレーン味はなく、ガーリックチーズ・抹茶・シナモンの3つの味となっています。

 

こちらは芋焼酎『百菜』そして『町屋芋けんぴ』の原材料であるサツマイモを育てている、町屋の芋畑です。
『町屋百菜』のメンバーは、みなさん農家なんでしょうか。
『町屋百菜』代表の西田尚郎さんにお聞きしました。

「農家は一人だけで、あとのメンバーはサラリーマンや公務員、または退職した人もいます。
畑づくりに関しては、全くの素人です」

と、西田さん。

 

「このあたりは砂地で、昔からサツマイモはこの辺栽培されてきたんです。
そして手間いらずというのが一番大きいですね。
他に仕事をしながらでも畑作りができるのです。
ここは草も木も生い茂っているような耕作放棄地でした。
そこでみんなで畑にしようということで、サツマイモ作りをはじめました」

 

「しかし味は同じでも形が良い芋が取れる割合いはあまり高くありません。
そういった商品に向かないお芋を使って、芋焼酎を作るという所につながっていきました。
みんなと協議しながら、お酒飲みが多いので芋の焼酎でも作ろかうか、というのが発端です」

 

住民有志が『町屋百菜合同会社』を2020年に立ち上げ、耕作放棄地を再生しようと、16アールの土地を耕しサツマイモ畑にしました。
芋焼酎を作り始めたのは3年前から。
特産だったサツマイモを栽培して『町屋芋』としてブランド化。
津市の米も使って、長崎県の醸造所に作ってもらっています。

「もともとは町屋百菜の親団体といいますか、団体が『町屋百人衆』という、この辺の町おこし団体なんです。
ボランティアの団体の有志が出資して『町屋百菜』という会社を作りました」

と、西田さん。

 

そうなんです!
『町屋百菜』のみなさんは『町屋百人衆』のみなさんでもありました。
町屋百人衆は、津市栗真町屋町の地域興しグループ。
主な活動は、『海岸清掃・保全活動』。
これは三重大学と連携して続けられています。

 

また地域の伝統芸能の復活にも大きく貢献。
津まつりで舞い踊る巨大龍踊りも、みなさんの取り組みです。

 

「僕は最初からやからね4年目ぐらいです。
百人衆の設立当初から一緒にやっています。
『町屋百菜』の芋づくりは、最初に苗を刺してその後はもう収穫なので、あまり手間かからなくて楽ですね。
こういう作業してその結果ができてくるわけですから、肉体的にはしんどいですけどやりがいがあります」

と、加藤和巳さん。

「もともとあった百人衆の中で、芋掘り、荒廃農地をなんとかしようとしている話に入れてもらいました。
去年から芋けんぴを作るようになり、何度も買いに来てくれる人もいます。
もっと購入してもらえるよう、がんばるしかないですね」

と、奥山太平さん。

「私も『町屋百人衆』を立ち上げてからずっとになります。
地域の活性化になるので、こういうことが他の若い人たちにつながっていけばなあと思います」

と、大河内忠幸さん。

 

形のいいものは、スーパーへの出荷用。
形の悪いものは、焼酎や芋けんぴの製品用と、畑である程度選別します。
さらに作業場に運ばれ、洗浄した後さらに選別。
出荷用と加工用に分けられます。

 

この日の作業を終えて、おやつタイム。
特別に芋焼酎で乾杯です。
こちらの芋焼酎、思っているほど匂いがきつくなく、まろやかで、風味が良いのが特徴。
焼き芋のような香りがします。

 

芋けんぴとしては珍しく、甘くないガーリックチーズ味もオススメです。
『町屋百菜』『町屋芋けんぴ』は『中村酒店』、『道の駅 津かわげ』で販売中です。

 

「みなさん、それぞれのプロです。
ですからいろいろな技術を持った人、いろいろなアイデアを持った人がいます。
その人たちが自分の技術とかアイデアを持ち寄ってアイデアを出したり行事をしたりしています」

と、『町屋百菜合同会社(NPO法人町屋百人衆 会長)の坂野大徹さん。

「今後の展開については、高齢化になってきているので、子供なり孫なりの世代が入って
きて一緒に活動できたらいいですね。
それが一番、続いていく絶対条件だと思います」

と、加藤さん。

「商品自体は徐々に売れていますが、まだまだ販路が不十分です。
地元だけで販売している状況なので、もっと知名度を上げて販路拡大をしていきたいと思います」

と、『町屋百菜』代表の西田さん。

津市町屋の芋焼酎と芋けんぴは、いかがですか。
お問い合わせは『町屋百菜』ウェブサイト、もしくは中村酒店(059-232-4024)へ!