FM三重『ウィークエンドカフェ』2024年3月30日放送

水辺に魚が泳ぎ、子どもたちが生き生きと暮らせる環境をいつまでも見続けられるように。
亀山市を中心に活動する『魚と子どものネットワーク』が大切にしていることです。
結成16年目を迎えたグループの代表、新玉拓也さんにお話を伺います。

学院生だった2008年に幼馴染と水辺の保全を守ろうと立ち上げた

魚の保全と子どもの自然体験に関わることをいろいろしています。
川で魚を獲ったりとか海岸清掃をしたりとか、里山塾のような講座を開いたりとかしています。
水辺の環境の保全というのが、魚が住む環境につながるので、それが一番メインです。
2008年、当時大学院生だった私と、幼馴染の後輩と二人で団体を作りました。
今年で16年目ですね。
大学の時は琵琶湖で環境の活動をしていたので、それを地元でしたいと思いました。
亀山の自然の中、特に川で遊んでいたので、川の魅力や生き物のことを伝えたいと思ったのが最初ですね。
魚が減っていると感じたので、そういうことでもありますし、川の工事など自分たちの知らないところで行われて環境が悪化しているのを見たりもするので、なにか自分たちで調べたこととかが活かせないかなと活動をしています。
最初は団体を知ってもらうためにいろいろなところで展示をしたり、環境フェアなどで発表したりなどでした。
イベントを重ねたりHPを作ったところ、それを見た人が来てくれたり、本当に少しずつですが、この活動を知っている人が増えてきたという感じですね。

 

辺を守ることはもちろん、産卵ができて絶やさないように取り組む

淡水魚の環境は、開発があったり農業では水路が改修されたり・・・そういうのが伴って良くなくなっているのが現状です。
貴重な魚がいる場所を調べたり守ったりしながらなんとかやっている感じで、決して良くはなっていないと思います。
亀山でいうと、『ヤリタナゴ』『カワバタモロコ』という魚が亀山市で守るべき魚だと私たちは考えていて、数か所しかいませんがそれらを守るのをメインに活動をしています。
生息している場所がこれ以上悪化しないように、場所自体を守るのもそうですし、魚が産卵して世代交代していくのを調査して、サポートと言うか、産卵を見守っていくというのがありますね。
魚好きの子もいますし、虫に詳しい子もいますし、ただただ外で遊びたい子もいます。
いろいろな子がいますが、元気に自然の中で遊ぶのは良いことだと思うので、そういう子どもたちにいっぱい来てほしいです。
一番メインの川が鈴鹿川で、亀山から鈴鹿、四日市に流れています。
その鈴鹿川に注ぐ支流がたくさんあるので、その支流が子どもたちが遊びやすいかなと思っています。
私たちも『椋川』という鈴鹿川の支流の川で遊んで育ちました。

 

学生の時に接した子供たちが大学生になってネットワークに関わってくれる

今は、環境問題やSDGs問題などを学校で習っているので、知識は持っているけど、なかなか体験や活動として持っていない子もいるので、そこを実体験をしてもらいたいと思っています。
私たちが講座で教えていた小学生の子が、大学生になって今の活動の手伝いに来てくれたりとか、コアメンバーになってくれた子もいるので、今後もそういう子が増えてきたら良いなと思います。
中学とかは部活がいそがしかったり、高校は大学受験を控えているので、そんなには来られないですけど、その中でも繋がり続けたらまた戻って来る子もいると思っています。
立ち上げの時はみんなが学生だったので、学校以外の時間をすべて注ぎ込みました。
当時はそういう時間もあったんですけど、仕事をしだしたり、家族ができたり増えたりすると、時間も限られてきます。
今までのようなスタンスではできないな、という変化はありました。
ギリギリつないで・・・。
川などの場所を提供すれば、子どもたちは本当に自由に、魚を獲ったり石で遊んだりします。
それを最優先にしていて、さらに興味を持ってくれる子のために、魚の種類であったり生態系であったりの知識をプラスαして、伸びる子には伸びてほしいと思います。
しかしまずは自然を満喫してほしい、自由に遊んでほしいというのがメインですね。

 

き物を飼うことはとてもいいこと。自由研究相談会は市の定例講座になった

今は保全活動をメインでしていますが、メンバーの殆どが子どものときに魚を飼っていて、それを通して好きになったということも多いので、参加してくれる子どもが魚を飼ったりするのは良いことだと思います。
今後、人が増えて活動内容も増えてきた中で、団体を維持しないといけないので、新しいメンバーや協力してくれる人を増やして、安定的に活動できるようにしていきたいと思います。
活動も1回ならがんばればできると思いますが、続けていこうとなると、いろいろな運営の仕方、仲間の集め方があります。
また、多少はお金があったほうが道具を買ったり、活動もしやすくなります。
そんな資金面の話とかを考えながらやっていく必要もあるな、と思っています。
最初は『こんな面白いイベントをしたい』『こんなにためになるのをやりたい』ということで、『自由研究相談会』というのをしたんですが、広報の仕方がわからずに、スタッフが10人で、参加者が1家族3人、みたいなこともありました。
その時、内容も大事だけど、参加者を集めることも大事だと痛感しました。
今はその相談会は、市の定例講座となっているので、活動をはじめてから10年ほど続いています。
もともとは亀山の自然の中で育って、魚が好きだったというのがあります。
大学のときの琵琶湖の活動で、魚が好きなことが自然のためになるということや、自然観察会などを通して、子どもの役に立ったという経験をしました。
今まで地元には迷惑をかけることが多かったと思いますが、そういうのが役に立てば良いなと思ってこれからもやっていきたいと思っています。

次の世代にも守ってもらいたいと思ったら、魚が好きだったり自然を大切にする子どもを育てないといけないので、そういうのを含めて、子どもたちとの活動を大切にしています。