三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年6月23日放送

環境の変化により、一度は姿を消したホタルを、地元住民の努力で復活!
今年で5回目を迎えた『祝詞川ホタルまつり』で、その淡い光を楽しみます!

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祝詞川のほとりで、この時期、淡い光を放つホタル。


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ここ、大紀町の祝詞川地区では、環境の変化により、一度は姿を消したホタルを地元の住民たちによる『祝詞川ホタル愛好会』の熱意で、復活させました。

『祝詞川ホタル愛好会』会長の、野呂保之さんにお話しを伺いました。

「昭和47~48年頃、農薬や化学肥料などが頻繁に使われるようになり、本当に1匹もいなくなってしまったんです。
ところが昭和50年半ばになって、また1匹2匹と飛ぶようになりました。
そこで友だちを集めて、ここのホタルを飼うことにしたのです。始めた当初は3~4人ほどでした」

現在、『祝詞川ホタル愛好会』で活動するメンバーは、およそ20名。
この他に、みなさんの活動に賛同し、会費を支払う形で活動を応援する会員が、地元を中心に100人ほどいます。

そして、その祝詞川のホタルを地域の魅力として発信していこうと始まったのが『祝詞川ホタルまつり』。


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『祝詞川ホタルまつり』当日は、早くから準備が始まっています。
この真っ直ぐな道、通称『ホタルロード』では、2Lのペットボトルを使った灯ろうを取り付け中。
この先に、メインの会場があります。
灯ろうを取り付け中の『祝詞川ホタルまつり』実行委員長の奥山泉さんにお話を伺いました。

「行きはホタルが気になってあまり気づかれないのですが、帰り道、駐車場に向かって歩いて行く時に気づいてもらって、感動してもらうのが楽しみです」


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こちらは田んぼの法面をライトアップして、文字を浮かび上がらせる準備。

織田悟さん「この地域に夢と希望を与えるために、がんばっています」

去年は『絆』という文字だったそうですが、今年の文字は・・・?


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夕暮れが迫り、ホタルロードを歩いて会場へ向かう人の姿が、目立ち始めました。

地元大紀町の『音創塾』のみなさんによる演奏。
尾鷲ひのきの間伐材を使って作られた楽器、『カホン』も大活躍です。


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日が暮れると、ゲンキさんたちが準備した500本を超える灯ろうすべてに、火が入りました。
浮かび上がって見えるのは、『命』の文字。


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そしていよいよホタルが光り始めました。

「キレイです。こんなにいっぱい見られるとは思いませんでした」
「力をいただいた気がします。感動しました」

ホタルを観ているお客さんたちも、あまりのホタルの多さに驚いています。


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『祝詞川ホタルまつり』では、他にも、たくさんのイベントが用意されていました。
昼間は、祝詞川の清流で思い切り、遊んでもらおうという『川釣り体験』。

地元の『なごみ会』のみなさんによる、抹茶のおもてなし。
ホテルの光を眺めながら一服できる場所も用意されており、風流ですね。

他にも屋台が軒を並べ、普段は静かな川のほとりが大賑わい。
地域の人の思いがホタルを復活させ、そのほのかな光が、こうして毎年、地域をにぎやかに照らしているんですね。


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地域の宝となりつつある祝詞川のホタル。
ゲンキさんたちは、一年を通して、ホタルの住みやすい環境を守っています。
その中でも、巻貝の一種である『カワニナ』というホタルのエサを育てることに、最も気を配っています。

ホタルの餌『カワニナ』を育てるためのエサも、ゲンキさんたちの手作り。
エサまきも、川に入っての作業。
川のゴミ拾いや草刈りも欠かせません。
こうした日々の取り組みがあって、ホタルは復活したのです。


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大紀町の町長、谷口友見さんにお話を伺いました。

「年々趣向を凝らしていただいて、愛好会のみなさんには感謝しています。
行政としても、農道の整備したり、ホタルのエサ場である橋の下など、きれいな水でなければならない場所は、現場を自分で見て、技術者を連れて整備をするなどの協力をさせてもらっています」

ひとつひとつの光は、ほのかで弱々しくても、星の数ほど集まれば、地域全体をも照らす。
『祝詞川ホタル愛好会』、そして地域のみなさんは、これからもさらに明るく、そしてゲンキに輝き続けます!