三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2023年12月10日

農薬、化学肥料を使わずに野菜を生産している農家グループ『ななほし会』!
現在、県内の5軒の農家が集まり、それぞれのメンバーが個々に農薬や化学肥料を使わない農業に取り組みながら、グループとして、共同出荷や情報交換などを行っています!

大台町にある『道の駅・奥伊勢おおだい』です。
店内には、地域の特産品がいろいろと揃っていますね!

 

そしてこちらは、地元や近隣の方が育てたお野菜が並んでいます。
今回、探していたのは、この『てんとう虫』の印が付いた野菜!
『ななほし会』と書いてありますね。
そして、『農薬を使っていません』と表示されています。

 

てんとう虫マークの『ななほし会』の代表、『百合農園』の遠藤実華さんです。

「『ななほし会』とは、農薬や化学肥料を使わずに農業をしている農家の集まりで、今、県内で5軒おります。
それぞれ農業は別々でやっていますが、共同で出荷する所もあったりとか、集まって勉強会をしたり、見学会をしたりしています」

 

遠藤さんの『百合農園』です。
今、行っている作業は、『ソルゴー』という植物を畑に撒いて大きくして刈るというもの。
土作りのために作っている植物を育て、すき込み、土地を越えさせるという作業です。

 

遠藤さんたちが考える、農薬を使わない農業とは?

「例えば、虫の対策ならなるべく(虫が)出ない時期に作付けをするとか、病気にならないような『丈夫な野菜作り』や『病気に強い品種』を作ったりなど、いろいろな対策をしています。
また、ハウスでは『防虫ネット』という目の細かい網戸の網のようなもので覆ったり、それでも入ってくるような虫の場合は『不織布』というマスクの生地で使う紙のような布で覆って防いでいます」

遠藤さんが農業を始めたのは1999年。
先輩農家に相談に行った時に、「これから農業を始めるなら一緒にグループとしてやらないか」と誘ってもらい、その時に『ななほし会』を設立したということです。

 

この日は『ななほし会』の勉強会。
場所は鎌田友生さん、里絵さん夫婦が営む多気町の『わ菜園』です。
メンバーが一同にそろいました!

 

鎌田さんが持っているのは、人参。

「採れたてなので甘いと思います」

 

松阪市飯南町の『やまもり畑』の青木亮治さんは、蕪を手に。

「ツヤツヤで、とても美味しいです!」

 

津市久居の『翌檜農園』の大宮安雅さんが手にしているのは、小松菜とピーマン。

「最近の小松菜の多くは青梗菜と交配されているんですが、これは昔の純粋な小松菜なので、葉が柔らかくて味も美味しいです。
ピーマンも大きさ見てもらうとわかるんですけど、とても大きいんです」

 

多気町の野呂元士さんは、里芋とじゃがいもを。

「この里芋は農業を始めた時からずっといい奴を選抜してきて、ずっと作り続けている品種で、もう30年以上作り続けています。
じゃがいもは『キタアカリ』という品種、赤い皮のは『レッドムーン』という品種です」

 

畑での勉強会が始まりました。
『ななほし会』ではグループ設立当初から、毎月1回、メンバーの農園に集まり、勉強会を開いています。

「他を見ないと分からないことは、いっぱいあると思うんですよ。
それで実際に、人がやっているのを見て、自分もこうしようと思えるので、月1回の勉強会はおよそ20年間、毎月開催しています。
大切なことだと思います」

と、野呂さん。

 

鎌田さんと、メモを取る大宮さん。

「鎌田さんが育てている白菜の品種をメモしています。
ここ数年、白菜をちゃんと作っていなかったので ガラパゴス状態なんです。
鎌田さんはもう、先生ですね。
自分が作っていないものを作っているので、チャレンジするきっかけにもなります」

と、大宮さん。

 

『ななほし会』は、現在、代表をつとめる遠藤さんが農業を始めた1999年に設立されました。
発起人は、メンバーの野呂さん。
農薬、化学肥料を使わない野菜作りを始めて、30年以上になります。

「設立の前、10年ぐらいから農業をやっていて、遠藤さんがうちに、野菜を作りたいと相談に来たんです。
その時に同時に、生協さんから野菜を出荷してほしいという話があり、どうせ出すのならグループを作ろうかと、遠藤さんと大宮さんの3人でグループを立ち上げました。
その時から農薬や化学肥料を使わないというこだわりは変わっていません」

と、野呂さん。

 

「『ななほし会』のマークは『てんとう虫』です。
てんとう虫は野菜の害虫である『アブラムシ』を食べます。
我々は無農薬で野菜を作るということで、そのイメージにピッタリなてんとう虫をマークにしました。
てんとう虫のマークは、子どもでもわかります。
『ななほし会』という名前は覚えられなくても、てんとう虫のマークを見たら『てんとう虫の野菜』ということで買ってくれるんです」

と、野呂さん。

 

畑での勉強会が終わった後、メンバーが育てた野菜を食べながら、さらに意見交換が続きます。
みなさんが持ち寄った野菜の料理がこちら!
鎌田さんの人参は甘く、歯ごたえもシャキシャキと良いです!
野呂さんの里芋は、味付けは出汁のみ。
トロッとして、野菜の美味しさそのものが出ています。

 

『ななほし会』の魅力について、遠藤さんにお聞きしました。

「それぞれ、やり方とか違ってたりもしますが、そういうのを尊重してくれるというところが良いと思います。
それぞれが納得いける農業ができていけたらなと思います」

みなさんも『ななほし会』の野菜を食べてみませんか?