三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2012年12月16日放送

渓流釣りを楽しみながら、なんと30年間欠かさず、アマゴの卵を放流!
自然の恵みをいただくからこそ、自然を守り、自然に感謝します!

突然ですが、『三重県』の名前の由来を知っていますか?
その由来の一つとして、「水辺(みずべ)」を、「みへ」とよんだことが転じたという説があるほど、三重県は湧き水や川が豊富なところ。
そんな豊かな淡水環境には、多様な生物が生息しています。


今回ご紹介するゲンキさんは、川と自然を守るため、30年にわたって宮川にアマゴの卵を放流している『三重渓流倶楽部』のみなさんです!


『三重渓流倶楽部』代表の野田正美さんは、テレビ、ビデオ、釣り情報誌などに登場する渓流釣りの達人。
みんなで、もっと渓流釣りを楽しもうと30年前に倶楽部を設立しました。
会員は全国に100人。
県内にも20人の会員が在籍しています。

野田「自然環境に一番敏感なのは、一番山の奥まで入って釣りをする渓流師なんです。山の調子悪くなれば、海も悪くなります。アマゴを放流することで、魚をまず大事にする。それから、ルールとかマナーを、重んじるようになりました。非常に良いことだと思います」


放流するアマゴの卵。
よく見ると、卵の中の黒い部分が動いているのがわかります。


この日、『三重渓流倶楽部』のみなさんが到着したのは、大台町の大杉谷。
アマゴの卵の放流は、出発地点から上流に向けて、4つのエリアに分かれて実施します。
一番奥まで行くグループは、なんとここからさらに40分歩き、高い所を通る登山道を進みます!


こちらが今回の放流場所の一つ。
アマゴの産卵場所をとなる『産卵床』を、人間が手と足で作ります。


『産卵床』に卵を放流すると、小石などで卵がせき止められます。
放流の後は、卵が流れていくのを防ぐため、産卵床に小石を掛けることも忘れずに。

放流する卵は全部で3万粒。
5日~1週間で卵はかえり、稚魚となって泳ぎ出すそうです。

「外敵に襲われるかもしれないけど、1%でも帰ってきてくれて、それがまた何年かしたら自然に産卵してもらう・・・我々は、そのための場作りしているわけです」
と、野田さん。


『三重渓流倶楽部』が放流しているアマゴの卵を、30年間ずっと提供しているのが、アマゴ養殖を行なっている『要泉園』の西要司さん。

西「彼らの取り組みは、最初から目的意識をしっかりと持っているので、僕らも協力のし甲斐があります」


アマゴの卵は、手で搾り出します。
アマゴは卵からかえって、まる2年のもの。


こうして搾り出したアマゴの卵に、オスの精子を掛けて受精させます。
川の生態系を壊さないように、宮川で生まれたアマゴだけから、卵を取りだしています。


放流作業の後は、冷たい水に入っての作業を終えたメンバーに少しでも温まってもらおうと、温かい鍋や食事でおもてなし。
これも30年間ずっと続けていること。
今回のメインディッシュは、地元で穫れた猪肉のバーベキュー。
豪快です!

※川での火の使用は特別な許可を得ています


自然の恵みをいただく。
感謝しながら、楽しみながら。

だからこそ、みんなでその自然を守る。
感謝しながら。楽しみながら。

これが三重渓流倶楽部の活動なのです。