三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2010年3月7日放送

住宅街に迫る放置竹林を有効利用!
竹パウダーに含まれた微生物で、生ゴミを分解!そして堆肥に!

多気郡明和町。
放置され住宅街に迫る竹林を有効利用し、地域に貢献しようとしているゲンキさんがいます。

『竹の都・明和農業生産研究会』のみなさんと、代表の米沢さんです。
米沢「ここ周辺の住宅地に竹が侵食・拡大して荒廃してきている・・・ということで、町おこしのひとつのきっかけとして、竹を何かに有効利用できれば」

そんな思いから、昨年5月に『竹の都』を設立。
活動拠点となっている牛舎は、地元の方の好意でお借りているそうです。

そして、開発したのが、この『竹パウダー』。
この竹を粉末にする機械は、米沢さんの知り合いの会社に作ってもらったとのこと。
前例もなく、試行錯誤の末に完成したそうです。
こうして、いろいろな人の協力を得て、竹パウダーは生まれました。

竹は糖分やミネラルが豊富で、生ごみを分解する微生物が繁殖しやすいのが特徴。
竹パウダーに水分と温度を与ると、発酵し、生ゴミの野菜を分解してくれるとのことで、堆肥作りの床材の最適な素材になるそうです。
竹パウダーに適量の水をいれ生ゴミと混ぜ合わせたものを時々混ぜ、3ヶ月経つと、ふわふわに。
養分豊かな堆肥床の完成です。

処分に困っていた竹と生ゴミで堆肥をつくり、そして野菜を育てる。
『竹の都』のみなさんの活動は、さらに広がり、地元の小学校でも堆肥作り体験がスタート。
メンバーのみなさんがボランティアで講師をつとめています。

一方、肝心の竹の伐採・収集は、里山の保全活動を行うNPO法人『うにの郷クラブ』が行っています。
こちらは里山を次世代に贈る宝にしようと、活動しているグループです。
『うにの郷クラブ』のみなさんは、自分たちで作った炭窯で、竹炭を焼いたり、竹細工の体験教室を開いたりと、竹の再利用につとめてきました。

しかし伐採したすべてを再利用はできず処分に困っていたところ、『竹の都』の米沢さんから申し入れがあり、2つのグループが協力して取り組むことに。
ふたつのグループは、地域で暮らす人に、そしてその将来のために、パートナーとなったのです。

堆肥作りが軌道に乗った後の『竹の都』の皆さんの夢・・・それは、牛舎の前の広大な畑を使った体験農園!
地元の方と一緒に、竹パウダーを使った堆肥を入れ、土壌改良しながら、土地にあった野菜作りをすることだそうです。

米沢さん「ここで出来た野菜を、ご家庭の方に持って帰ってもらって、収穫祭なども行い、お子様とか幼稚園の子供たちを招いて、ここで楽しみながら食べていただきたいんですよ!」

竹から野菜、そして地域へ・・・。
リサイクルから誕生したゲンキの種は、ぐんぐんと明和に育ち、今、根付きつつあります!