三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2010年5月30日放送

海水の汚染による海の砂漠化『磯焼け』を防げ!
海の植樹活動で、海を再生し、地域も人もゲンキに!


北牟婁郡紀北町海山区の島勝。
熊野灘にぽっこりと突き出た岬にあるここは、昔は廻船が停泊し、とても賑わいがあったといわれています。
現在でも豊漁や海での安全を願った祭りが今も残り、地元の人や観光客を喜ばせています。

そしてもうひとつ、観光客や地元の人たちが楽しめるもの・・・それは島勝の美しい海です。

しかし、この数年、海水の汚染などによって引き起こされる海の砂漠化『磯焼け』が広がり、生き物の数が減ってきているそう。
かつては海草を掻き分けて泳ぐほど豊かだった海は、今では海底が丸見えになっています。

そんな『磯焼け』を防ぎ、豊かな海を取り戻そうとしている人たちが、島勝『海守り』のみなさんです。
平成21年9月に発足。
海藻を人工的に『植樹』し、小魚たちが集まり遊べるような、海草豊かな海を再生するために頑張っています。

植樹の準備にかかる時間は、約2ヶ月。
苗からアラメを育て、ある程度育ったら海から一度引き上げ、自然石に結びつけます。
しかし植樹するのはまだ先。
再び浅瀬に沈め、アラメがその石にしっかり根を張り、固着させてようやく、植樹できる海藻の完成です。

固定する石も手作りです。
石の上にコンクリートの団子をつくって、そこに針金を固定します。
この針金にアラメの苗を結びつけるのです。

地域の子どもたちを招いての植樹活動。
事前に、なぜ植樹をしなくてはいけないのか、どのように植樹をするのかをしっかりと勉強します。

海での活動は危険がともなうため、誰にでもすぐはじめられるわけではないのが大きな問題。
実作業はメンバーが中心となり、常に安全を確認しながら作業しています。
アラメの苗をつけた石を海底に沈め、それをダイバーがしっかりと固定していきます。
こうして藻場・・・海の森を再生していくのです。

一度の植樹で投入する石の数は、20~50。
量としては多くないとそう。
だからこそ、継続することが必要なのだとか。

この時の植樹作業・体験には、別のグループも参加していました。
『海っ子の森』サークルのみなさん。
鳥羽の答志島などで、藻場の再生、海の植樹活動に取り組んできたグループで、いわば海守りの先輩格。
『海っ子の森』サークルの協力のもと、海守りは誕生し、活動をしてきたのです。
自然石を利用しての藻場再生法も、『海っ子の森』から学んだもの。

『海守り』が今していることを、子どもたちが成長したときに続けて欲しい。
いろいろな地域のグループの意見を聞き、自分たちの海にも行かしていきたい。

地域を超え、世代を超え、楽しみながらやること・・・それが、ふるさとの海の再生につながるに違いありません!