三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年6月9日放送

自分や家族の力だけでは解決が難しい困り事を、 ボランティア意識を持つ住民同士が『助け、助け合う活動』!
食事や買物など、地域を支えあうボランテイアサービスで、双方に『生き甲斐』が生まれます!

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三重県最南端の町、紀宝町。
温暖な気候に恵まれたこちらは、ウミガメが来る町として知られ、また、みかんなどの果樹の栽培が盛んです。


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そんな紀宝町で今、行われているのが、『困った時は お互いさん!』という、分かりやすいネーミングの取り組み。
困った時は助けたり、助けられたり・・・地域を支えあうボランティアサービス事業です。


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紀宝町社会福祉協議会の稲本知見さんに、この取り組みについてお聞きしました。

「昔ならお隣同士で『ちょっと多めおかずを作ったから持って行くよ』などの繋がりがあったのですが、今はお仕事されているご家庭も多いですよね。
そんな時に家族では解決できないようなちょっとした困りごとを、ボランティア意識を持った方が、お手伝いしますよ、助けますよ、というものです」


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『困った時は お互いさん!』は、地域に暮らす人の声に応える形で、2年前にスタート。
お買い物のお手伝いなど、定期的な支援の他、利用者の要望に応じた細かいサポートをしています。
利用者・協力者ともに『登録制』
ボランティアの協力会員の登録は、およそ70人。
利用者は年間150人にのぼるそうです。
サービスは有償(原則30分250円)です。


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こちらは鵜殿地区の『おかずのおすそわけサービス』の様子。
栄養が偏りがちなお年寄りの方に、おかず2品を調理し、配達しています。

今回訪ねた鵜殿地区の協力者のみなさんは、4つの班が持ち回りで、毎週木曜日にこうして集まっています。
おかずは健康を考えて野菜が中心。
しかし飽きがこないように、毎回調理に工夫をこらしているそうです。

同じようなサービスが、鵜殿地区を含め町内5箇所の地域で定期的に行われています。
料金は1回利用券1枚分(250円)。


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この日のおかずは、春雨の中華風サラダと、あんかけ焼きそば。
容器は、洗って返してもらってリユース。
おかずを届ける袋も協力会員のみなさんによる手作り。
さらにおかずの配達も協力員が行なっています。
2つに分かれて配っているので、この日は13軒。


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「一人ではこんなに作れないので、大いに利用して楽しんでいます」
「毎週楽しみにしています。一品増えるのはありがたいので」

嬉しそうな表情の利用者さん。
利用者さんの健康状態を見守り、社協へ報告するのも大切な役目です。


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協力員のみなさん。

「毎週楽しみにしてもらえて嬉しいですね」
「私自身、20年ほど食生活の関係の仕事をしていたので、参加しました。人の喜ぶ顔が見られるのは嬉しいですね!」

助ける方も助けられる方も、ともに笑顔なのが印象的です。


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『困った時は お互いさん!』のもうひとつのサービスは、『買い物支援ツアーサービス』。
移動手段などが無く生活用品の買物などが困難な希望者に対して、集団で買い物に出掛けるサービスで、自宅近くのバス乗り場まで、迎えに来てくれます。

このサービスが喜ばれるもうひとつのポイントは、協力会員のみなさんが利用者ひとりひとりに付き添うこと。
まるで、友だちや家族と出かけるバス旅行のようです。


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店内では、協力員のみなさんと利用者の方が2人1組。
買い物かごを持ったり、細かい文字を読んだりと、利用者の方に寄り添って、買い物のお手伝いをします。


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「若い方に教えてもらいながら、買い物するのが楽しいです。生き甲斐に感じますよ」と利用者さん。

「お年寄りの方は『自分で見て自分で』買うのが楽しみなんですよ。だから私たちは賞味期限を見たり、新鮮な方をアドバイスしたりしています」と協力員さん。

助けたり、助けられたり。
誰もが、当たり前の暮らしを送れるように、地域の人が支えあう。
『困った時はお互いさん!』
みんなが安心して暮らせる地域のためのお手伝い。
優しさののおすそわけです。