三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2023年11月19日

四日市市で地場産業の魅力を伝える、カフェを備えたオープンファクトリー『四日市ファクトリーカフェ』がオープン!
母体となるのは、四日市市の老舗の金属加工会社『中村製作所』。
中村製作所では近年、切削加工の技術を活かして四日市市の地場産品である萬古焼の調理器具『ベストポット』の製造に取り組み、全国に発信しています!
自社製品の強みや、萬古焼、四日市市の魅力をもっと広く伝えたいと、今年新しく稼働させた自社工場の一角を使い、製造過程を見学出来たり製造体験が楽しめるオープンファクトリーとして地域に開放!
更に、ベストポットを使って炊き上げたご飯を楽しめるメニューなどをカフェスペースで味わうことができ、町工場を閉ざされたイメージから、人を楽しませる「魅せる場所」に!

四日市市下さざらい町。
四日市の地場産業、そして特産品の素晴らしさを伝え、ものづくりの楽しさを体験できる施設、『四日市ファクトリーカフェ』です!

 

店内はとても広いです!
ピザ窯があるカフェ的なスペース、さらに大きな機械も置いてありますよ。
一体ここはどんな施設なんでしょう。

 

「『四日市ファクトリーカフェ』は弊社がここの工場で作っている萬古焼の鍋の、製造工程などを体験できるカフェとなっています。
体験で作った料理やここで提供している料理を楽しむこともできます」

と、石田琢真さん。
見て、体験して、楽しむことができて、しかも食事までできる!
ワクワクしますね!

 

『四日市ファクトリーカフェ』をオープンさせたのは、『空気以外なんでも削ります!』をキャッチコピーに、工作機械部品の加工を請け負う、創業100年の歴史を持つ『中村製作所』。
ものづくりの町・四日市が全国に誇る金属加工の会社が、なぜ『カフェ』をスタートしたのでしょうか。
そしてなぜ、『萬古焼』なのでしょうか?

 

『中村製作所』4代目社長、山添卓也さんにお聞きしました。

「『中村製作所』が削っているものは機械の部品、飛行機の部品、ロケットの部品などです。
また、一番最初に作った自社ブランドの商品にチタンでできた印鑑『SAMURA-IN』があります。
精密に削ることで印面もしっかり仕上がります」

 

「そしてこちらがオリジナル商品『best pot(ベストポット)』です。
四日市市の伝統工芸である『萬古焼』と鉄の鋳物、それを繋ぎ合わせる高度な切削技術によって生まれた、無水調理ができる土鍋です。
美濃焼の湯のみを手掛けた際の陶器を削る技術を活かし、地元が誇る伝統産業を盛り上げたいと『萬古焼』の土鍋の開発に着手しました」

 

「『best pot』がどんなに良い商品でも、食べてもらわないとその違いを感じてもらえないのではと思っていたところ、材木屋の倉庫だった建物紹介してもらいました。
その建物をリノベーションし、自社の新工場を稼働させるにあたり、念願だったカフェ併設のオープンファクトリーを開設しました。
ケーキ屋さんのパティシエさんのように、見てもらうことで『すごい』と思ってもらえると職人たちも自分たちの仕事が意味・意義のあるものという形で捉えてもらえますし、喜びの声が直接聞けると、僕たちのモチベーションも上がります」

 

カフェの奥は工房になっていて、ここでは『best pot』づくりの体験もすることができます。

 

一番最初は型に土を流し込むという工程。
この土を乾燥させまして、乾燥させた後に出っ張っている『バリ』という部分を削り取る作業があります。
バリ取りは職人さんがひとつひとつ手作業で行います。
この様子は誰でも見学が可能で、さらに体験することもできます!

 

バリ取りが終わった商品は窯で素焼き。
その後、釉薬をかける作業へと移ります。
こちらも体験可能です。

 

そして最後は釉薬をかけて再度焼いた商品を、カフェの1階にある機械で削る作業。
『中村製作所』の技術が発揮される工程。
航空宇宙産業の部品加工にも携わる1000分の1mmの誤差を保証する高精度技術で鍋と蓋の接合部分を削ります。
こちらは見学のみとなります。

 

そして、『best pot』による炊飯体験!
浸水させたお米に水を入れて、蓋をして炊飯。
沸騰した後に15分〜20分ほど蒸らすだけで、ご飯が炊きあがります。

 

萬古焼と『中村製作所』の技術で炊き上げたご飯を味わえるメニューがこちら!
椎茸とアオサの佃煮、四日市市水沢町『マルシゲ清水製茶』のかぶせ茶の佃煮、おかか、青菜とたまご。
土鍋ごはんとごはんのお供、味噌汁のセット『土鍋ごはんとお供セット』1200円(税込)です。
かぶせ茶の佃煮はお茶をとったあとの葉を使っていますが、お茶の栄養素の70%が出がらしに残っていると言われているそう。
栄養満点です。

 

それにしてもおかずにご飯が負けていません!
ひとつひとつの粒がしっかりしていて、お米の甘みを感じます。

 

「『中村製作所』の仕事があまり人の目に触れないものばかりなので、実際に誰かの目に止まって実際に喜んでもらっている姿を見ることができるのは、大きなやり甲斐に繋がったので、良かったと思います。
敬遠されがちなイメージがある『工場』ですが、僕らは地元の方にも貢献したいと思っていますので、この地域の方の憩いの場としても使ってもらえたら、とても嬉しいです」

と、石田さん。

「製造業はいま、どんどん人が離れている場所ではあります。
しかしその一方で『ものづくり』の楽しさをやっぱり知ってもらい、遠い世界に感じていたものを、身近に感じられるようなものを作っていきたいと思っています。
私たちは四日市と共にずっと歩んできた会社なので、四日市をもっともっと知っていただきたいと思っています。
そのためには自社の商品だけでなくて、四日市の食材や伝統工芸品をここで販売して知ってもらいたいです。
もしくは音楽やスポーツなど、さまざまなイベントができるような、人が集まってくるお祭りのような場所にしていきたいですね」

と、山添社長。

四日市の文化、技術を、『四日市ファクトリーカフェ』で味わってみませんか!?