三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2009年12月20日放送

閉園寸前・・・ゲンキのない動物達・・・そんな状態を放っておけないと一念発起!
私設動物園再生で、動物も、地域も、お客さんもゲンキにします!

一昨年に紀勢・大内山インターが開通し、ますます近く、より便利になった大内山。
ここには日本で唯一の個人動物園、『大内山動物園』があります。


個人経営の動物園でありながら、なんと動物たちは50種450頭!
しかも園内は木をふんだんに使った、優しいつくり。
清潔感にあふれた園内では、動物たちと触れ合うこともできます。

しかし、数年前までは、ここは全く違った様子だったそうです。
所有者であった前園長が亡くなり、不衛生な状態のまま動物たちは取り残されていました。

園長の山本清號さん

山本さんは前園長とは古くからの知人で、生前から苦しい運営状態をみて陰ながら支援してきました。
前園長亡き後、引き継ぐ人がいないこと、そして取り残されている動物の姿・・・。
「このままでは、動物たちは処分されてしまう。それだけはさせたくない!」
その思いで、この動物園を引き継ぐことを決意したのです。

名古屋で暮らし、会社も経営する山本さんが動物園に到着するのは、お昼前後。
午前中は二十代の若いスタッフたちが動物園を守ります。
近くに飲食店がないため、山本さんが用意してきたごはんをみんなで食べるのが日課。
同じ釜の飯を食う仲間なんですね。

工事にあたったのは、地元の業者さん。
材料もできるだけ地元産の木材を使っているとのこと。
これは地域に少しでも貢献したいという山本さんの考えから。
ちなみにこの業者さんも幼いころ、かつての『大内山動物園』を訪れたことがあり、だからこそ今回のリニューアルに関われた事の誇りを持っているそう。

美しく生まれ変わり、今では、多くお客さんがやって来るようになった大内山動物園。
実は工事中から、仮オープンとして、お客さんに動物を見てもらっていました。

山本さん「みんな毎日毎日、開いてるんじゃないかって、見に来るんだもん。それだけ待ってくれているなら、中に入ってもらわないと(笑)」

今では休日ともなれば、多くの家族連れやカップルなどで賑わいます。
また保育園や老人会の遠足などの団体客も訪れるそうです。
大内山動物園は再生し、地域に多くの人が訪ねてくるようになりました。

動物たちのエサとなる、レタスやキャベツなど。
実はこれらは、地元の人たちからの差し入れ。
地域の人たちの心の中にも、動物園を守っていこうという気持ちが生まれているのです。

最初は山本さんひとりで引き受けた動物園・・・しかし今では地域の人たち、スタッフみんなが一丸となって支えていこうとしています。

動物たちが癒されることで、訪れるお客さんの心も癒される・・・山本さんをはじめとする『大内山動物園』スタッフは、そんな動物園を目指して、今日も頑張ります!