三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年1月27日放送

ふるさとの山を少しでも継続して守りたい!
その思いから、間伐材を使った楽器『カホン』づくり!
さらに音楽を通しての地域づくりもしています!

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みなさんは『カホン』という楽器をご存知でしょうか。
中が空洞になった木製の箱で、ペルーが発祥といわれている打楽器。
叩く場所、叩き方で音を変える、まさに小さなドラムです。


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今回ご紹介するのは、カホンを使って地域の森を守り、森を大切にする気持ちを養っていこうと活動をしている、大紀町の『音創塾』とゆかいな仲間たちのみなさん!


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『音創塾』の中心的存在である堀木さんに、大紀町の山を案内していただきました。
こちらは間伐された山。
植えられているのはヒノキで、樹齢はおよそ80年~90年ほど。

堀木「ここの木は間伐という作業をしてあるので、木同士の間隔が広いんです。間隔が狭すぎると木同士が栄養を取り合って育たない。野菜を育てるのと同じように、ある程度場所をとって間引する必要があるんです」


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一方、こちらは間伐していない山。
木同士の密度が非常に高い状態です。
たくさん倒れている木は切ったものではなく、栄養の取り合いになり育たなくなって倒れてしまったもの。
間伐という作業をしても収入とならないため、したくてもできないというのが、現在の日本の林業の現状なのです。

ふるさとの山を少しでも継続して守っていきたい。
そんな思いから始められたのが、間伐材を使ったカホンづくり。
そして音楽を通じた地域づくり、『音創塾』です。


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『カホン』を実際に作っているのが、大紀町錦にある『K’s factory(ケーズファクトリー)』。
間伐材にこだわった木工工房で、尾鷲ひのきを使ったカッティングボードなど、さまざまな木工製品を作っています。

工房の越仮さんに、カホンを作り始めた経緯について、お聞きしました。

越仮「3年ほど前、ある楽器屋さんがカホンを作っているという記事を新聞で読みまして、訪ねて行ったところ、ひのきでも作れそうなことがわかったんです。
そして実際に作ってみたらひのきのカホンは音がとても良く、プロの演奏家からも絶賛していただき、継続して作り始めました」


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素朴な打楽器カホン。
越仮さんは細い間伐材を使うため、その分追加の作業が必要。
細い間伐材をつなぎあわせ、大きな一枚の板にしてカホンを作っていくのです。

打面を叩くことによって、丸い穴(サウンドボール)から音が出てくるのがカホンの仕組み。


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『音創塾』では定期的にカホンの体験教室を開催しています。
会場となるのは、紀勢道大宮大台インターを降りてすぐのところにある『HINOKIYA STOVE(ひのきやすとーぶ)』。
堀木さんが経営する薪ストーブ店です。


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音創塾に参加するのは、自分のカホンを持ち込む人、レンタルする人とさまざま。
初心者から経験者まで、誰でも楽しむことができることも、カホンの魅力です。


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堀木さんとギター担当の柏木さんによる模範演奏が終わると、体験教室スタート。
初めて参加する人のために、カホンの叩き方のレクチャーも。
簡単なのですぐ叩けるようになりますよ。


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「素人でも簡単にできるので楽しいね」
「ストレス解消になります!」
「座って叩くので、体全体に響きが伝わってくるのが心地よいです」
「素材が木なので、音にあたたかみがあるのが素敵だな、と思います。とても楽しいです!」

松阪市から訪れた夫婦、音創塾が始まってから毎回通っているという人、親子3人での体験・・・どの参加者の顔も笑顔で輝いています。

木に触れてもらい、ぬくもりを知ってもらうことが一番大切、と話す堀木さんと越仮さん。

木のやさしい音がする、森の打楽器『カホン』。
木の楽器をつくり、子どもたちと大人が楽しめる環境をつくり。

打ち鳴らす音が、人の笑顔、地域の輪、ふるさとの山々への思いをつなぎます。




■音創塾 ~カホン教室~
【場所】三重県度会郡大紀町滝原870-34『HINOKIYA STOVE』
【問合せ】『HINOKIYA STOVE』 0598-86-3709
     『K’s factory』(ケーズファクトリー)0598-73-3538
【参加費】 500円(カホンをレンタルされる方は+500円)
【ご案内】 2月15日(金)19時から開催されます

■K’s factory(ケーズファクトリー/工房)~カホン製作~
【場 所】三重県度会郡大紀町錦681−2
【問合せ】0598-73-3538