三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2013年11月17日放送

捨てられ、保健所に連れられた動物を保護し、里親を見つける!
処分されるかわいそうな動物をゼロにするため、レスキュー、譲渡会、講演・・・さまざまな活動を行っています!

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今回訪れたのは、今年でオープン40周年を迎えた、鈴鹿では長い歴史を持つショッピングセンター『鈴鹿ハンター』。
そこで開催されていたのは、保健所に捨てられたり、野良で捨てられた子たちを保護し、新しい家族に会わせるための譲渡会です。


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このように保健所から動物をレスキューし里親を捜したり、動物を捨てないよう啓蒙活動を行っているのが、『ワンニャンプロジェクト』のみなさん。

平成10年に三重県内で殺処分された捨て犬や野良犬は5309頭。
猫は5328匹でした。
それが昨年度は、犬474頭、ネコ2988匹に減少。
しかしまだ多くの命が失われています。


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代表の末延りえこさんに、活動のきっかけをお聞きしました。

「ある保健所へ行ったとき、一組のワンちゃんの親子が収容されていたんです。
そのワンちゃんを、どうしたら救うことができるのかを考え、里親会やレスキュー、動物を捨てさせないための講演などの活動を始めました」

最初は末延さんひとりではじめた里親さがし。
しかし活動を続けるうち、ひとり、またひとりと手伝う人が増え、現在『ワンニャンプロジェクト』に関わるメンバーは30人となりました。


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この日の会場では、4つのボランティアグループが集まり、共同で里親探しの譲渡会が開かれました。
人が多く集まる会場に、より多くのワンちゃんネコちゃんを集め、ひとつでも多くの出会いを生み出そうという作戦です。


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意外にも捨てられる傾向が多い犬は、人気のある種類。
流行に乗って購入したものの、世話をできなくなり捨てる・・・というパターンが多いそうです。
純血で、人気の小型犬が保健所にいることも多いのだとか。

『ワンニャンプロジェクト』には動物たちを保護する施設があるわけではありません。
里親が見つかるまでの間はメンバーがそれぞれの自宅で飼育。
保護する数が増えすぎた場合は、他のボランティアグループのメンバーに預かってもらうこともあるそうです。
1匹でも多くのワンちゃんネコちゃんを救いたい!
そんなメンバーひとりひとりの思いが、活動を支えているのです。


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実際に里親になるためには、試しに1週間預かり、相性を確かめるトライアル体験を実施。
さらにペットの飼育経験はあるか、どのような条件の住宅に暮らしているかなどのアンケート調査があります。
もしペットの飼育経験がなければ、事前にいろんなアドバイスをもらってからトライアル飼育に挑むことができます。
ワンちゃんネコちゃんだけでなく、里親になろうという人にも十分なケアがなされた仕組みなのです。


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この日来ていたのは、里親に興味のある人、情報誌などで譲渡会の存在を知った人など。

「前飼っていたワンちゃんが亡くなったので、かわいそうなワンちゃんがいたらもらおうと思って」
「捨て猫などは大きな問題になっていると聞いたので、こういった活動は大事だと思います」
また、
「自分がもう60過ぎなので、これから十何年も生きる赤ちゃんよりも、年のいった犬のほうがいいな」
というおじいさんもいました。


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ワンちゃんネコちゃんは引き取り先が決まっても会場では渡さず、後でスタッフが送り届けます。
これは、新しい住まいを実際に確認するためでもあります。
無事に新しい家族のもとに到着。
早く新しい環境になじめると良いですね。


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こちらは4ヶ月前に里親になったお宅です。
娘さんの友達のお母さんから紹介され、引き取ることにしたのだとか。
疲れて高校から帰ってきたお兄ちゃんの、癒しとなっているようです。


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『ユーカリ動物病院』院長の伊藤雄洋さん。
『ワンニャンプロジェクト』の活動に賛同し、協力しています。
この活動に、どう携わっているのかお聞きしました。

「プロジェクトのみなさんが保健所から保護してきた動物を、僕らのところで健康チェックしています。
そして治療が必要であれば、治療をし、お返ししています。
費用に関してはケースバイケースですが、新しい里親さんが決まった時点で、治療費の一部を負担していただいています」


「いつか、私たちの活動が必要なくなるのが、理想です。
それからペットを飼われるみなさんにお願いです。
いなくなったらまず、保健所や警察に必ず電話してください。
一週間待っていたら、大切なワンちゃんやネコちゃんが処分されてしまう可能性もあります」
と、末延さん。


ひとつの出逢い、めぐり合わせが、守る命。
全国で飼育されている犬、猫の数が2000万とも言われる今、その一方で、捨てられ、処分される命があります。
ひとつでも多くの命を救いたい。
ひとつでも多くのチャンスを与えたい。
『ワンニャンプロジェクト』の活動の幅は、確実に広がりつつあります。