「ふれあい」VOL.1 2007年5月号

商品を売るだけでなく、楽しんでいただける・・・・
そんな港市をめざして!

県下でも有数の水揚高を誇る紀北町紀伊長島区の漁港で毎月第2土曜日に行われる「三重きいながしま港市」。
のぼりが立ち、店が軒を連ね、地元や県内はもちろん県外からも訪れるお客さまでにぎわうまでに至る苦労話や思い出話をお聞きしました。

和菓子屋を営む初代会長の長井英昭さん。「まず天候に左右されない会場の確保が必要やった。次に自力開催、次々問題がでてきてな。」

会場確保、自力開催…

天候に左右されて開催したりしなかったりという市では、お客さんに迷惑がかかる。
まず、屋根のある会場の確保が必要やと考えました。
幸い、地元漁協が協力してくれてありがたかった。

これでひと安心と思いきや、それまで力を貸してくださっていた各種団体に頼らず、自分たちの力で開催するといった問題に直面し、出店業者の方々に引き続きみんなの力で継続して行こうと呼びかけにまわりました。ありがたいことに、多くの賛同を得る事ができ、たいへん心強く思いました。

会長時代は、開催の2、3日前になると本業もそこそこに港市の準備に奔走し、家族にも随分迷惑をかけたなあと、心で詫びています。

お客さんを第一に

お客さんに楽しんでもらうため、町に足を運んでもらうため、とにかく一生懸命でした。
いろいろな人に、PRをしてもらうようお願いに出向いたり、同時イベントを開催したりしました。
消防署の地震体験車や、婦人会にお願いしたそばうち体験、また、私たち自身でも手作りゲームコーナーなんてやりましたっけ。

実は、今まで港市は休んだことがありません。
台風で大荒れの天候でも楽しみにしていてくれるお客さんがいる限り「開催し続ける!」という気持ちをみんなが持っていましたからね。
ただ、自力開催になってからPR不足なんでしょうか、最近「まだやっとるんかいな」という問い合わせをいただくことがあります。
私らの気持ちをお客さんに伝える事、つまりPRのたいせつさを感じています。

水産加工業を営む二代目会長の樋口清さん。
「これからは隣接地区とも連携したい。
イベントも工夫して。拠点も必要。課題はいっぱい!」

販売だけでなくふれあいを

便利になって、その土地に行かなくても名産品や特産品が手に入る時代ですからね。
販売だけではお客さんに喜ばれないと感じています。
ですから、私たちの港市は、「楽しかった」と言っていただけるような工夫をしています。
お客さんや地元のみなさんの喜ぶ顔を見るのが好きなんです。
目の前で解体したマグロや、あおさ汁、大敷汁といった紀伊長島の味の振る舞いをしたり、お楽しみ抽選会やガーデニング教室などを開催したりしています。

港市のこれから

港市がもっとにぎわうように、これからは隣接地区のみなさんにも出店、参加していただけるようにしたいと思っています。

また、新しく道路が完成するので、道路を通過するお客さんにも立ち寄っていただけるようにしていくことも考えていきたい。

それから地元漁協の協力があって会場を確保しているものの、開催日を増やそうとすると、やっぱり常時使える拠点が必要だと痛感しています。
いろいろな目標を持ち、いろいろな課題を抱えていますが、ふれあうことのたいせつさや楽しさを受け継ぎ、これからも港市を盛り上げていきたいと思っています。