三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年11月3日放送

過疎化、高齢化が進む相賀浦を、地元の人たちでゲンキにしよう!
今年で9回目を迎える俳句の会や、伊勢海老料理、地域の人が営むお店・・・みんなで手づくりし、みんなで地域の文化を守ります!

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砂丘などの発達によって海から切り離されて出来た海跡湖。
そんな不思議な湖と、長くてきれいな浜がある町として知られるのが、南伊勢の相賀浦です。
昔の漁村の面影が残る風光明媚なところですが、現在、過疎化と高齢化が大きな問題になっています。


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ふるさとの相賀浦を、少しでもゲンキにしようと頑張っているのが、『相賀浦元気づくり協議会』を中心とするみなさんです。


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その活動の1つがこちら、『みんなの店』。
2009年、相賀浦に唯一あったスーパーが閉店してしまい、住民のみなさんは日常の買い物にも困る状況に。
そこで地域の住民のみなさんが運営する、地域の人たちのためのお店が誕生しました。
だから店名も『みんなの店』なんです。

店内には生鮮食品のほか、日用品も揃っていおり、毎日来るお客さんもいるそうです。


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店長の畑知之さんと、奥さんのみせ子さん。

知之さん「魚屋で4年半ほど働いた経験があったので、店長をしてほしいと頼まれて、こういう風になりました」

みせ子さん「お刺身もここで捌いて作ることができるので、とても喜ばれています」

地域のみんなで支えあっているお店なんですね。


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一方、この日、庭浜に面した桂雲寺でも、何やら準備がはじまっていました。
俳句で相賀浦の情景を、そして文化を、五七五の俳句で残していこうとはじめられた『相賀浦庭浜観月の夕べ』。
今年で9回目となる観月と俳句の会です。
町外からもお客さんが来るとあって、地域のみなさんはおもてなしの準備に大わらわ。

ちなみに、ここ相賀浦で俳句の会がはじまったきっかけは、昭和に活躍した代表的な女性俳人・中村汀女が相賀浦を訪ねたときに詠んだこの一句から。

『遠洋漁船 行くは行かせて 東風(こち)の浜』


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『相賀浦元気づくり協議会』事務局長の村田春喜さんに、『相賀浦庭浜観月の夕べ』についてお聞きしました。

「文化で村おこしをしようと、地域の人たちにも参加してもらい、始めました。
毎年、十五夜でなく十三夜に開催しています。十三夜は休日とは限らないので、勤めている人にとっては準備も大変だと思いますが、それが逆に9回続いた理由かもしれませんね。
目標は10回。
そして集大成として、中村汀女の句碑を庭浜に建てたいと思っています」


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月明かりと共に町を優しく照らし出そうと、キャンドルライトの準備がはじまりました。
観月と俳句の会が開催される桂雲寺まで、ゆらめくろうそくの光が道案内。
もちろんこのキャンドルライトも、地域のみなさんの手づくり。
お父さんたちが中心になって設置されていきます。


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一方、桂雲寺の中では、相賀浦婦人会のみなさんが、おにぎりを作っていました。
『相賀浦庭浜観月の夕べ』は、地域のたくさんの人が、さまざまな協力をしてお客様をもてなす会なのです。


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南伊勢町相賀浦の河口敬区長のあいさつがあり、いよいよ『相賀浦庭浜観月の夕べ』がはじまりました。
まずは琴の演奏。
おごそかに華やかに楽しんでもらいます。


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地元だけでなく、全国から応募があった俳句作品を紹介。
なんと500通以上の応募があったそうです。

三重県俳句協会長賞は、

『汀女忌や 寄せては返す 波幾重』

中村汀女を悼み、ときの流れを波に例えた句でした。

そして小中学生部門の最優秀賞は、

『名月の 光に包まれ いやされし』

南勢中学校1年の東まりんさんの作品でした。

「いろんな俳句が聞けて嬉しいし、他の受賞した方々の俳句も聞けるので、とても楽しいので、この会が長く続いて欲しいです」
と、まりんさん。

五七五で見つめなおす地域の魅力。
来年はいよいよ10回目を迎えます。


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他にも、相賀浦のみなさんは、超豪華な料理でおもてなししてくれます!!

毎年1月から3月までの期間限定で、オープンする『えび網料理小屋』。
大ぶりの伊勢海老がまるごと味わえるとあって、リピート客が続出中です!


地域に暮らすみんなで力を合わせ、外から人を招く。
互いに支えあい、助け合う。
相賀浦の笑顔はこうしてつくられ、守られていきます。

※えび網料理小屋について
開催予定 平成26年1月~3月の最終日曜日
開催場所 南伊勢町 相賀浦えび網料理小屋
連絡先 TEL 0599-64-2170(みんなの店)
予約受付時間 月曜日~土曜日の9:30~15:00まで