三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2010年2月21日放送

500年続いた伝統の祭りに、伝統の味・・・。
祭りに欠かせない『味噌ごんぼ』の味を次代につなげて、地域の文化を守ります!

津市美杉町のやや西にある下之川(しものがわ)地域。
ここにはなんと500年も前から続く祭りがあります。

それがこちらの「ごんぼ祭り」。
祭りが行われる仲山神社は、室町時代に北畠氏の祈願所として信仰を受けたところ。
長い歴史と、地域のみなさんの思いが込められた祭りです。
県の「無形民俗文化財」にも認定され、 毎年2月11日、五穀豊穣、子孫繁栄を願って盛大に行われます。

その「ごんぼ祭り」に欠かせないのが、ゴボウを味噌で和えた、この『味噌ごんぼ』。
昔は地域のほとんどの家庭でつくられてきましたが、過疎化、高齢化のため、手間がかかることを理由にどんどん姿を消しつつありました。

そこで10年以上前、『下之川地域特産物を育てる会』を結成。
以来、ふるさとの味を守り、ふるさとをゲンキにしようと『味噌ごんぼ』を作り続けています。

杉谷さん「500年も続いてる、伝統の味を途絶えてしまっては残念ですので、出来る限り続けたいと思ってます。
 本当に若い人がおりませんので、なるだけ、若い人がまた60才の定年過ぎたら、こちらに帰ってきて、祭りとか祭 りごんぼを作ってくれたらいちばんうれしいと思うんですけどな・・・」

均等な長さに切ったゴボウを、せいろで柔らかく蒸し上げ、特製味噌を塗りこみます。
味の決め手となる味噌の調合は、それぞれの家庭で味付けが違うため、グループ結成時にメンバー全員で味を確認しつつ決定。
のちの世代に伝えていけるよう、その配合をメモに残しているそうです。

包む『朴の葉』も、もちろん美杉産。
前年の秋に落ちた葉を保存しておく・・・祭りの準備は秋から始まっているのです。
会のゲンキさんたちが『味噌ごんぼ』をつくるようになってから注文がどんどん増え、今では祭りの前だけで2000個を超える予約があるそう!

『味噌ごんぼ』には、『唐辛子味噌』と青海苔の載った『山椒味噌』、2つの味があります。
どちらも舌にピリリとくる大人の食感で、1パック500円。

祭り当日。
いつもは静かな山里が、1000人以上の人で賑わいます。
お祭りがはじまる前から販売ブースには行列が出来はじめ、なんとお昼すぎには完売!
一度食べると後を引く味わいで、毎年買いに訪れるお客さんも多いとか。

いまや地元だけでなく、市外、県外のお客さんにも人気の『味噌ごんぼ』。
ゲンキさんたちがつくる素朴な「ふるさとの味」は、じんわりと、そして確実に広がりつつあるようです。