三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2023年12月17日

『ミステリアスなまち 名張』――隠れメニュー『謎めし』の提供を市内の飲食店が開始!
注文して出てくるまではどんな料理かは内緒で、食べた人も「他言無用」!
提供店の地図は作らず、どの店が対象かは名張に足を運ぶまで不明、という徹底ぶりです!

みなさんご存知ですか?
『怪人二十面相』や『少年探偵団』など、日本の推理小説の礎を築いた『江戸川乱歩』は名張出身なんです。
ですから名張駅前には、このように江戸川乱歩の銅像が立っています!

 

名張駅西口近くの和食店『賛急屋』前に、『謎めし』と書かれたタペストリーが。
このイラストのモチーフは『怪人二十面相』ですよね。
しかも『他言無用』と書かれています。
これはミステリアスです!!

 

お店の方に『謎めし』の内容をお聞きしたところ、『謎』だけに言えないとのこと。
そして出てきたのがこちら!
え、お味噌汁と白いご飯だけ?

 

ここから一手間。
ひっくり返すとのことですが…。

 

「ちょっと待った!」

止めに入ってきたのは、『名張商工会議所女性会』会長の谷口美智代さんと副会長の豊岡千代子さん!
そして名張市のマスコットキャラクター『ひやわん』。

「そこから先は『謎めし』なので見せられません!」

えええ、取材に来たのに!?

「私たちはこの『謎めし』を名張の町に発信しています。
でも、『他言無用』なので、ここからはNGなんです!」

「これは遊び心のある方に是非食べて頂きたいものなので、そこから先は内緒!!」

う〜ん、う〜ん、ひっくり返したいなあ!

 

『謎めし』。
それは『ミステリアスなまち なばり』をPRする、まさに『謎』のメニュー。
食材や調理法、見た目や名称、由来などに工夫を凝らし、謎と驚きと感動をもたらすメニューのこと。
名張商工会議所女性会が中心となり、地域の飲食店の協力を得て展開。
キーワードは、『他言無用』です!

 

こちらは名張で『ひやわい』と呼ばれる、細い路地。
昔は『名張』は『隠(かくれる)』と書いて『なばり』と呼んでいました。

「赤目四十八滝で忍者が修業していたということ、観阿弥が創座した地ということもありますし」

と、谷口さん。

「赤目の方には忍者の百地三太夫の生家もあるんです!
本当にミステリアスですよね」

と、豊岡さん。

これぞ『ミステリアス名張』!!

 

しかも『ひやわい』を抜けた先は江戸川乱歩の生誕の地!
碑が建っていますね。

『謎めし』に取り組むきっかけを、谷口さんにお聞きしました。

「今年が江戸川乱歩の作家デビュー100周年、来年が誕生130年、再来年が没後60年と節目の年が続くことから、乱歩に因んだ取り組みで生誕の地・名張のPRに繋げようと企画を考えました。
江戸川乱歩の愛好家であり、名張市内で結納品店を営む小島敏孝さんが、8年ほど前から『謎めし』で町おこしをしたいと提案していたことに、名張商工会女性会が賛同し実現しました」

 

名張市の赤目地区にも『謎めし』を提供するお店があるそうです。
それがこちら『湯元赤目 山水園』。

 

『謎めし』には定義がないので、すべてお店の方にお任せ。
こちらでは、この会席料理の一品として『謎めし』を取り入れています。
真ん中の、怪人二十面相の描かれた紙の下が、そのようですね。
では、オープン!

 

『謎めし』は巻き寿司の『乱歩巻き』!
赤目地区で放置竹林の活用に取り組む団体が作った『赤メンマ』や『伊賀牛』のローストビーフを具材に使用しています。
江戸川乱歩の代表作『怪人二十面相』の黒マントをイメージし、すし飯には黒米と赤米を使用。
具材は全て三重県産にこだわっています。

いろいろな具材が入っていて、口の中が楽しいですね!

 

「『これ』という指定がなかったので逆に難しかったです。
どうしたらいいんかな、みたいな。
ああでもない、こうでもないと試行錯誤しましたが、これが完成形ですね」
今は懐石料理で出させてもらっていますが、やはり敷居が高いということもあるので、お昼の定食でも提供しようと考えています」

と、料理長の岸田真央さん。

 

こちらの『謎めし』は、まちかど博物館『はなびし庵』としても知られる、『すみた酒店』。
こちらの店主と奥様は、名張の歴史を伝える影絵を創作。
その魅力を伝えています。
なんと、乱歩が登場する作品もあるそうですよ!

 

食事ではありませんが、以前から販売中の、江戸川乱歩をイメージしてつくられたオリジナルの地酒『乱歩誕生』で『謎めし』企画に参加しています。

 

続いて、製菓・製パンの材料等を販売する『ココプレイス』。
こちらの『謎めし』はベーグルとなっています。
江戸川乱歩の作品の登場人物、明智小五郎にちなんで、彼の好物を生地に配合しています。

 

「乱歩さんの生誕地として広くみなさんに知っていただいて、沢山の本を出版されているので、それを読む機会になればいいなと思っています」

と、店主の北森陽子さん。
ちなみに明智小五郎の好物がなにかわかりますか?
食べてのお楽しみです!

 

続いては、伊賀肉の生産販売する『精肉のオクダ』です。

「生産直売で『伊賀肉』を専門にさせていただいてまして、今回は『伊賀肉』をメインに使わせていただきました。
『謎』は、お肉に仕掛けがありまして、焼いてからわかりますので、楽しんでいただけたらと思います。
もう一つ仕掛けがありまして、この紙とチャッカマンが必要になります!」

と、奥田隼士さん。
お肉にも演出にも『謎』があるということですね!

 

今月、12月1日から『謎めし』をスタートさせたのは、『日本料理花いかだ』。
2日前までに予約が必要です。
果たしてどんな『謎』で、私たちを楽しませてくれるのでしょう?

 

「『謎めし』もやっぱりひとつの『おもてなし』だと思うので、遊び心を持って取り組んでいただけたらなと思っています。
今は和食店や洋食店などの飲食店が重ですが、和菓子や洋菓子などにも広げていきたいですね。
女性会としては、ちょっとずつまたいろいろな事業を考えております。
でもそれは…『謎』です」

と、谷口さん。

みなさんも、『謎めし』で名張の魅力を解き明かしてみませんか?
参加店も、募集中です!