FM三重『ウィークエンドカフェ』2013年10月5日放送

今回のお客様は『みなぐち養鶏』のお嬢さん、 源口まり子さんと源口博子さん。
『みなぐち養鶏』のスタートは、2人のおじいさんの時代からです。
お父さんが2代目で現在の社長。小さな頃は、姉妹で生まれたばかりのひよこがいる「ひよこ部屋」をよく見にいったそうです。
そして家族みんながやりたかったことが、この卵をたっぷりと使ったパン屋さんをすることでした。
2011年3月、『卵の郷 ベーカリーTE&TE』がオープンしました。
パンを作るのは、次女のまり子さん。
三女の博子さんは、卵の郷工房のオフィスマネージャーとして、卵のインターネット販売や広報活動を行なっています。

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      源口博子さん(左) 源口まり子さん(右)

■最初は倉庫でパンを販売!

まり子さん(以下、ま)オープンした当初は今のような店舗ではなく、倉庫の中で売っている状態でした。初日はたくさんのお客様が来てくださると信じて、種類はたくさん用意し、夜なべしてたくさん焼きました(笑)

博子さん(以下、博)具体的な人数はわかりませんが、初日は開店する前からたくさんのお客さんに並んでいただきました。
パンを実際に作っているのは姉で、私は主に広報活動をしています。
けれど、基本的には口コミで「美味しいね」というのが広まってもらえれば良いかな、と思っているので、あまり積極的に『広報』という形ではしていないですね。

 人気なのは長いフランスパンです。
2種類あって、つぶあんとバターが挟まった『あんバター一直線』、自家製のミルククリームをたっぷり入れた『ミルちゃんフランス』。
普段焼いているものは30cmなんですけど、土曜日だけ限定で60cm以上になるフランスパンを焼いています。
みなさんおみやげに買って行かれたり、帰省するときに寄って行かれたり。
けっこう大きいですが、食べるのが好きな人なら、2人で食べられます(笑)


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■『TE&TE(手と手)』の名前の由来

 私の仕事はパンを作ることで、これも手仕事。
また、このお店は、本当にたくさんの手に支えられてオープンしたので、その気持を込めて、『手と手(TE&TE)』と名づけました。
家族はもちろん、パンの師匠や地域の方に、とても助けていただきました。

 私は基本的に広報のほか、卵担当で、特にインターネットでの販売をメインにしています。
最近では、ネットで購入するお客様も増えてきていますね。
県内はもちろん、県外のお客様は、京都、愛知県、九州・・・北海道の方もいらっしゃいます。
ネットショップは随時更新していかなきゃならないので、ちょっと大変です。
パンの方のレジもしているので、あっちに行ったりこっちに行ったり、忙しいです(笑)。
卵は、日持ちという観点から夏場はちょっと売り上げが落ちる時もありますが、基本的には年中常備されている方が多いですね。


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■お店のことは2人で決める

 姉妹なので、言いたいことははっきり言える間柄ですね。
一緒に悪いところは直して、改善案を毎日ぶつけ合えるので良いと思います。
お互い言いますし、言われます(笑)。

 でもあまりにも正直に言いすぎて失敗したな、ということもあります(笑)。

 ちょくちょくあります。「そんなに言わんでも」って。
でもウチに帰ったら、もう忘れます(笑)。
ケンカをしても、仲直りできるきっかけがたくさんありますから。
ご飯をおごってもらったり(笑)
プライベートでも一緒に買い物へ行ったりするくらいなので、仲は良いと思いますよ。

 あと、同業者はやっぱり気になるので、出かけた先でパン屋さんがあると、見に行きますね。

 こういうディスプレイ良いね、とか、こういう季節のパンもあるんだね、とか。
とても勉強になります。美味しいですし(笑)

 スイーツ系のパンが得意なパン屋さんとお惣菜系のパンが得意なパン屋さんがありますよね。
ウチはもちろん卵を活かしたパンなんですが、地域に、甘いモノが好きな方がとても多いので、菓子パンが多いです。
特に卵を沢山使っているので、濃厚でリッチな生地となっています。
クリームなどもたっぷり入っていないとパンじゃないわ!という感じの方が多いので、満足感を味わっていただけるようにしています。
食べやすくて、毎日でも食べられるパンを作りたいですね。
お年寄りの方でも食べやすいよう、柔らかいパンを作ったり。
そのおかげか、小さなお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで、たくさんの方に来てもらっています。


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■パンにも卵にもこだわりが!

 毎日開店時間は11時なんですけど、10時くらいにもう来てくださるお客さんが多くて(笑)。
来てくださるのはありがたいので、出ている分だけでもみてもらうことが、ほぼ毎日です。
せっかくこんな所まで来て下さったので、という感じで。

 地元の方はもちろん、尾鷲や海山や熊野から来てくださる方もいますし、町外の津や松阪から来てくださるお客さんもいます。
クリームとかアンを、とにかくたっぷり入れているので、「嬉しいわぁ」と言ってくださるお客さんが多いですね。

 基本は自分たちが食べたいパンを作っています。がっかり感がないように、満足感を優先して「美味しいね」と言ってもらえるのが一番だと思っているので。
ウチの養鶏場では、烏骨鶏の卵も扱っています。
烏骨鶏の卵は普通の卵に比べると、小粒だけど黄身が大きく、濃厚で甘みがあるんです。

 だからクリームを作るのに適しているんです。
烏骨鶏の卵は高いのでそれだけで、カスタードを作っているところはあまりないと思います。
また、他の卵は酸性の性質なんですが、烏骨鶏の卵だけは、唯一アルカリ性なんです。
その辺りも特長と言えますね。

 烏骨鶏の他にも『黒翡翠の卵』という緑色をした卵と、『アローカナ』という青みがかった種類の卵があります。
ネットショップでも販売していますし、パンの素材として使っているんですけど、なかなか食べる機会がないと思うので、そういったチャンスをもっと作っていきたいなと思っています。
私たちがオススメする卵料理は、やっぱり『卵かけご飯』。
あつあつのご飯にみなぐち養鶏の卵をかけて、食べてみて欲しいですね。
産みたての卵は、本当に美味しいです。

 パンには卵と愛情をたっぷりと詰め込みました。
これなら喜んでもらえると試行錯誤して作ったパンを、お客さんが喜んで食べてくれて、「美味しかったよ」「また来るね」って言ってもらえる、その言葉につきますね。
今後は、すべてのパンに自然酵母を使うこと、地域でできた野菜を一緒に楽しめるパンを、もっともっと増やしていきたいです。