「ふれあい」Vol.40 2013年3月号

豊かな自然に恵まれ、 農作物、海産物とも豊富な南伊勢町。
産物に付加価値を与え、広めていくため 行政と民間が手を取り合い、独自のブランドを設立。
みんなで力を合わせて商品開発や販路開拓を行い、南伊勢町のファンを増やす取り組みを進めています。
ふるさとを愛する強い思いを持った活動を伺いました。

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萩原真郎さん
南伊勢ブランド開発実行委員会委員長


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山下正実さん(左)南伊勢ブランド開発実行委員会副委員長
濱地大造さん(右)南伊勢ブランド開発実行委員会副委員長

■ 良いものがいっぱいある 『南伊勢産』をブランド化

南伊勢町には海のもの、山のもの、素晴らしい産物がいっぱいあります。
私たちは地元にあるよいものを多くの皆さんに知っていただきたいと考え、販売を促進させるための様々な試みを行っています。
平成17年に南伊勢町が誕生し、新しい町の活性化プロジェクトとして、翌年に南伊勢ブランド開発事業がスタートし、その中の民間組織として「ブランド委員会」が出来ました。
委員会は、生産者を主体とした民間事業者の集まりで、「収益」の確保につなげるにはどうすればよいかをみんなが集まって考えはじめたのです。


■事業者同士が協力し チームワークで販売促進

自然豊かな南伊勢町は一次産業で得られる産物はたくさんあるのに、加工商品があまり多くありませんでした。
この課題を改善するため、私たちは、「商品開発」「販路拡大」「後継者育成」を柱にしたプロジェクトに取り組んでいます。
まず、始めに委員会は事業者向けの勉強会を行うことで、より一層の商品開発を促すようになりました。
ただ、そこで私たちは商品開発の厳しさを思い知らされました。
そのことが、事業者が商品開発を行う際、個々のリスクを十分考えた事業運営の徹底につながりました。
また、勉強会により、事業者は独自の製法や地元食材の良さなど、自分たちの強みを改めて理解し、もっとやれるという「自信」を持てたことが頑張る原動力になっています。

次に「販路拡大」についても、勉強会での課題整理が役立っています。私たちは小さな事業者ばかりなので、販路の新規開拓が容易ではありません。
そこで、事業者は、一つ一つの「商品」をPRするだけではなく、南伊勢産という「ブランド」全体を売り込むことが販売のポイントであると考えました。

そのためには自社商品だけでなく、仲間の商品も紹介できるように勉強しています。
また、事業者同士が情報交換する「場」を設け、コミュニケーションを深めています。最近では、新たに販路を開拓した事業者が仲間の商品を紹介するなど協働した販路拡大につながる成功例も出てきています。

さらに、私たちは行政や商工会が地元以外で開催してくれる様々な物産展などへも積極的に参加し、南伊勢ブランドを中心とした町の産品を情報発信しています。

3つめに「後継者育成」も大切な問題です。
私たちは長期的な視点で活動しており、活動を引き継ぐ人がいてこそ意味があります。
そのためには、若い世代が私たちの事業に魅力を感じ、自分たちもやりたいと思ってもらうことが大切です。
私たちも頑張るので、若い世代がここへ参加し、同世代の仲間を見つけ、切磋琢磨してほしいですね。


■ヒット商品を作るためお互いに力を合わせる

事業者は確実に成果が残せる新商品を生み出すことが必要です。
新商品を試作した際、味やパッケージデザインも意見し合い、ニーズに応じた商品づくりを行っています。
人脈やネットワークを活かした組織力により、新たな道が見えてきます。
みんなが素直に勉強し、頑張ろうという気持ちを持てているからこそ、こうして力を合わせて協力できるのだと思いますね。


■行政が認定するから信頼も注目も高い

『南伊勢ブランド』は南伊勢ものにこだわった産品について、町外の有識者などが審査し、認定されています。
全国的にも行政がこういったブランド化の取り組みを行っているのは珍しいことです。
「町が認定している」ことが商品への安心や信頼を高めてくれるので、認定シールが貼られた商品(現在は19品目が認定)は注目を集めています。

町の名前を背負っているので、『南伊勢ブランド』認定業者は、全員が高い意識でやっていかなくてはいけません。
そして、南伊勢町のものを広く知っていただくことで、最終的には「南伊勢」自体をブランド化し、南伊勢町の発展を図ることを目標としています。
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(あっぱれカレー)


■委員会企画の新商品登場 チャンスに変えたい

今年は、委員会が企画から関わった初めての商品『あっぱれカレー』が発売されます。
特産品であるあっぱ貝を入れたカレーです。
この味を皆さんに楽しんでいただくことはもちろん、県内生産の約7割が南伊勢産であるあっぱ貝を安定的に活用できるようになり、第2、第3の新たな商品開発へ貢献してくれる存在になってくれることを期待しています。

この商品化には私たちの思いがつまっており、3年もの月日をかけた自信作です。皆さんに親しまれる新しい名物になって欲しいですね。

今後も商品開発のきっかけ作りや応援、販路拡大への取り組みは委員会が、魅力的な商品づくりは事業者が進め、それぞれの役割を果たしながら南伊勢町の魅力を広げていきたいです。

南伊勢ブランド
◆お問い合せ先
 南伊勢町役場 観光商工課
 電話 0599-66-1501


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南伊勢町産あおさ
大伊勢海老
鰹くんせい
鰹生節


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鶴路米(かくろまい)
でこたんようかん
鯛たまごスープ
内瀬(ないぜ)みかん


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食竹炭
五ヶ所みかん
真鯛の薫製
鯛の西京漬け


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内瀬(ないぜ)温室みかん
五ヶ所小梅
シイラの開き
マンボウのひもの


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でこたん
お炭付き鯛
刻みうつぼ