FM三重『ウィークエンドカフェ』2013年6月1日放送

今回のお客様は、大台町観光協会会長であり、『大台町ふるさと案内人の会』の筒井敏さん。
筒井さんのご出身はお隣の大紀町ですが、大台町に住んでからもう50年ほど経ちました。
今ではすっかり、大台の人。
ここには大台のすばらしい景色が映し出された写真がいっぱいあり、きちんと整理されたファイルには、筒井さんの秘密の穴場情報がたくさんつまっています。

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■たくさんの人に大台町に来てもらうために!

僕は、以前は郵便局員でして、毎日大台町を駆け抜けていました。
だから景色も文化も働きながら、自然に覚えていったんですね。
さらに、仕事の関係で、旧宮川地区などにもたくさんの知り合いがいます。
そういった意味でも、私のフィールドはやはり大台町だと思っています。

僕の思いは、今、町をどう活性化していくかということ。

そのためには、何か行動を起こさないと。
『大台町ふるさと案内人の会』も、人を案内するだけではなく、地域を活性化する『地域おこしの会』としても活動しなければ、と。

遷宮の影響か、去年からこちら方面にも徐々にお客さんが増えてきています。
伊勢まで来たお客さんを、伊勢で終わらせるのではなく、いかにこの地域に呼び込むかということが大切です。

そこで、町内に隠れている資産を何とかして生き返らせ、よそから来た人に、「ここでしか見られないもの」「ここでしか体験できないもの」を知ってもらうのが、町を活性化させる最大の方法では、と考えたんです。
僕のそういう思いを観光協会でもぶつけて、みなさんに相談して、進めてみようかな、というのが現状ですね。


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■大台町には見どころがたくさん!

景観を生かした町おこしとして行なっているのが、神瀬地内の『馬鹿曲がり』や熊野古道の『三瀬の渡し』。
『三瀬の渡し』は瀧原宮へ行く三瀬坂へのもので、渡しがあることで約6km近く短縮できるんです。
3年前にこれを復活させて保存会を作り、今も順調に、希望される方を船で渡すという活動をメインで行なっています。

『馬鹿曲がり』も、地元の人でも話は聞くけど行ったこともない、というような場所。
熊野古道は熊野までずっと、42号線と鉄道とでズタズタに切れたようになっているんです。
だけど、キチッと残ったところがあったものですから、これをどうにかしようと地元の人たちに呼びかけて、設計や材料の調達は我々が行い、協力して県の援助も受けて、昔の橋を復元しました。

このように、歴史や文化を発掘しながら地域おこしを行なっていきたいですね。
神瀬、上三瀬・下三瀬地区、それぞれの地区地区、また宮川の奥のキャンプ上でもいろいろやっていているようです。

また、これからは特に観光に力を入れないといけないシーズンになってきます。
日本三大秘境のひとつ、大杉谷の登山とかね。
やっと去年の8月から迂回路を通じて開通しました。
来年の山開きからは完全に通れるようになりますので、ぜひ一度来ていただきたい。
やみつきになりますよ。


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■北畠具教の終焉の場所を何とかしなくてはと、地元が動き出した

大台町は、伊勢国司だった北畠具教・・・240年も続いた北畠家八代の終焉の地なんです。
織田信長軍との戦いの後、再起を誓った場所として、6年ほど隠居していたと言われています。
当時、なぜそこが要害の地になったのかを考えると、交通の便などの見地から選ばれたのではないかと。
これは大きな歴史やないかということで、歴史と景色をメインにいろいろなプロジェクトが動き始めました。

その中で完成したのが、北畠具教ゆかりの場所が記された『史跡絵図』。

大台町は幅広く、91kmの長さの宮川の長さの、2/3を大台町が占めています。
その中でみんなが同じ事をしていてもダメですよね。
宮川地区はこう、三瀬地区はこう・・・いろいろお互いに競争をして、その結果のひとつが、北畠家の『史跡絵図』になったんじゃないかなと思うんです。

先日は、できあがった『史跡絵図』を手に、町のみなさんがウォーキングを楽しみました。
2時間ちょっとのコースで、大台町の魅力を再発見することができたんじゃないかな。
今度は訪れた人たちにそれをうまく伝えていきたいですね。


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■大杉谷は素晴らしい!

これからのオススメは、鮎料理。
そして何より大杉谷登山ですね!
ゴールデンウィークから山開きになりましたので、11月23日まで、大杉谷登山が楽しめます。

日帰りでも『シシ淵』など、けっこういいところまで行けますよ。
ここは危険度は高いんですけど、登山と言うよりも川辺をアップ・ダウンしながら景色を楽しめるコースだと思います。
泊まりが無理でもいろいろなコースがあるので、ぜひ登山サンターに聞いてみてください。
今年からは登山センターに常駐の職員をひとり採用したので、安心ですよ。

日帰りだと標高400mくらいまでかな。
『桃の木山の家』が標高440mで、そこから奥がすごくなってくる。
『七ツ釜滝』や『堂倉滝』。
堂倉滝から上が、標高約1000mくらい。
泊まって大台ケ原まで上がるとなると、2日目がキツイです。
だいたい7時間半から8時間かかりますよ。

こちら側からは『桃の木』まで行っても5時間。
今は日が長くなってきているので、健脚の人だったら『桃の木』まで行って帰って来られます。
一番景観の良い橋は、『桃の木』の少し手前の『平等嵓吊橋』。
昨年の3月に復旧復元した、約60mの、最高の吊橋です。
以前よりも20mほど高くなりました。
健脚ならここまで行って帰って来られます。

大杉谷の登山道には、こういう吊橋が10ヶ所あるんです。
ぜひ、安全に気をつけながら、登山を楽しみ、大台町を楽しんで下さい!